――想像して欲しい。
キミの柔らかなその髪にボクの両手が滑り込み、ああ、ここにいるんだな、キミがいてくれるんだなと、安堵する。
こんなにも熱いのはなぜだろう。キミから伝わる体温はもとより、ボクの体内から湧き上がるなにかが、ある。熱い。とても熱い。熱い。
ボクはキミをそっと引き寄せ、真っ直ぐと見つめる。キミもまた、そうするのが当たり前のように見詰め返す。互いにいま目に映るもの以外にはなんら価値もないかのように。
どのくらい見詰めていたのだろう。自然とふたりの距離は縮まり、そして……。
「目から星が出るような、ヘッドバット」
何事も意外性が大事ですから。恋はある意味バトルですから。印象に残る隠し技を持っている者が勝ちですから。少なくともわたしは、こんなことされたらずきゅーんですから。しばし、きょとんとしたのち、ずきゅずきゅーんですから。二重の意味でくらくらですから。翻弄されるの好きですから。
皆さんはどうですか?