dear bambino

2005年7月に生まれた息子bambiと、私の「好きなものたち」のお話。

映画「かもめ食堂」

2006-12-23 00:27:29 | film
bambiのおやすみ中に、映画鑑賞。
以前、コジママンさんからお借りした「かもめ食堂」のDVD、
やっと見ることができました。

すでに原作を読んでいたので、話の大筋はわかっていたけれど、
実際に、映像として目に入ってくるものを見ると、
また新鮮に感じました。
フィンランドの景色がそう思わせたのかな?
何と言っても、オールフィンランドロケ。
異国のその街は、空がくっきりと青くて、色彩が鮮やかなのです。

お話は、映画のために書き下ろされただけあって、
原作とほぼ変わらず。
でも、ところどころ端折ってある部分があったので、
個人的には、原作を先に読んでいてよかった、と思いました。
平穏な日々、淡々と流れる時間。
サチエ・ミドリ・マサコの3人と、かもめ食堂を訪れる人々。
その人間模様に、ついふふっとにやけてしまうのでした。

そんな中、ふと印象に残った、
「コーヒーは、人に淹れてもらった方が美味しいんだ」というフレーズ。
コーヒーに限らず、自分で作るよりも、人に作ってもらった方が美味しいのは、
作った人の気持ちが込もっているから。
なんとなく、心にしみた気がして、
パパにも、朝のコーヒーを美味しく飲んでもらいたくなりました。
(我が家のコーヒーは、インスタントだけどね。)
その一言に通じるように、
キッチンに立つサチエの仕事のひとつひとつが、
手際よく、それでいて丁寧。
道具やインテリアだけでなく、その姿勢もひっくるめて、
かもめ食堂を、我が家のキッチンにも取り入れたいと思うのでした。

楽しめるのは、お話だけでなく、
かもめ食堂のインテリアや、キャストの衣装。音楽もそう。
いわゆる北欧モノの、かわいらしい雑貨や色とりどりのファブリックも、
色鮮やかに、映画の中のエッセンスとして活きています。
もたいさんの衣装、かわいらしかったな。
大人のかわいさを見た気がします。

DVDには、本編のほかにもう1枚、
メイキングとして、「猫と歩くヘルシンキ」がありました。
かもめ食堂の舞台となった、カフェ・スオミをはじめとする、
映画にまつわるさまざまな場所が、メイキングとともに紹介されています。
今まで、メイキング映像ってそんなに面白いものでもないと思っていたけど、
今回に限っては、大勢でひとつのものを作り上げていく、
その裏側を垣間見ることができて、見ていて楽しくなりました。
(学生時代は、お芝居を少しかじっていたので・・・)
それに、フィンランドにも行ってみたい。
「かもめ食堂」の3人のように、ひとりでふらっと、がちょっと理想。
独身時代に行った、ロンドン独り旅を思い出しながら、
ヘルシンキの街を楽しめた1枚でした。
(ロンドン独り旅の話は、いつかお話ししたいなぁと思います。)

**********

自宅で静養している間も、
退屈なのか、お外へ行きたい!とせがむbambi。
仕方なく、おうちの前の公園へ出ると・・・

元気いっぱい、歩き出します。
よっぽどおうちの中が退屈だったのね。
でも、こちらはヒヤヒヤ。寒いから、早く帰ろうよ~・・・



公園よりも、車が見たかったようなので、マンションの駐車場へ。
「ぶーぶー、ぶーぶー」と指差しては連呼するbambi。
満足してます。



ひょっこり、ネコちゃん登場。



にゃーにゃー、何やらお話し中の2人。
本当によく話す、人なつこいネコちゃんでした。



今回のbambiの風邪は、思ったよりもひどくならず、
おかげさまで、すっかり元気になりました。
おなかの具合はまだゆるいけれど、少しずつ良くなってきました。
心配してくださった方々、ありがとうございました。
もう大丈夫!
元気にクリスマスを迎えられそうです!

*自宅療養中のエピソード*
寝室でお昼寝中だったbambi。
夕方、ゴトッという音が聞こえ、急いでリビングから寝室へ向かったら、
なんと廊下を歩いてくるbambiの姿が・・・!
寝室のベッド(大人用)を降り、きっちり閉まっていたドアを開け、
部屋を出てきたのだからびっくりです!
それも、一度ではなく、二度三度と。
ああ、こんなことまで出来るようになったのね・・・

『ジャック・ドゥミの少年期-JACQUOT DE NANTES』

2005-06-23 18:03:25 | film
安静にしてなさいとのお言葉に甘えて、久々に家で映画を観ました。

『ジャック・ドゥミの少年期』

この映画は、1991年公開のフランス映画。
私が初めてまともに映画館で観た、記憶に残る作品。

ジャック・ドゥミとは、『ローラ』や『ロシュフォールの恋人たち』、
カンヌでグランプリを取った『シェルブールの雨傘』を作り出した映画監督。
その彼が白血病で亡くなる前に、本人の姿を交えて少年時代を1つの作品にしたのが、
妻である、アニエス・ヴァルダ監督。

小さい頃から、母親に連れられて人形劇を見に行くのが大好きだったジャコ。
そんな彼が、次第に本格的に映画への道を志す過程が、細部に渡って描かれています。
そして、その少年時代の思い出が、後に彼が作った映画のところどころに垣間見える。
この映画では、要所要所にドゥミ監督の作品が挿入されています。
全体はモノクロだけど、印象深い場面はカラーになっていたりして、
なかなか面白い見せ方をしています。

初めてこの映画を観た時は、ジャック・ドゥミという人を知らなかったけど、
舞台であるナントの街並みや、当時のファッションがかわいくて、
純粋に映画として楽しめました。
今日は改めて観て、こんな家庭を持ちたいなって思いました。

例えば、人形劇や映画を観に行く時は、ジャケットにベレー帽をかぶって、
ちょっとおめかししてお出かけたり。
家でも、お父さんやお母さんがふとした時に、歌を口ずさんでいたり。
歌のある家庭っていいよね。それだけで明るくなる。
映画を観に行くのも、家族みんな一緒で。
理想の家族像。

でも、ジャコ少年が大きくなってから、
映画学校へ行きたい気持ちをお父さんに猛反対されて、
食器でガラスを割っちゃうところなんてのは、
どの家庭にもある反抗期ってやつですな。

ジャック・ドゥミにとって、少年時代がこれほど影響されているってことは、
彼にとって、とても幸せな家庭だったんだろうな。
時代は第二次大戦の最中で、決して今のように平和ではなかったけど。

ありきたりだけど、家族の大切さってのを感じたような気がします。