気紛れ書評

かなり偏りがありますが、それでもよろしければ・・・

わるいやつら

2007-01-28 21:47:54 | 原作vs映画・ドラマ
著者:松本 清張
出版社: 新潮社; 改版版 (1966/03)


松本清張ドラマ最終章だそうです。
けものみちは都合で全く観られなかったのですが
黒皮の手帳は飛び飛びで観てました。

しかもわるいやつらの一話目を見逃し、失敗したなと思ったのですが
二話目を見る限りでも設定が少し違っています。
まず米倉涼子が寺島トヨって・・・
小説ではかなり女の魅力が無くなった気持ち悪い女性なのに。うーん。

ドラマとほぼ同時に小説を読み始めたため
何で寺島トヨが主人公なの??と思ったのですが
読み終えて納得。
小説は戸谷視点で書かれていますけど
トヨ視点でのシナリオもアリですね。

槙村隆子や下見沢視点も、あったら面白そうですね。
槙村のキャスティングにちょっと不満です(というか、知らない女優だった・・・)
もうちょっとクセのある美人が良かったな
下見沢はぴったりすぎて結末がすぐ分かっちゃうじゃない!という感じ。

小説では槙村以外、かなり見た目が悪い人間の集まりだし
辛気臭い雰囲気が戸谷のまわりを囲んでいるので
読んでいても重ーい気分になるし、何かある!と思わずにいられないのですが
ドラマはやっぱり違います。

読み始めてしばらくすると
大体の結末が分かってしまったのですが
それでも先を読みたいと思わせる書き方はさすがです。
もちろん、分からせるような伏線をわざと書いて興味をそそっているのでしょうけど。
それに、戸谷から厄介扱いを受ける女たちの描かれ方もすごい。
何の魅力も無くなった年増の女たちの
哀れさや嫉妬や執念をいろんな方法で書いています。


ドラマは始まったばかりなのでどちらが良いかはまだ分かりませんが
今の時点ではまずまず面白そうだし
どこまで悪いやつらの策略と心理をえいぞうにしてくれるか楽しみです。