goo blog サービス終了のお知らせ 

私の字幕翻訳日記

ライブ台湾で配信中の“華流ドラマ”の字幕翻訳を担当している翻訳者の独り言

雲中之子

2006-07-31 13:31:55 | 夜半歌声
「夜半歌声」第8話の校正を終えました。
さて、皆さんは「雲中之子」(雲中の子)という中国語を聞いたことがあるでしょうか。いったい何のことでしょう?
では、ドラマのセリフをピックアップしてみます。

因為海上的雲,總是很低的,貼著海面,
(海上の雲はいつも低く、海面に着きそうなほどで)
海鷗飛過海面的時候,穿過雲層
(カモメは海上を飛ぶ時、その雲を突き抜けてくる)
所以,叫它們為雲中之子。
(だから、“雲中之子”って呼ばれるんだ)

おわかりですか?
「雲中の子」は「カモメ」だったんです。僕もこの表現は初めて聞きました。
きれいな表現だなぁと思ったんですが、中国語に本当にこういう表現があるんでしょうか? 辞書を調べたんですが出ていなくて。

ひょっとしてドラマの脚本上、こういう表現を作り出したんでしょうか?
皆さん、ご存じないですか?

年下? 年上?

2006-07-18 18:59:28 | 夜半歌声
「夜半歌声」第7話の監修を終えました。
于歌(ユー・ガー)の助手・卓(ジョウ)くんが于歌に恋心を伝えるシーンに、「我知道我比你小幾歳(僕は年下だし)」というセリフがあるんですが、台湾人女性に聞いたところ、年下の男性と付き合ったり結婚するのはうらやましいとのこと(まあ、人それぞれでしょうが)。

ちなみに、男性が年上女性と結婚すると、
「娶某大姊,坐金交椅」
(直訳:年上の女性と結婚することは、金のイスに座るようなものだ)

と言われます(これは中国語ではなく台湾語なので、記憶が少し怪しいですが…)。日本語でも「金のわらじ」と言いますが、台湾でもどうやら同じようですね。

本当の夫婦?

2006-06-26 09:37:44 | 夜半歌声
「夜半歌声」第6、7話の校正中です。

今日は第7話に出てくる、若凡(ロオファン)が天逸(ティエンイ)に話すセリフをピックアップします。

若凡:
①我們也是可以做真正的夫妻的(私たちも本当の夫婦になることができるわ)
②再生一個兒子(子供も生めるわ)

ここにある「真正的夫妻」ですが、直訳すると「本当の夫婦」「本物の夫婦」になります。日本語として通じているように見えますが、ちょっと考えてみると、「本当の夫婦」っていったい何だ?と思えてきます。
「本物」があるなら「偽物の夫婦」もあるのでは?
「偽物の夫婦」=「仮面夫婦」ということ?
と変なロジックに入り込んでしまいました。

結局、前後文から判断して、ここではおそらく「普通の夫婦」「普通の家庭」「一般的な家庭」というニュアンスではないかと判断しました。

こういった例(直訳では通じてるようで不自然な表現)は結構ありますよね。
ついつい原文に引っ張られてしまうというか…。

例えば、中国語でよく使われる「心裡面」という言葉ですが、
そのまま訳すなら「心の中」とか「心の奥」なんでしょうが、状況に応じて「胸の中」「胸の奥」としたほうが日本語として自然なケースがあります。

他にも、「夜半歌声」第7話に出てくる「有罪悪感」という言葉を、
「罪悪感がある」と訳しても間違いではないんですが、場面に応じて「悪いと思う」と訳したほうが自然に見えることもあります。

などと、校正をしているといろいろ目に付くんですが、私自身も翻訳をしていると、ついつい引っ張られてしまってます…。

カタカナ

2006-05-17 16:33:31 | 夜半歌声
「夜半歌声」は時代背景が古いため、言葉遣いが難しかったです。
特に、カタカナ。できれば使いたくなかったんですが、どうしても代替語が思いつかず、不本意ながら使ってしまったものもあります。

普段から無意識に使っているカタカナ言葉を、急に日本語に置き換えるのって難しいですね。

夜半歌声の歌

2006-05-17 14:50:50 | 夜半歌声
「夜半歌声」第1話の翻訳を終えました。

今回、頭を悩ませたのは、ドラマ全体を通して鍵となる「挿入歌」の訳です。
何度もリメイクされているため、おそらくすでに日本語訳があるかと思いますが、今回は畏れ多くも自分で訳をつけました(先達の方々、すみません)。

今までどおり、第1話は無料公開される予定ですので、皆様からのご意見、ご指摘をお待ちいたしております。

夜半歌声

2006-03-20 22:39:11 | 夜半歌声
今日から、「夜半歌声」の翻訳スタートです。
どのドラマもそうですが、最初のキャラクターの位置づけに気を遣います。細かいことをいえば、「俺」「僕」「私」のどれにするかで、そのキャラクターのイメージが決まってしまいますし。
言葉遣いなどがおかしくならないように注意しなければ…。