和裁士・徒然

岩本和裁専門学校の教師のブログです。

裁板について

2009-09-05 15:38:24 | 和裁の道具
和裁の道具で一番大きい物が裁板です。

木の無垢のもの、張りのもの、テーブルの上で使用できるよう厚紙で
出来たものもあります。

木の無垢のものでは、樫(かし)、朴(ほう)、桂(かつら)、銀杏(いちょう)のように
堅い木が向いていますが、高価です。
(普通に使用するには、3万円位の板で十分です。)

私の学校では、赤柳(外国産)と銀杏の無垢の裁板を使用しています。

銀杏はどちらかと言うと柔らかく、ヘラは付きやすいのですが
木に跡が残りやすい。

裁板はヘラ付けのために、表面が徐々にぼこぼこになってきます。

凹凸になった裁板は大工さんにカンナをかけてもらうと
新品のようになります。
今では電動のグラインダーをかけます。

私が修行中、裁板に針をつきさす事は厳禁でした。

折れた針が板の中に残ると、大工さんのカンナの刃がかけてしまうからです。

よく丸みを絞る時に、針を裁板にさして布を止めているのを見ますが、
決してやってはいけません。

(写真は振袖用の袖丸みを作っています。)

私の学校では、板に白い布をかぶせて使用しています。


こうすることで生地、特に刺繍を傷めることがなくなりますし
汚れもつきません。また、コテのかかりも良くなります。

岩本和裁専門学校ホームページ