生のユーザー声を届けるハーモニーblog

Webアクセシビリティに関連するユーザーの声を届ける

青森の視覚障害者のAさんから寄せられたメール

2005年04月27日 | Weblog
ハーモニーの馬塲です。
生徒のgmgmeさん、HTMLの感想ありがとうございます。

さて、今日はハーモニーの活動をあるメルマガで知り、メールでエールを送ってくださった青森のAさんのメールをアップしようと思います。

Aさんからのメール
「私はAと申します。青森市に住んでいる先天盲の者です。パソコンを始めて2年になります。大まかな利用環境は、まず本体はNECのタワー型、OSはME、スクリーンリーダーはPC-Talker、音声ブラウザーとしてボイスサーフィン、メーラーとしてユニメールをそれぞれ使っています。 さて、「ハーモニー」については、アメディアのメーリングリストと、メルマガ「ウェブアクセシビリティ入門」を通じて知りました。一通り拝見しましたが、Webアクセシビリティの問題と、真剣に向き合おうとの姿勢が感じ取れました。 今週の土曜日(23日)に、視障者を対象にしたホームページ作成体験教室が予定されてるとのこと。しばしば読みにくい、また希に読めないページにぶつかることがあります。私自身、自らのページ開設は考えていないものの、なぜ読みにくい、読めないのか、どうしたら快適に閲覧できるのかを知るには、HTMLタグを含め、たとえ難しくても、Webデザイナー向け情報を得ることが一番ではということに最近気づきました。特に晴眼者の手によるページに要望等を出す際に、例えば、全てのリンク項目にALTテキストを添えて欲しいなどと、具体的にお願いできるため立場を弱めずにすみますし、なにより私自身快適な閲覧環境を確保できるんですよね?ですから、こうした体験会があれば、受講料を支払ってでも参加したいですね。地方に住んでいるため思うようには行きませんが…。  それと、利用者の声が公開されていますが、blogの形になっていますね?
私もそうですが、大多数の利用者にとってblogは、なじみがなく、扱いにくいように思います。
また、Webアクセシビリティについての考え方は、立場によって様々だと思います。ですから、まだ一般的ではないblogよりは、誰でも自由に書き込め、どんな音声ブラウザーでも対応しているbbsのほうが望ましいと考えますが、いかがでしょうか? とにかく、みなさんの今後のご活躍に注目させていただきます。 では、失礼します。」

という、以上の内容のメールです。数年前は青森に住んでいる視覚障害者の方が、こうやってハーモニーのWebサイトの情報を得て、メールを下さるなんて考えられなかったことです。ましてWebアクセシビリティについて、きちんとご自身で意見をいえるよう、HTMLを勉強しようなんて!とてもこういった前向きな、視覚障害者の一般ユーザが増えてきて嬉しいと思います。
しかし、このblogをどうアクセシブルなものへしようか?もしくは掲示板に移行しようか?少し研究が必要そうです。ユーザの声に耳を傾けるハーモニーとしましては・・・

視覚障害者のための優しいHTML教室に参加して        gmgma

2005年04月27日 | Weblog
2日間行われた「視覚障害者のための優しいHTML教室」初級は、驚きの連続でした。
[HTMLってなんだろう]から始まり、XMLの考え方。HTMLはXMLでできていることなど。単語を分類して要素と属性で分けると言う受講前には思いもよらぬことをしました。
わたしは、一昨年グループで3Rに関するサイトを立ち上げました。
ホームページをワープロ感覚で作るソフトを使って、勿論画像も入れてデス。
だから全く知らないと言うことではありません。そんなこと考えなくてもホームページは作れたのです。
基本の基からHTML教室が始まりました。知らないことだらけで、面白くて時間の経つのを忘れます。
要素、属性を分けたらXMLの基本的な書き方を使って、自己紹介を作り初級を終えました。
もうこの講座にすっかり魅せられてしまいました。
上のクラスが出来ると聞き、即、申し込みました。

中級の視覚障害者の方は、熱心で実力のある方々でした。
画面が見えるアシスタントの方がタジタジとする質問もでました。

リンク先のURLの書き方を覚えたら、自己紹介のHTMLの最後に「隣人のページ」と言うリンクを作ります。受講生全員の自己紹介がリンクで繋がりました。拍手喝采です。2000リーダーで読み上げ(わたしは,ibmホームページリーダー)リンクで声が変わるなんて、視覚障害の皆さんと一緒の教室だから知ることです。とても楽しいお仲間との共同作業でした。アシスタントとしてお役に立つより、得ることの方が何倍も多いと思いました。

受講していて苦しかったのは、マウスが使えないことです。
「せっかく視覚障害の人と一緒に勉強するんだから、他では味わえない経験をした方が良い」と馬場さんに云われ、マウスをパソコンの上に上げられました。
ネットワークに繋げ、目的のファイルに達するためにディレクトリの階層間を移動するのにマウスが使えません。出来た文書を保存するのにマウスで「ファイル」をクリックすることも出来ません。ホームページリーダーと2000リーダが同時に声を出し、読み上げ始めても打つ手が分りません。キーの存在すら気にしたこともないPauseなんて云うキーが活躍していました。

中級2日目のスタイルシート,JABAスクリプトで、授業は終了です。
色、フォント、jpegのことなど、視覚障害者には見えませんが、ホームページの体裁からは避けられない処理です。好みの色やフォントを書き、保存し、表示して、反映した結果の赤やグリーンなどの色を健常者に読み上げて貰います。

健常者も視覚障害者も一緒に勉強した楽しい教室でした。すばらし講師の先生でした。それにしても、教室に参加した視覚障害者の方の中に、人間の可能性を見せつけられ、圧倒された4日間でした。
WEBアクセシビリティが身近で、身に浸みた体験でした。
わたしはこの講座の続きが出来たら、又、申し込みますね。きっと。