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私の字幕翻訳日記

ライブ台湾で配信中の“華流ドラマ”の字幕翻訳を担当している翻訳者の独り言

氣死人了

2006-07-28 11:51:42 | ふたりのお嬢様
ライブ台湾で企画中のコンテンツのために「2人のお嬢様」や「イルカ湾の恋人」を第1話から見直しています。

というわけで、今回は「2人のお嬢様」第1話から。
第1話の最後の方に、韋翔(ウェイシャン)が無理難題を押し付けられて怒っているシーンがあります。
そこで話されるのが、「氣死人了」(チー・スー・レン・ラ)です。
「氣死人了」の「氣」は、中国語の「生気」(怒る)からきています。ですから、「気死人了」は、「死ぬほど怒ってる」というニュアンスになります。

では、この「死ぬほど~」という用法の応用編をひとつ。「愛死你」(アイ・スー・ニイ)と言えば? もうおわかりですね。答えは「死ぬほどあなたを愛してる」です。

一度言われてみたいものです…。

ようやく…

2006-06-07 10:13:36 | ふたりのお嬢様
「2人のお嬢様」全40話の翻訳・校正が終わりました。
昨年12月から翻訳を始め、スタッフ全員で力を合わせて、ようやく終了いたしました。最後の方は急ピッチで作業を進めたため、おかしな点もあるかと思いますが、今後の課題と致しますので、ご容赦ください。また、なにかお気づきの点がございましたら、ご指摘いただけると幸いです。

なお、このドラマは、後ろにいけばいくほど、とんでもない展開が待っています。校正をしながら、「この先どうなるんだろう…」と、どんどん引き込まれていきました。

どうぞお楽しみに。

語呂合わせ

2006-05-15 05:41:27 | ふたりのお嬢様
今日は、「2人のお嬢様」第21話に出てきた語呂合わせを紹介します。

以下は、シャオチャンとパーズの会話です。

シャオチャン:
①我呢(私ね)
②也許過沒多久(もうすぐ)
③就可以離開IM事務所(IM事務所を辞めて)
④去當少奶奶了(奥様になるの)

パーズ:
⑤妳什麼時候得了乳癌啊(いつ乳ガンになったんだ?)

シャオチャン:
⑥乳你個頭啦(乳ガン? ふざけないで)
⑦你在説什麼(何言ってるの?)

パーズ:
⑧那不然妳為什麼説(じゃあ どうして)
⑨要當什麼少奶奶的(オッパイが少なくなるって言ったんだ?)


上の会話で、パーズはかなりブラックな冗談を言っています。
もちろん、原文をそのまま訳すことはできません。

ここで、ポイントとなる単語は「少奶奶」です。

「少奶奶」の「少」には、発音がふたつあって、読み方によって意味が変わってきます。

そのため、④の「少奶奶」は「奥様」という意味、
⑨の「少奶奶」は「胸が少ない」という意味になります。

こういう場合、原文とまったく違う意味の冗談をかぶせることもできますが(もちろん“逃げ”になるので、やりたくありませんが)、このシーンではパーズがシャオチャンの胸を揉むような仕草をします。

そのため、どうしても「胸」と引っ掛けて訳す必要がありました。
考えた挙句、最終字幕は以下のようにしました。


シャオチャン:
私はね(①)
IMも辞めて(②+③)
独身とはバイバイするの(④)

パーズ:
シャオチャン 胸がどうしたって?(⑤)

シャオチャン:
誰がそんなことを!(⑥+⑦)

パーズ:
だって今パイパイって…(⑧+⑨)


かなり苦しいですが、
「バイバイ」と「パイパイ」でかけてみました。
おあとがよろしいようで…。

レシート

2006-04-14 19:38:25 | ふたりのお嬢様
「2人のお嬢様」第19話に、台湾のレシート(統一発票)が映ってるシーンがあります。

ご存知の方も多いとは思いますが、台湾のレシートには宝くじのような通し番号がついていて、最高で200万元の賞金が当たるというお楽しみがあります。

ちなみに、私が当たったのは最高で1,000元でした。


P.S. 前回の“好不好”の訳:
訳し方は千差万別なので、厳密な“答え”はないという点をご理解いただいた上で……

最終稿:
好不好(安心しろ)
“任せとけ”などでもいいかもしれませんね。

好不好

2006-04-13 22:38:32 | ふたりのお嬢様
「2人のお嬢様」第19話の校正を終えました。

今回ピックアップした言葉は、「好不好」です。一見、簡単に見えるこの言葉ですが、こういうシンプルな言葉ほど、時に曖昧な表現を含んでいたりするものではないでしょうか。では、以下の場面から…

叭子(パーズ)のセリフ:
大哥(アニキ)
我門休息一下(少し休んだら)
等會兒我門就回去給你再接再的找(また頑張って探すから)
好不好

行方をくらました飛揚(フェイヤン)をIM事務所のメンバーが必死に探したけど、見つけられずに帰ってきたシーンで、叭子(パーズ)が韋翔(ウェイシャン)に言ったセリフです。ここでの大哥(アニキ)とは、韋翔を指します。

さて、ここでの“好不好” ですが、直訳すると“いいだろ?”というように、韋翔に許可を求めている(または韋翔が命令して探しに行かせた)ように見えますが、そうではないんです。

飛揚を探しに行ったのは、あくまでもIM事務所のメンバーの独断で、韋翔は探しに行ったことを知りませんでした。

では、この“好不好”、どういった意味なんでしょうか。いろいろな訳が考えられると思います。字数制限は4文字です。


P.S. 前回の“驕傲”の訳:
訳し方は千差万別なので、厳密な“答え”はないという点をご理解いただいた上で…
最終稿:
那是因為我想要看到妳為我感到驕傲的樣子
(お母さんを喜ばせたいのよ)


火鍋

2006-04-10 12:18:25 | ふたりのお嬢様
引き続き、「2人のお嬢様」第18話の校正中です。

今日は「麻辣火鍋」のネタが出てきました。
これは台湾で有名な「激辛鍋」なんですが、「小辣」「中辣」「特辣」「麻辣」と辛さが増します(お店によって言い方は違いますが)。
「小辣」でも十分に辛いんですが、私はもともと辛党なので、一度「麻辣」に挑戦してみたことがあります。結果、翌日たいへんなことに…。

勇気のある方は一度お試しあれ。

飲み物

2006-04-07 16:45:32 | ふたりのお嬢様
「2人のお嬢様」第18話の校正中です。

話の中に、台湾のウーロン茶は最高だというセリフが出てきました。
確かに台湾のウーロン茶はおいしい。しかし…

ふと思い出したのが、台湾のコンビニで売られている砂糖入りのウーロン茶。
初めて飲んだときは、“プチ”カルチャーショックを受けました。なかなか慣れませんでしたが、いつの日か飲めるようになっていました。

あと余談ですが、“黒松沙士”と“酸梅汁”だけは、最後の最後まで口に合いませんでした…。

LKKとは?

2006-03-17 19:51:25 | ふたりのお嬢様
「2人のお嬢様」第8話の終盤(36分ぐらい)に、飛揚(フェイヤン)が小鳳(シャオフォン)のスカートを「老叩叩」(ラオコッコッ)と言ってバカにするシーンがあります。この「老叩叩」ですが、実は台湾語なんです。発音(ラオ・コッ・コッ)をローマ字表記した場合(Lao Ko Ko)の頭文字をとって、「LKK」と表記されることもあります。台湾事情に詳しい方ならご存知だと思いますが、「ダサい」「古い」「年寄りくさい」などという意味です(多くは、考え方などに用いられるそうです)。台湾の人に聞くと、自虐的に「俺はおじさんだから」とかいうようにも使うそうです。

プラトンには参った

2006-03-15 22:31:14 | ふたりのお嬢様
「2人のお嬢様」第7話の前半(5分くらい)に、以下のようなパーズとシャオチャンの会話があります。

パーズ:妳講話好柏拉圖哦(君の言うこと、プラトンみたいだな)
パーズ:我知道柏拉圖是誰(俺はプラトンを知ってるぞ)
シャオチャン:誰?(誰?)
パーズ:它就是柏青哥的弟弟嘛(パチンコの弟だよ)

この会話の前でシャオチャンが哲学的な話をしています。それを聞いたパーズが「プラトンみたい」と言うシーンです。

中国語は、プラトンの「柏」とパチンコの「柏」が同じ発音ということで、言葉遊びをしてるわけですが、そのまま日本語に訳したのでは、「何がおもしろいの?」という会話になってしまいます。

このシーンのために、スタッフ全員で頭をひねり、3~4日かけてようやく落ち着いたのが、本編の字幕です。かなり苦しいかもしれませんが、ご容赦ください。

心之谷

2006-03-14 22:00:44 | ふたりのお嬢様
「2人のお嬢様」第7話に、「心之谷」という場所が出てきます。本当にあるのか台湾の方に確認してみたら、「知らない」との返事。ネットで検索してみると、なんとスタジオ・ジブリの「耳をすませば」にヒットしました。なぜでしょう?? やはり架空の場所なんでしょうか。謎です。