私この演目を京都の南座で見たのではと思うのですが、うる覚えですから間違いまこしれません。
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狂乱の表現にも周到な準備が必要です。
「妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)」三笠山御殿の場に登場するお三輪は10代の可憐(かれん)な美少女。恋する男・求女(もとめ)の正体は、蘇我入鹿の討伐を目論(もくろ)む藤原淡海。求女は逢瀬(おうせ)を重ねた入鹿の妹・橘姫に、自分との結婚を餌に入鹿の持つ宝剣を奪うよう命じます。
入鹿の御殿に求女を追って来たお三輪は、官女らにいじめ抜かれた上、姫と求女の祝言に接して狂乱状態になりますが、小道具や衣装にも注目。官女らに馬子唄を強要される時は、片袖を脱いで手ぬぐいを鉢巻きにした滑稽な姿。さんざん嘲笑されますが、この手ぬぐいはお三輪が、直前に通りかかった豆腐買にとりすがった時に手にしたもの。
官女の手荒な扱いに気絶したお三輪がわれに返ると、髪や身体(からだ)には紙きれや島台(祝儀の飾り物)など妙なものがぶら下げられています。お三輪の狂乱を暗示して効果的ですが、島台は前の場面で入鹿が漁師・鱶七(ふかしち)に投げつけたもの。乱れた髪形を嘆くお三輪の「今朝かかさんに結うてもろうた髪を~」のせりふも哀れです。
最後は髪も振り乱し、すさまじい嫉妬の形相となりますが、狂乱の様相を段階的に仕込む工夫にも注目です。
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【子規365日】■7月10日
月赤し雨乞(あまごい)踊見に行かん 1896(M29)年
夏井いつき【子規365日】朝日文庫
金田一春彦「ことばの歳時記」新潮文庫 より 《雨乞い》
《雨乞》の俳句
旱魃の際に農村などで氏神や水神に降雨を祈ることをいう。火を焚いたり、歌や踊りで神を慰めたり、
神社に籠もったり、そのやり方は地方によりさまざま。
・雨乞の室生の寺といふとかや 後藤 夜半
・赤土に雨乞の火を祝女(のろ)が焚く 新城 太石
・雨乞や島の媼(おうな)の荒踊り 平良 和子
「合本 俳句歳時記 第三版」角川書店 より
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