つけ麺(1000円)
尊さとはどこから生まれるものなのでしょう。
ふと、そんなことを考えてしまう瞬間がある。
例えば、佐野実を初めてテレビで見たのは鵠沼海岸に私語厳禁の美味しいラーメン屋さんがある、という話でだったけれど、あの「私語厳禁」というのは味に対する関係で本当に意味があったのかな。
確かに、ラーメンが提供されてもろくすっぽ食べずに喋っていればね、それはどうだろうということにはなるけれど。
そもそも、食べ物の味わいや料理人の拘りというものに、客がどれ程の関心があるのか分からなくて。
そこを矯正するかのように「私語厳禁」とかにするのって、実際どの程度の効果があったのだろう、と。
「北風と太陽」ならば、やはり太陽の方がいい。
人に嫌な思いをさせないことと引き換えに、何かをさせたところでそこに意思はないのだから。や、太陽も暑い思いはさせているか(^_^;)
将太さんのラーメンは、必ずそちらに目が向く。
和気藹々とした店内、でも何処か1本芯の通った雰囲気、親しさと厳しさ。
その環境の中で一度ラーメンが提供されれば、自然と目がそちらに向くのです。
誰かに言われるわけでなく、誰かに強いられるわけでなく。
そういう雰囲気って誰もが持ってるわけではない。
何となくだけど、この雰囲気を「尊さ」と呼んでしまうのだけれども。