「オリンピックパスポートトルカ」は、あらかじめトルカを端末にダウンロードしておくと、毎朝7時頃、最新の競技結果とメダル獲得情報が配信されるサービスだ。
情報はインフォメーションの形で通知されるのだが、これだけでは結果がわからない構成になっていて毎朝イライラしてしまう。
たとえば、柔道女子57キロ級で松本薫選手が見事金メダルを獲得して迎えた朝の配信は「今大会初の金メダルが期待された競技の結果は…」と、結果を伝えてくれないものだった。
このインフォメーションをタップすると開く一覧画面では書きぶりこそ変わるものの、「気になるメダル獲得は!?」でテキストは終了し、ここまで来ても結果が分からない。
次のタップで、ようやく毎日新聞のニュースサイト内の特設ページにアクセスし、結果が分かる仕掛けだ。あまりに稚拙としか言いようがない。テレビ・ラジオは言うまでもなく、さまざまなWebサイトでとっくに結果は伝えられているし、眠い目をこすって競技の様子をライブで見守った利用者も多い状況で、何を焦らす必要があるのだろうか。仮に結果を知らずしてインフォメーションを受信したとしても、求める情報に到達するまでに何回もタップさせるようではユーザービリティは極めて低いと言わざるを得ない。
メダルを獲得したか否かだけが価値のある情報ではない。結果が分かっていても、勝負を決めた決定的瞬間や選手の表情は見たいし、本人のコメントも読みたい。ページビュー獲得のための策だとしても、多くのユーザーが毎日新聞のニュースサイトにたどり着かずにドロップアウトするとは考えづらい。
このイライラするインフォメーション配信は連日続いていて、日本選手団の活躍を楽しみにする気持ちに水を差している。iコンシェルのオリンピックパスポートコンテンツ自体は日本中が注目しているイベントに合わせたタイムリーなコンテンツだとは思うのだが、見せ方には大きな課題がある。
もう一つのコンテンツは、注目競技のテレビ放映スケジュールを端末のスケジューラにダウンロードするiスケジュールのサービスを利用したものだ。
まずは、地域を選んで、iスケジュールを端末にダウンロードする。
すぐにスケジューラーにテレビ放映の予定が取り込まれる。
放送内容の詳細もある程度わかり、「どうしても見逃したくない競技がある」というコアなスポーツファンには便利なツールだろう。
一方で、にわかファンから言えば、メダルが取れそう!と言うような試合の前にリアルタイムに放映スケジュールを配信してくれると決定的な瞬間を見逃すことが減るのだが…。
また、ひつじのしつじくんファンとしては、4年に一度のスポーツの祭典・オリンピックだけにマチキャラの日本選手団ユニフォームへの着替えや、ひつじの執事室でのオリンピックイベントなどを期待したが、そういった演出はないようす。こちらもちょっと残念だ。