空(hanul 하늘)風(palam 바람)湖水(hosu 호수)2……青空を吹きぬける風が、湖水にさざ波をたてる。

私たちの暮らしは、美しい自然と共生をとりたい物です。そんな日々の暮らしで、感じたことを綴ります。

<新かぶき彩時記>狂態の仕込みも周到に 「妹背山婦女庭訓」のお三輪

2024-07-10 06:32:49 | 日記

私この演目を京都の南座で見たのではと思うのですが、うる覚えですから間違いまこしれません。

     
 狂乱の表現にも周到な準備が必要です。
 
 「妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)」三笠山御殿の場に登場するお三輪は10代の可憐(かれん)な美少女。恋する男・求女(もとめ)の正体は、蘇我入鹿の討伐を目論(もくろ)む藤原淡海。求女は逢瀬(おうせ)を重ねた入鹿の妹・橘姫に、自分との結婚を餌に入鹿の持つ宝剣を奪うよう命じます。
 
 入鹿の御殿に求女を追って来たお三輪は、官女らにいじめ抜かれた上、姫と求女の祝言に接して狂乱状態になりますが、小道具や衣装にも注目。官女らに馬子唄を強要される時は、片袖を脱いで手ぬぐいを鉢巻きにした滑稽な姿。さんざん嘲笑されますが、この手ぬぐいはお三輪が、直前に通りかかった豆腐買にとりすがった時に手にしたもの。
 
 官女の手荒な扱いに気絶したお三輪がわれに返ると、髪や身体(からだ)には紙きれや島台(祝儀の飾り物)など妙なものがぶら下げられています。お三輪の狂乱を暗示して効果的ですが、島台は前の場面で入鹿が漁師・鱶七(ふかしち)に投げつけたもの。乱れた髪形を嘆くお三輪の「今朝かかさんに結うてもろうた髪を~」のせりふも哀れです。
 
 最後は髪も振り乱し、すさまじい嫉妬の形相となりますが、狂乱の様相を段階的に仕込む工夫にも注目です。
 
でした。

 

 

 

【子規365日】■7月10

月赤し雨乞(あまごい)踊見に行かん     1896(M29)年

夏井いつき【子規365日】朝日文庫

金田一春彦「ことばの歳時記」新潮文庫 より  《雨乞い》

 

《雨乞》の俳句

旱魃の際に農村などで氏神や水神に降雨を祈ることをいう。火を焚いたり、歌や踊りで神を慰めたり、

神社に籠もったり、そのやり方は地方によりさまざま。

・雨乞の室生の寺といふとかや     後藤 夜半

・赤土に雨乞の火を祝女(のろ)が焚く     新城 太石

・雨乞や島の媼(おうな)の荒踊り     平良 和子

「合本 俳句歳時記 第三版」角川書店 より

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