ハンマーがふりおろされる、ような希ガス

客観は少数の確信犯が作るわけですよ

「週刊金曜日」の読み方(というかむしろ「買ってはいけない」の読み方)

2002-07-29 03:48:03 | メディア
 左翼運動に関わるものとして勉強不足を実感していたので今年の5月から「週刊金曜日」の購読をはじめました。やはり読んでみると日本にはいろんな市民運動を作っている人がいること、新保守主義に対抗する陣営がこの雑誌を中心に結集していること、に勇気付けられ、また勉強になります。

 ただねー、ほめてばかりもいられなくて「なんじゃこりゃ?」という記事もなくはないのです。最近では「牛乳は飲むな」という趣旨の論文が載せられたのをきっかけに誌上で論争がおき、先週はその論文の筆者と「牛乳は健康にいい」と主張する論者との対談がおこなわれました。自分は今までの経験の中で「まったく正反対の意見の人同士の対談は絶対にかみあわない」という持論を持っていたのですが、それが証明されるような不毛な議論でしたね。
 
 これを受けての読者欄では「『酪農農家を保護するために牛乳は飲むべきだ』といった議論は本末転倒ではなかろうか」とか「アルコールだって毒みたいなもんだけどのんでしまうわけで、むしろ牛乳については学校給食での強制が問題なんじゃないの?」といった意見が見られ、むしろ読者のほうが達観して自由な思考を持っているんだなーと思ったり。
 
 これに関してなんですが、「買ってはいけない」をめぐる一連の騒動は皆さん覚えているかなー..「買ってはいけない」というのはそのものずばり買ってはいけない商品(ほとんどが添加物がらみの飲食物)について紹介と解説をまとめた本です。これもこの雑誌の連載記事をまとめたものなんだけど、反論本「買ってはいけないは買ってはいけない」等が出されたり一般の週刊誌でもこの現象に関する記事が組まれたりと一時期話題になりました。

 やはり人が「健康」についての知識を欲しているというのは事実なので、「買ってはいけない」的な論調って他の健康雑誌、婦人雑誌、暮らしの手帖なんかでもみられますし、むしろ昔からあるものだとおもうんだけど。雑誌では散発的なのを、どっかとまとめて単行本にしてしまったら異常に売れてしまったのでメーカー側の反撃をくってしまったといったところでしょうか。

 ただ一般読者としても「買ってはいけない」を気にして添加物の入ってる食べ物を排除していったら「何も食えなくなってしまうよー!」というのが正直な気持ち。注文つけさせてもらうと「本当に危険なもの」に限ってもらいたい。たとえば今回の牛乳の一件のような「害が有る“かもしれない”」というレベルの議論についてあまり安易に紙面に載せて不安をあおって欲しくないなー。(むしろ安易に不安に駆られる読者のほうも問題なのかも。)
2002年07月29日 19時46分13秒