紳士様誕生神話３～GOD KNOWS～

県立某高校社会科教員室
何故、あのような奇妙な空間が成り立っていたのだろうか。
平凡な、受験少年院気味な、進学実績と県立高校のくせに男子校という以外
特に特徴のない高校に何故あの時に限って変な空間が成立していたのだろうか。
社会科教員室は、北校舎の二階にあった。普通、教員室と言えば指導書や
参考書や問題集がてんこ盛りにあるのだろうが、何故かこの高校の場合
ゴルゴ１３とブッダ（手塚治虫）とブラックジャックが大切そうに
本棚に収められていた。ちなみに生徒は読むことが出来ない
冗談抜きでゴルゴの知識で政経を教える先生とかいたしな・・・。

しかし、漫画があるぐらい全然まだこれから言うことに比べればマシ
だろう。実は、この教室は・・・バトルフィールドでもあった。

いつまで経っても授業が始まらないので、廊下に一番近いと言う理由だけで
（ヒントは旧コテ）政経のゴルゴ（仮称、当時の彼のあだ名自体は鼻毛だったと
思う）を呼んでこいと言われたオレは、社会科教員室へ向かった。
オレ「しつれいしまー・・・」
目の前には、今まで見たことがないような惨状が広がっていた。
いい年こいたおっさん複数が従軍慰安婦問題で激論中
ちなみに勿論否定派が「中年涼宮ハルヒ男」Kで、肯定派が団塊世代に属する
政経のゴルゴと世界史の山崎努（似てたのよ）。そして、それを止めようとして
双方からボコられる同じく日本史の國學院大卒のフクスケ（仮称）。
フクスケが一番とばっちりを喰う中、微笑ましくそれを見つめる世界史の
小オチアイヒロミツ（仮称）、そして何があったのかはしらんが部屋の隅で
ガクガクブルブルみくるってる世界史の伊藤俊人（仮称）。
はっきりいって何が起きてるのか正直分かりませんでした。

いや、要するになんて事のない話題から中国の話になって、そこから
従軍慰安婦問題になってKが一方的にからんで授業が始まったのに激論を
続けているからフクスケが止めようとしたら集中攻撃されてそれをみて
伊藤が怖くてビビってる中、小オチアイはさも楽しげに(・∀・)ニヤニヤ
しているってだけの話だったんだけど、この手の激論バトルで
授業潰れかけたこと何回かあったぞ。マジで
因みにその頃非常勤の地歴公民の先生もいたけど、社会科教員室には
近づかなかったなあ・・・、そういえば。
とまあ実にKOVA17歳ちっく（いや、それ以上か？）な環境で
まさか一年生のオレは翌年マジでこんなのと深く関わり合いになるとは
思っていませんでした。

さて、私が何故「中年涼宮ハルヒ男」Kと関わるようになったかについては
文化祭の実行委員がきっかけだと言いましたが、二年に一度しか文化祭を
やらない我が母校（ちなみにオレの学年は二年生で一度しか体験できんかった）。
文化祭が終わった後、オレは「中年涼宮ハルヒ」とは縁を切るはずでした。
そして真面目に受験勉強を始める予定でした。
だけど、予想もしないカタチでヤツは現れたのです。

それは、二学期が始まってまもなくの頃でした。ウチのクラスの世界史は
政経のゴルゴが何故か教えていたんだけど、ゴルゴが体調を思いっきり崩し
二ヶ月ほど入院することになりました。そして、その代打教師が

「反日サヨクには興味ありません。愛国者、反特ア主義、ナショナリスト、
ゴーマニストがいたら、あたしのところに来なさい。以上」

・・・ただの改変コピペなのに彼の人となりをこれ以上上手く言い表している
セリフもねえな・・・。いや、ホントに
と言うわけで「中年涼宮ハルヒ男」Kでした。
世界史の授業中シナ連呼まではいいとしても、自分が何故「こうなったか」
についてまで得々と自分語りはやりすぎだと思いました。
でも、当時のオレはこの男をどことなく気に入っていたのも事実で、
それほどこの頃は嫌いなタイプの人間だと認識していませんでした。
バカ、オレのバカ、17歳のオレのバカバカバカバカマ○コ（byみさくら

そんな不穏当な授業を受けて暫く経った頃でしょうか、オレはKに
こう呼び止められますた。
K「ねえ、キョン（注　勿論これは大嘘だが、コイツは気に入った生徒に片っ端
から変なあだ名をつけるクセがあった）。ちょっと来て欲しいところがあるの」
そして、連れて行かれた先は
ウチの高校の図書室
・・・えーと、原作中盤でオレが死にたくなった理由はこれです。
今でも死にそうです。多分、今の精神状態のオレに銀様フラスペ辺りを
見せたら浅草橋をポン刀持って襲う殺戮マシーンと化します。
マジで

そして、何故かオレの他にヴァルキリー・・・じゃなかった初恋がFateの
セイバーで、セイバーと結婚する方法を模索する男Sや、防衛大に行って
更正したK'（防衛大のホムペで彼を見つけたときはびっくらした）、更に
某県勤務のS`なども引き連れなんていうかちょっとしたRPGのパーティ状態で
図書室に乗り込んだKを筆頭とするみんなはある男の元に殺到した。
図書室の主、こと国語のTのところだった。
K「さー、今日は天皇についてTを論破しちゃうわよー」
口調はアレにしてありますが、内容はほぼ彼の発言ママです。
当時40過ぎの男が年上の同僚の元に乗り込んで論破するそうです。
もう、ある意味何も見えません。
その、ある意味不毛な議論は昼休み返上して行われました。
オレらはテキトーにKを煽っていました。なんつうか、恥ずかしいね。
人として
そして、清掃の時間になり厄介払いされた後、Kはこんなことを言ったのです。
K「ねえ、みんな。今度さ、あたし国民の歴史読書会作ろうと思うんだ」

次回予告
磐南研究会よりある意味愉快な経過を辿って成立しようとする「栃木県立某高校
国民の歴史読書会」。しかし、そこは間もなくある意味男と男の意味のない意地が
ぶつかり合う戦場となる！
そして、そこで対立したオレ（現在銀髪好き）とS（現在セイバーハァハァ）の
運命やいかに？
と言うか本当に金髪スキーと相性が悪いな自分。
それはともかく磐南総研の愉快な成立理由についてもここらでふれていた方が
いいんじゃないかとも思うんだがそこらへんどうよ？
ああ、マジでこんなことにあったのはオレだけじゃないと信じたい・・・
次回「紳士様誕生神話４～国民の歴史読書会　誕生～
上野陽子と小熊英二で分かったフリをするんじゃねえ！ｗ」