花がいっぱい。

どんな花も無心に
咲いているから素敵なんだって。
無心になんかなれないよ。
どれもこれも気になっちゃってるんです

狂言劇場その七

2011年12月12日 | 古典芸能
12月5&7日世田谷パブリックシアターでの狂言劇場へ行った。
シリーズ化している今回の狂言劇場は、“舞” と “語リ”。を取り上げ
Aプロ 小舞『七つ子』『暁』『鮒』/『棒縛』/『MANSAI ボレロ』
Bプロ 『柑子(こうじ)』/『奈須与市語(なすのよいちのかたり)』/中島敦『悟浄出世(ごじょうしゅっせ)』
という二つのプログラムになっていた。
Aプロが、『舞』、Bプロが『語り』
最初チケットを購入時点ではあまり意識していなかった。
そして最初に購入したのはAプロ。
江戸の青空を見に行った時、チケットセンターで尋ねるとBプロチケットがあるってことでBも購入。

さて・・Aプロは、狂言の代表作『棒縛』で、太郎・次郎冠者が縛られたまま舞う『暁』『七つ子』を最初に聞かせていただけたわけだが、演者の登場から終わって舞台からはけるまでの所作の整った美しさが、印象にのこった。
『七つ子』は、竹山悠樹、『暁』は高野和憲だったが、最後の 『鮒』は野村萬斎によるものだったのだけれど、やはりなのか萬斎さんの声は実によく通る。さらに動きも機敏で・・最後の『MANSAI ボレロ』とは違った古典美の美しさといったところなのかと。
そして『棒縛』は太郎冠者・野村万作、次郎冠者・石田幸雄主・深田博治によって演じられて・・歌舞伎のような派手さはないものの主人に遣えながらもしたたかな太郎冠者と次郎冠者に笑ってしまう楽しさをベテランに見せてもらい休憩。
その後、「ボレロ」
これもまさかあのラヴェル作曲の「ボレロ」だとは思ってもいなかった私。
ちゃんとチラシやサイトみろよ!!ってところだけれど・・。
ちょいっと前には、バレエダンサーのシルヴィ・ギエム「ボレロ」が話題になっていたけれど、
まさか、まさかモードだった私。
狂言師が振りつけたボレロ。素晴らしかった。
舞はもちろんだが、衣装・照明・演出効果が、すべてボレロのなかに融和。
いっや~すごいもので・・1階席ながら持っていたオペラグラスを利用していた私だった。

そんな感動のAプロに対して・・Bプロ『柑子(こうじ)』は面白く『奈須与市語(なすのよいちのかたり)』は万作さんの素晴らしい語りだったのだけけど・・中島敦『悟浄出世(ごじょうしゅっせ)』は・・・。
なにかイマイチ。先の二つは狂言と能の間狂言であるものの『悟浄出世』は、狂言要素をいれた?朗読というもの。
しかし解りづらい自我の葛藤?話。語られていく物語を頭の中で描けない。妖怪悟浄は、いつも「自己存在」やら「真実の意義」やらについて悶々と悩んでいる。そんな悟浄をとりまく者達。むずかしく話も長い。ってこの話、短編だと言うもの「もうすこし短編はなかったの?」の思わず。
昨今朗読という舞台は多くなっているものの・・この作品はダメ~。と.

言葉が美しいのかもだが・・その言葉が、理解できなすぎた自分だったのかもしれない。

わからない舞台だったものの、ここで流れた尺八・藤原道山、小鼓に田中傳次郎の演奏は素敵でした。
最後には藤原さんボレロを尺八で演奏してくれたのがこの舞台の印象になってしまった。


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