ここ数年おこなわれてきた市町村合併には、(1)吸収合併と、(2)新設合併(対等合併)があります。吸収合併は中心となる自治体に周辺の自治体が吸収され、中心となる自治体での慣行や蓄積がすべて引き継がれる。当然、実務的にはこちらのほうが楽。
新設合併ではすべてリセットされるので、実務は大変、担当者が過労死するような事態も(これも佐野市の例)
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ここで特に今日が8月6日であることに絡めて1点指摘したいのが佐野市の非核・平和都市宣言についてです。佐野の合併は旧佐野市・田沼町・葛生町の3自治体によるもので、新設合併であったため、前述のとおりこの宣言についてもリセットされ、白紙になってしまったのです。
ぶっちゃけどうでもよい宣言文であれば、別に無くなってしまってもかまわないのですが、特に佐野市の宣言文は、策定者の強い思いが感じられる感動的な文章なので、ひきつづき残しておいてほしい、歴史的な文書として残しておいてほしいというのが私の気持ちです。
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(今は無き)佐野市 非核、平和都市宣言
核は地球を灰にする。
もはやそこに国境はない。
心のふる里もない。
我々は知っている。
二度の体験から
核の巨大な破かい力を。
我々は祖先から、
この平和で青い地球を
受けついできた。
そしてこれを子孫に
渡さなければならない
責任をもっている。
核は地球を灰にする。
もはやそこには持てる国
持たない国の差はない。
ただ全く生物のいない
灰色の空間が
広がっているだけだ。
佐野市民よ立ちあがろう。
世界中の人びとと共に
この地球上から、
全人類の敵である
核をとり除こう。
地球を第二の月にしないために。
この市民の切なる願いを
非核、平和都市佐野市の宣言とする。
1985年12月12日
佐野市
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ちなみに、栃木市・小山市は↓を参照。
http://www.nucfreejapan.com/sengenbun/totigi_si.htm (日本非核宣言自治体協議会 佐野が抜けてる現在のもの)
http://web.archive.org/web/20040528233151/http://www.nucfreejapan.com/sengenbun/totigi_si.htm (Wayback Machineのアーカイブ)
小山市の米ソ冷戦の状況を具体的に書いた部分なんか特徴的ですよね。佐野や小山に比べ栃木市のはあっさりしすぎ・・・
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佐野市議会でも議論になっているそうです。
http://www.ekip.net/keiko/gikai/2005/200509_ippan.html
田沼・葛生でも非核平和自治体宣言をしていたので、「新しい宣言」を作っていく方向とのことです。まぁそれでもいいんだけど、個人的には上記の感動的な文章をうまく引用してほしいなぁ(佐野市民じゃないのでなんともいえないですが・・・)