平安期を舞台にした漫画を描こうとしたら、はて、参考となる画像資料はどんなものがありましょうか。
咄嗟に浮かぶのは、黒澤明の『羅生門』〔1950〕と、溝口健二の『新・平家物語』〔1955〕です。
大体、わたくし『桜の森の満開の下』を最初に読んだとき、すでに『羅生門』を観ていた所為か、「男」が三船敏郎としかイメージできないのでありました。
「女」は京マチ子で‥‥‥
『新・平家物語』は、日本映画絶頂期の美術の凄さ―――考証についても、すこぶる正確であることは、助監督だった宮島八蔵のサイト「宮島八蔵 日本映画言四方山話」を拝見するだけでもよくわかります(最後期の溝口作品を理解する上で、もの凄く貴重な史料集成)。
結論をいえば、平安朝の画像資料の決定的なブツは、国宝・重文クラスの“絵巻物”に尽きるのでありまして―――すなわち、『源氏物語絵巻』であり、『伴大納言絵詞』であり、『信貴山縁起絵巻』であり、『粉河寺縁起絵巻』であり、『年中行事絵巻』であり、『平治物語絵詞』であり、『石山寺縁起絵巻』であり‥‥‥
つづく
咄嗟に浮かぶのは、黒澤明の『羅生門』〔1950〕と、溝口健二の『新・平家物語』〔1955〕です。
大体、わたくし『桜の森の満開の下』を最初に読んだとき、すでに『羅生門』を観ていた所為か、「男」が三船敏郎としかイメージできないのでありました。
「女」は京マチ子で‥‥‥
『新・平家物語』は、日本映画絶頂期の美術の凄さ―――考証についても、すこぶる正確であることは、助監督だった宮島八蔵のサイト「宮島八蔵 日本映画言四方山話」を拝見するだけでもよくわかります(最後期の溝口作品を理解する上で、もの凄く貴重な史料集成)。
結論をいえば、平安朝の画像資料の決定的なブツは、国宝・重文クラスの“絵巻物”に尽きるのでありまして―――すなわち、『源氏物語絵巻』であり、『伴大納言絵詞』であり、『信貴山縁起絵巻』であり、『粉河寺縁起絵巻』であり、『年中行事絵巻』であり、『平治物語絵詞』であり、『石山寺縁起絵巻』であり‥‥‥
つづく