浜岡原発永久停止裁判 原告団・弁護団・支援組織共同ブログ

 中部電力を被告にした浜岡原発永久停止裁判(静岡地裁浜松支部)の原告団・弁護団・支援組織の共同ブログです

原告の思い 1 桑山源龍さん(浄土宗栄秀寺・前住職)

2012年03月05日 16時04分03秒 | 原告・支援者の思い

原告の思い 1 桑山源龍さん(浄土宗栄秀寺・前住職)

 (3月5日の第4回口頭弁論で、原告として発言した内容です)


 私は浄土宗、栄秀寺の前住職で、桑山源龍と申します。前住職ではありますが、春、秋のお彼岸とお盆には、町内の檀家さんのお宅を回り、お経を詠んでいます。

 昨年の春、彼岸の7日間には、お経がおわったお茶の一服には、決まったように東日本大震災と大津波に続く福島原発の爆発事故が、話題の中心になりました。私も、原発が爆発している様子をテレビで見て、どれだけの放射能がまき散らされているか、心配でなりませんでした。

 ですから、浜岡原発永久停止訴訟、この「裁判の原告になってください」との呼びかけには躊躇することなく参加しました。

 私が知る何人かの宗教者から10年も前から原発の危険を訴えられ学習してきたにもかかわらず、具体的な行動をまったくといっていい程、おこなってきませんでした。福島原発事故を目の当たりにして、「知ってはいるけど行動できなかった」ことを深く自省いたしました。

 原発事故は生きとし行けるものの「命」を不安にさせ、「命」を奪い取るものです。

 こんな事態に直面し、昨年秋、全国104の宗派・団体が加盟する全日本仏教会は宣言文「原子力発電によらない生き方を求めて」を採択し、原子力発電に依らない持続可能なエネルギーによる社会の実現を目指すことを呼びかけ、日本カトリック司教団も国内のすべての原発の即時廃止を呼びかけるメッセージを発表しました。

 春・彼岸も間近になりました。檀家さんのお宅を廻ってお寺に帰る頃は、真っ赤な夕日がお寺のイチョウの背景に、真西に沈んでいきます。そのたびに私は善導大師の「発願文(ほつがんもん)」を心の中で読み始めます。

 「彼の国に到りおわって、六神通をえて、十方界に入って苦の衆生(しゅぜい)を救攝(きゅうしょう)せん」

 (あの世に行き着いたら、六つの神通力を得て、この世に戻って、苦しむすべての人々を救いたい)。

 私は80才になりますが、我が国に原発を作ってしまったことを子どもたちや孫たちに懺悔を込めて、「命」と共存できない浜岡原発とすべての原発の廃止を訴え続ける覚悟です。



 ※ 善導大師(ぜんどうだいし) 中国・唐の時代、西暦7世紀の人。「称名念仏」を中心とする浄土思想を確立した。



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