エルミタージュ美術館の小さな番人たち

サンクト・ペテルブルグ市にある世界三大美術館のひとつ『エルミタージュ美術館』で暮らすネコたちの様子をお届けします。

戻りました。。。

2009年09月29日 | Weblog

(宮殿広場にて)

昨日、無事サンクト・ペテルブルグに戻ってきた。
空港ではマスクをした日本人の姿が目立っていたのが
印象的だった。
こちらに戻ってくるときに乗り合わせた団体観光客の
みなさまも半分以上がマスク着用。
気持ちは分かるが、正直やはりなんだか異様な感じがする。

もちろん、マスクは一定の効果があるのだろうとは思うのだが、
科学的効果とは別のなにか脅迫観念にも似たものを感じる。
インフルエンザが流行りだしたときのマスコミの煽るような
報道の仕方、罹患者や周囲に対する責任の押し付け、みんなが
やっているから、自分もそうしたほうが無難だろうという集団心理。

日本から少し離れてみると、日本固有の感覚が奇妙なものに
思える時がある。
集団で特定の人を無視するなどの学生時代に多くの人が見聞き
し、あるいは関係したであろうイジメ問題。
特定の強いものには逆らうことができず、逆らえば
自分も無視される側に回されるかもしれないという心理。

サラリーマンはスーツにネクタイ姿が常識とされ、それを
はずれると、変人扱いされる。
異常なまでの接待やサービス。日本の団体観光客の添乗員は
機中に居合わせる他の乗客のことも考えずに、機内の中で
自分たちのお客の席をくるくる回って、ご機嫌を伺う。
コンビニではお釣りをくれるときに、店員は両手でお客の差し出した
手を包み込むように渡してくれる。(気持ち悪くないか?)

1000円の床屋に行くと、従業員が全員で「いらっしゃいませー」と
機械的に言い、順番が来ると全員で「お待たせしましたー」と
言い、店を出るときにはやはり、全員で「ありがとうございましたー」
と言ってくれる。これはラーメン屋でもそうであった。
家電量販店にいくと、大勢の従業員たちが、それぞれの
商品を販売するための宣伝文句を大声で張り上げる。
きっと、声を出さないと雇い主や上司に怒られるのだろう。

でも、とにかくやかましい、騒々しい。スーパーやデパートでもその
店オリジナルソングが「じゃんじゃん買って!どんどん買って!」
と終日エンドレスで流れている。
下手をすれば、翌朝目覚めても、ダイエーのテーマソングが頭の中に流れている
ことすらある。
ゆっくり、静かに買い物ができるクラシックでも流れている家電量販店や
スーパーがあっても良いのではないかしら?

学生時代の部活動を想い出した。テニス部でも野球部でもバレー部でも
とにかくよく声を出す。これも出さないと顧問や先輩から怒られるからだ。
怒られるから、声を出す(あるいは出す振りをする)。
別に心から味方を応援しているわけでなくとも、とりあえず、声を出さなければ
ならなくなる。

ひょっとすると、こういう煽られやすく、流されやすい国民性が、
かつて我々を世界大戦にまで駆り立てた原因のひとつではないかと
さえ思ってしまう。

話が飛躍しているだろうか?

最後に、日本人固有と思われる感覚が全て悪いと思っているわけでは
ないので、あしからず。
例えば、いわゆる、ファジー(死語?)な感覚や、はっきり伝えなくとも、
お互いに感じあって分かり合う感覚などは、ときに素晴らしい能力とも思えることがある。

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私たちの。。。

2009年09月23日 | Weblog

(宮殿広場にて)

警官は2人1組(たぶん2組)で、エルミタージュ周辺を朝から晩まで(たぶん24時間)巡回している。
仲間とお喋りをしたり、ベンチに座ったり、タバコをふかしたりしながら、とにかく、そうやって1日中ブラブラしているのだ。何を何から守っているのかは、定かではないが、それでも一応は国家権力なので、ある一定の犯罪抑止力はあるのだろう。

もし、エルミタージュのネコたちを迫害する輩がいた場合には、やはりそれを止めようとするだろう(と信じる)。
警官の中には、自分たちが警備しているエルミタージュのネコたちをちゃんと認識している人たちもいる。ネコを膝の上に乗せてなでていた若い女性に警官が声をかけた。

「お、私たちのネコは、見知らぬ人に対してそんな風になつかないのに、すごいね、キミ。」

「私たちの」と言ってくれているのが気に入った。

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宮殿広場

2009年09月21日 | Weblog

(宮殿広場にて)

23日から27日まで、またVISA更新のため短い一時帰国となる。
まだ、1年2ヶ月しか滞在していないのにもう4回目の一時帰国。
日本ではシルバーウィークなる連休が設定され、連休ボケの本社に
2日間だけ出社する予定。

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移りゆく季節に

2009年09月16日 | Weblog


確かに夏は終わったのだが、なんだか変だ。
まだ、あまり寒くなっていない。
紅葉もまだ10%くらいである。

このまま、実は冬になってもそれほど寒くならなかったりして、などと淡い期待を抱いてみる。

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謎解き編

2009年09月07日 | Weblog

(サンクト・ペテルブルグ動物園 ドゥーシャ&リンダ)

というわけで、すっかりお待たせしてしまいましたが、謎の写真の謎解き編です。
まず、三毛猫はいわゆる全くの家猫。名前はドゥーシャといいます。
そして、大きい猫は、リンクス(ヤマネコの一種)で、名前はリンダ。
どちらも女の子ですが、リンダの体格はドゥーシャの5倍以上。
お互いが立ち上がっている姿を見比べるとその差が歴然です。

実は、この2匹は、幼少の頃からこの動物園で一緒に暮らしています。
最初は、ヤマネコのリンダだけが住んでいたのですが、
やがて、普通の家猫のドゥーシャがある日、リンダの入っている部屋にやって来て、
住み着いてしまったというわけなのです。

それ以来、彼女たちは一緒に遊びながら、成長し、友情を育んできました。
ガラス越しの写真で、あまりキレイではないのですが、リンダがドゥーシャを枕にして、
あごを乗せ、ドゥーシャはリンダの大きな左腕を枕にして仲良く寝ているのが分かります。



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滑稽ではないんです。。。

2009年09月05日 | Weblog

(宮殿河岸通り)

この子は、年中、アカンベーと舌を出している。
毛繕い途中のネコに声をかけると、彼らは時々舌をしまい忘れる
ことがある。長ければ、数分間そのままになっていたりするので、
その姿が滑稽で人の笑いを誘ったりする。

しかし、この子の場合は、ちょっと状況が異なる。
前歯が全くないのである。
というより、上あごの前方が大きく欠損しているような感じなので、
あるいは生来の奇形であるかもしれない。しかし、生活にそれほど
影響はないようである。痩せてもいないし、毛艶も悪くない。

性格は大人しく、温厚でちょっとビビリ。
エルミタージュの敷地外に出ているところは今まで見たことがない。
このときは、鉄柵越しに初めて撫でることができた。
やはり優しい感じの良いネコであった。

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