『ゴッホの靴』

2019-10-17 | 


内容紹介

「ゴッホって画家、知ってるでしょ?
 くたびれた革の靴なんだ
けど、何か不思議な存在感があるんだなあ。
本当にこれとそっくりなんだから」
自分のミスで登山仲間を死なせたと思い悩むホームレスの男を描いた表題
作ほか、熟年離婚の道を選ぶ夫婦と故郷の自然の美を描いた「桜 蘂降る」、
脳梗塞に倒れリハビリ中の飼い主に寄り添い散歩する愛犬がせつない「えごの花」
など六話を収めた短編集。生を全うすること、死を見つめることとは----。
介護の現場に身を置く著者ならではの深い洞察。
生きることの意味が趣深く描かれる。

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生と死を描いて表現に過剰なとこがなく
それでいて、ふっくらしている。
文庫本になるのを機会に再読したが、読後感の良さは変わらない。
根底に人間を信頼する気持ちがあるのだと思う。
抑制の利いた文章が、命という重いものを見つめていい味わいをもたらしている


あとがき 解説 乳井昌史

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とてもいい作品・作家に出合えました。

短いストーリーながら、奥行きがあり
景色、心象、どれをとっても表現に優しさが感じられて、、、
心が、洗われる思いでした。

坂本美智子さんは現役の介護支援専門員だそうです。




ちなみにこれがゴッホの靴  
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