臨床現場の言語聴覚士(ST)

臨床現場の言語聴覚士(ST)のブログ、です。
摂食・嚥下障害や高次脳機能障害などについて考察します。

嚥下について 食事介助について

2009年01月13日 | Weblog
食事介助は、色々と議論があるだろうが、本当に難しい。

重度な認知症などがあって、いわゆる寝たきりの場合で、起きているのが食事のときのみ、といった場合、本当に対応に苦慮している。

閉眼のまま、単に食事を押し込まれて、反射的に気道を守るために嚥下、というのは、完全に、運を天に任せているようなものだろう。

臨床的な印象では、中等度以上の認知症があると、先行期への働きかけが困難であり、まず、姿勢設定などから入ることも多い。

食べれる口を作るのがSTの仕事ではあるが、食物認知がうまくいかない場合に、良かれと思って、もし食べれるように出来ても、それで窒息されたら、元も子もない。

STが専門的に提供しうる食事介助と、色々とお忙しい職員さんの食事介助の解離を、考えておかないといけない。