臨床現場の言語聴覚士(ST)

臨床現場の言語聴覚士(ST)のブログ、です。
摂食・嚥下障害や高次脳機能障害などについて考察します。

嚥下について 咳について

2009年01月10日 | Weblog
誤嚥したときに、どうすればいいのかを考えておくことは、非常に臨床的に大切である。

誤嚥しないように、最大限配慮するのは、STとしてもちろんなのだが、基本的に誤嚥のリスクが避けられない以上、リスクに備えて、どれくらい自己喀出が出来るのかを評価しておきたい。

咳が出来るかどうか、診ておきたい。

咽頭反射は、指診で。

呼吸については、まず随意的な発声が出来るかどうか。ある程度、声門閉鎖が出来るかどうかを中心に。

十分な吸気が咳には必要だが、そのまえに、十分な呼気が出来る必要がある。ただし、高齢者の場合、特に肺疾患などが無くても大抵、COPD様と考えなくてはならない。つまり、十分な吸気、呼気が難しい可能性がある、とみておくべきであろう。

喉頭のコントロールが出来ているかどうか、発声、呼吸、嚥下などをスクリーニングしながら、動きを診ておく。

姿勢も大切である。体幹がやや前傾し、頚部が軽度屈曲できると当然、ベストだが、大抵そうでないだろうから、シーティングなどで、補正がどれくらい出来るか、何分くらい良肢位が保てるか、などをPTさん、OTさんなどにも御願いしてみておくべき。

姿勢につながるが、いわゆる抗重力筋群は、咳のときにも使うので、良肢位がとりにくかったり、低ADLの場合、咳がしにくく、ひいては誤嚥や窒息のリスク要因となりうる。

そこを考慮して、総合的に判断するべきであろう。

次は、血液データについて。