学校から帰り路、一番は小学校の想い出だ。
学校と家を3等分して最後の1つになったころ、忠六さんというおじいさんの家があった。もちろん、よそのおじいさんなのだが、みんなに親しまれていたおじいさんだった。そしておかしいことにその家で水を飲ませてもらう習わしがいつしか、先輩小学生から受け継がれていた。うまかった。水道の蛇口に口を寄せて直に飲んでいたのではなかったか。
また、忠六さんの畑に植えてあった大根を引き抜いて、ほりの水で洗って、そのままかじって食べたこともあった。これもうまかったなあ。
時には、まじめに友達の家に寄って勉強して帰ることもあった。
家でする宿題は苦になったけど、友達の家ですると、また、みんなで、と言っても3人だったけど、考えるとすんなりと分かって宿題がはかどった。
ちょうどその頃は、なんでだか、一クラスしかなかった5年生では、算数の予習がはやった。ほんとなんでか、先生が教える明日の練習問題を前日に済ませておく習慣があった。今でも忘れもしないツルカメ算を学んでいた頃だった。なんでか僕はこれが得意で 先生の通信欄に算数の「考え方解き方」が良いと書かれていた。
うれしかったなあ。66歳になる今でも一番の自慢話だ。