映像詩

デジタル映像による心の表現
(映像作品制作を通して感じたこと)

4384-風を描く

2024年08月10日 | 30秒の心象風景

 北斎の富嶽三十六景では、これまで34作、様々な表現を見ることができました。北斎は色々試しているかのようで、絵によって表現スタイルが異なります。独特の遠近法で、遠景の富士と近景を描いた作品が多いですが、近景には働く職人が描かれていたのが印象に残ります。かと思えば、全く人物が登場せず、大和絵風の雲が描かれる風景画もあります。船を全面に詳細に描いた作品もありました。この場合、主役は完全に船です。北斎は船を描きたかったのだろうか。そんな、精緻な船の表現です。見る方も富士の存在は忘れているかもしれません。さて、駿州江㞍では、何を書いたかというと、人物のようで、人ではないのです。風です。突風を描いています。広重の東海道五十三次でも風を描いたものがあって、その影響を考えると面白いです。

30秒の心象風景28483・駿州江㞍~北斎の富嶽三十六景~
https://youtu.be/jkTEqclq81Y

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