エルミタージュ美術館の小さな番人たち

サンクト・ペテルブルグ市にある世界三大美術館のひとつ『エルミタージュ美術館』で暮らすネコたちの様子をお届けします。

地下室日記 17 - ご馳走 -

2008年12月31日 | Weblog


エルミタージュのネコたちは、案外たくさんのご飯をもらえている。新入りは別として、長くここにいるもので、痩せこけているネコはいない。
ところで、ロシア人家庭に夕食にお呼ばれになると、物凄いたくさんの料理でもてなされることが多い。小柄な日本人の私にはとても食べきれない。というか、ツライ。美味なるものをほどほどに出していただければ、美味しくいただけるというのに・・・

「お食べ!さあ、お食べ!遠慮は要らないよ!」という具合に張り切って出してくる。食べないと、遠慮していると思われるのだ。もちろん、遠慮などしていない。「もう食べられない、これ以上は食べたくない」とはっきり意思表示することのほうがためらわれる。日本であれば「いやぁ、もうお腹一杯!美味しかったです~」といえば、ホスト側もピピンと察して、「じゃあ、お茶でもいかが?」となり、お茶をいただいて、少し歓談をしたら、そろそろおいとまして家路につく決まりになっている。

ロシアはそこから、さらに砂糖使いすぎの大きいケーキまたは、アイスクリームが出てくる。大体、レストランで食後のデザートにバニラアイスを注文すると、3玉は皿に乗っている。日本なら、口直しにさわやかなレモンのシャーベットでも出てくるところだろう。どうして、もう食べ切れなくてふーふー言っている人に、大盛りのアイスクリームを出してくるのか・・・

さっき、ニュース番組を見ていたら、ちょうど世界各国の正月料理(ホームパーティ)に使う国別平均金額が発表されていた。1位はアイルランド、5位にロシアが入っている。どうやら、アメリカや日本はロシアよりもずっとかけるお金が少ないようである。国が崩壊しようと、経済危機だろうが、どこからともなくご馳走やウオッカが出てくるのは、この国のお家芸なのかもしれない。いやいや、茶化すだけでは悪い。実際、ロシアの人々は、ソ連時代から、お客を自宅に招いてご馳走することが好きな国民として有名なのである。レストランよりも、少しずつ食べ物を持ち寄って、ホームパーティを開く。温かいボルシチ、お祝い用のオリビエサラダ、黒パンにイクラ、スモークサーモン、自家製のピクルス。シャンパンを景気良く開けて、ワイン、ウオッカと続き、そして歌が始まる。

今日は31日。街のあちこちでそんな光景が見られるだろう。
良いお年を!

にほんブログ村 猫ブログ 猫 海外生活へ

地下室日記 16 

2008年12月30日 | Weblog


ここは、ネコ食堂の厨房。朝晩、タチヤナさんとガリーナさんがネコたちのために、ごはんを作るところ。白身魚やレバーなどと米またはソバの実を組み合わせて炊き上げる。いわゆる、カリカリはあまり食べないようである。これのほかには、ボランティアが持ってきてくれる、缶詰のウェットフードがメイン。カリカリはおやつ程度といったところ。

さて、そろそろ夕飯の支度が始まるから、そこをどかないとネコ鍋にされますよ。。。

にほんブログ村 猫ブログ 猫 海外生活へ

地下室日記 15 - ジョーラ -

2008年12月29日 | Weblog


僕の名前はジョーラ。本名はゲオルギーで、ジョーラは愛称形。ロシアでは、僕たちのような毛の色をРыжийと言うんだ。日本語には翻訳しにくい表現なんだけど、辞書には「にんじん色」「赤毛」「栗毛」「黄金色」なんて書いてある。僕も飼い主にある日捨てられてしまったんだけど、今は、ガリーナおばさんが母親代わり。彼女の行くところはどこにでもくっ付いていくんだ。

 ガリーナさんの解説によるとジョーラは、ある日、捨てられていたネコで、きっとそれなりに大事にされていたネコに違いないとのこと。いつも、誰かについて歩く。人間が大好き。私たちも歓迎された。足元にまとわり着くように歩き、時折こちらを見上げる。「誰か引き取ってくれないかしらねぇ?本当に気立ての良い子なのよ」と。確かに、気立てが良さそうで、甘えん坊といった感じであった。人間に裏切られ捨てられたのに、まだ人間の愛情を求めるジョーラ。

にほんブログ村 猫ブログ 猫 海外生活へ

地下室日記 13

2008年12月25日 | Weblog


 昨日、東京-モスクワ-サンクト・ペテルブルグと2区間移動し、赴任地に戻ってまいりました。つかの間の一時帰国でしたが、日本でも毎日のように経済不況を伝えている様子に驚きました。ここまでとは思っていませんでした。NHKでも連日『不況列島』なるコーナーから始まるという暗さ。契約打切り、解雇、失業・・・
この不況が、ネコたちの生活にまで及ばないことを祈るばかりです。

にほんブログ村 猫ブログ 猫 海外生活へ

地下室日記 12 籠ネコ2

2008年12月18日 | Weblog

顔に変わった模様が入っているため、妙に困った顔の子・・・

さて、現在モスクワのシェレメチヴォ空港から、この記事を書いております。これから一時帰国です。サンクト・ペテルブルグに戻ってくるのは、12月24日の予定です。ご返事遅れますことご容赦くださいませ。

にほんブログ村 猫ブログ 猫 海外生活へ

ネコリョーシュカ

2008年12月14日 | Weblog

ネコのマトリョーシュカ

今日は、エルミタネコとは関係ないことやります。
写真は、ネコのマトリョーシュカ。マトリョーシュカは、ロシアの伝統的な民芸品。一度は、どこかで見たことがある人もいるだろう。人形の中から、人形が次々に出てくる例のやつである。
もともとは、ロシアの田舎の出身の人形で、マトリョーナという可愛らしい女性がモデルになっているという説がある。彼女の名前がマトリョーナ。マトリョーナを可愛らしくいうと、マトリョーシュカとなる。

ロシアにはお土産に出来るものが少ない。ロシアに初めて来た観光客でもないかぎり、このマトリョーシュカに触手を伸ばすことはない。現地の人などはまず買う理由がない。そんな、ありふれたマトリョーシュカなのだが、これはそのネコバージョン。誰が最初に言ったのかは分からないが、ネコリョーシュカなどと名付けてくれた人がいる。なかなか、良いネーミングであると思う。何でもありだ、犬ならイヌリョーシュカ、カバならカバリョーシュカ、なんでもできてしまう。アンパンマンと同じ仕組みだ。なんでも最後に「マン」をつければよい。しょくぱんマン、バイキンマン、カレーパンマン。。。

そんなネコリョーシュカをひとつ買ってみた。

可愛くない・・・

・・・可愛いですか!?

一応、手作りのようである。底には作者の名前も入っている。よーく見てみて下さい。特に三番目の子。どうして、この子だけ、こんなに目つきが悪いのだ?お父さん、お母さん、不良の息子、妹、赤ちゃん。

にほんブログ村 猫ブログ 猫 海外生活へ

地下室日記 10 -公衆トイレ-

2008年12月14日 | Weblog

地下室の公衆トイレ

今日は、地下室のトイレ事情について。写真は、最も猫口密度の濃い『猫の台所』と呼ばれている部屋にある公衆トイレ。猫用トイレが10個ほど並べられている。
ちなみにロシアでは、まだあまり『トイレ砂』というものは普及していない。このように、新聞や広告を敷くパターンが多い。猫砂を買うお金がないというわけではないと思う。単に普及していないだけ。
だから、ペット業界は売り込んだらいいかもしれない。買う人は買うだろう。日本には、トイレに流せる砂、殺菌効果のある砂、消臭効果のある砂、大き目の粒、小さめの粒、自然に優しい猫砂、お茶柄入り猫砂などなど、数十種類が売られている。そんなこと知ったら、驚くだろうか、あるいは呆れてしまうかな。

さて、この公衆トイレだが、実は人気がない。我々が滞在していた間も、ネコたちは、地下室の暗がりに行って、用を足している様子が見て取れた。妙な場所にすると、ガリーナさんが走っていって、処理している。
たぶん、ネコはこのような公衆トイレで用をたしたくないのだと思うのだが、ここにはここのやり方があるのだろうからとりあえずは黙っておいた。
一匹のネコが、一人でとことこと暗がりに歩いていくので、ついて行くとやはりお手洗いのようだった。写真はご遠慮した。

臭い。健康なネコのおしっこは臭いのだ。でも、嬉しい臭いだ。別に私がネコのおしっこの臭いフェチだということではない。先代ネコが腎不全の末亡くなったので、ネコの臭いおしっこが嬉しいのだ。腎不全ネコのおしっこは臭わなくなる。手につけて、臭ってみてもほとんど臭いがしない。色も薄い。無味無臭である。(あ、飲んだことはありませんよ、念のため!)

にほんブログ村 猫ブログ 猫 海外生活へ

地下室日記 9 -ちょっと地上へ-

2008年12月14日 | Weblog

『ネコに注意!』の看板(美術館内の車両速度制限は4キロ以下)

この『ネコに注意!』の看板も近くで見たかったもののひとつ。ん?スタッフの中に、誰かいたずら者がいるらしい。看板の中のネコの顔に目と口の部分を削って作った人がいるようだ。
よーく見るとヒゲまで描いているのが分かる^^

にほんブログ村 猫ブログ 猫 海外生活へ