原宿駅の歴史
原宿駅は明治39(1906)年10月に開業し、初代駅舎は現在より約500m代々木より現在の宮廷ホームの近くに造られました。当時の原宿は豊多摩郡千駄ヶ谷村大字原宿と呼ばれ、駅の1日乗降人員は50人程であったと言います。
大正9(1920)年、明治天皇御陵墓の代わりの施設として明治神宮が鎮座し、その後、山手線の旅客貨物線分離の為の複々線化工事に伴い、現在地に駅を移転、現在の2代目駅舎は大正13(1924)年6月に完成。ハーフティンバー様式という建築様式を用いたイギリス風木造建築で現在、都内最古の木造駅舎となっています。また、取り壊された初代駅舎の古材は日野駅(JR中央線)の建築に使用されたそうです。
現在の原宿駅
大正14(1925)年、東京駅の混雑化と大正天皇の健康上の理由により代々木よりに皇室専用の「宮廷ホーム」(皇室専用乗降場)が完成します。その後、明治神宮の最寄駅として参拝客の為、昭和14(1939)年、神宮側に臨時ホームが完成し、大戦中には空襲により駅舎に10発の直撃弾を受けましたが、全て不発の為、焼失を免れました。
戦後は東京オリンピックの開催の為、駅前を改修。当時の1日の乗降客数は約4万人であったが、昭和45(1970)年にはレナウン・本田技研などの本社が原宿周辺に移転した事により乗降客が急増し、昭和51(1976)年頃には10万人に達しました。東京オリンピックの頃より駅員の増員・駅舎の改築が度々提案されたそうですが、地元住民の要望により国鉄本社が、原形保存指定建物に指定し、建築当時のままの姿で今日に至っています。現在は従来からの神宮参拝駅と若者文化・ファッションの中心地原宿の表玄関となっています。
〔参考・引用文献〕
『原宿駅関係資料 渋谷区立笹塚図書館編』 S72 中央・笹塚図書館所蔵
『鉄道ファン 2011年1・2月号 大正浪漫の駅』 S72 中央図書館所蔵
〔掲載写真〕
『鉄道ファン 2011年2月号 大正浪漫の駅』より転載
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