怠惰なひな菊

漫画家・萩原玲二(はぎわられいじ)の怠惰なブログ(2006~2019)

KILL!

2015-01-12 00:57:45 | 映画
KIRU-KILL! - YouTube


安物買いの銭失いとなったことが確定っ‥‥‥!

コンピューターの世界は日進月歩のはずであり、よもや5年前の本体5万もしなかったPCより、2015年のモニター付きで5万弱の廉価PCのほうがパフォーマンスが低いとは、考えもしなかったのであります!

ようするに、あわてて買った廉価PCのCPUが、ネットやワープロはまだしも、漫画の仕事―――フォトショの作業にはまったく使えない“馬鹿”であることが判明し、遅延にもほどがあんだろ!と怒髪天を衝いたという‥‥‥
巧遅は拙速に如かずは、嘘!嘘やったんや!

で、あらためて本体5万弱のPCを注文してしまったという‥‥‥
この際、おれもネットと漫画作業用のPCを分けて、モニター2台ならべて画面分割してどうたらかんたらといった、ハイカラな方向性で‥‥‥

‥‥‥
ところで、山本周五郎を、継続して読み耽っているのだが、その流れで「砦山の十七日」という短編が岡本喜八の『斬る』〔1968〕の原作であることを、はじめて知った。

『斬る』は以前、BSで放映されたとき観ており、はてさて映画はどんな風にアダプトしたんだろうか?と興味津々で原作を読んでみたところ、あれ?こんな話だっけ?という印象。

たしかに、山砦に籠城してどうこうというプロットは記憶にあったが‥‥‥で、とにかく映画のあらすじをぐぐってみると、なるほど、たとえるなら黒澤の『羅生門』〔1950〕のような方向でアダプテーションされているのがわかった。

すなわち、「わがんねえ、さっぱりわがんねえ」の志村喬と千秋実と上田吉二郎の、羅生門で雨宿りをする連中の位置に、仲代達也と高橋悦史の新規キャラクターが配置され、原作のエピソードの傍観者として登場し、やがて決定的に関わるという。

どちらの場合も原作のままでは「短い」という判断からのアダプテーションであろうが、どちらも完全な成功といえないあたり、奇妙に似ているように思った。

「砦山の十七日」は、どちらかというとヒューストンの『黄金』〔1948〕やヒッチコックの『救命艇』〔1944〕や『レッド・アフガン』〔1988〕のような限定された極限状況下での異常心理ものであり、『斬る』はそのねちねちした「心理劇」を、ただのお家騒動ものの「時代活劇」に単純化しすぎてしまったような‥‥‥

といっても記憶はあやふやなので、観返したいのうと思い、ぐぐってみると、またしても映画馬鹿御用達のクライテリオンのパッケージ・デザインがやたらかっこいいのでまいった↓



『斬る』の英語タイトルが『KILL!』であることもはじめて知り、同音異義語!駄洒落!かっこいい!と感じ入った。

で、同じく喜八監督の『大菩薩峠』〔1966〕の英題は『THE SWORD OF DOOM』というらしく、これまた中二ど真ん中!ストライク!かっこいい!と感じ入った。
本編そのものも、実にかっこいい映画である↓




松風の門 (新潮文庫)

収録作品
松風の門  鼓(つづみ)くらべ  狐(きつね)  評釈堪忍記  失恋第五番  湯治  ぼろと釵(かんざし)  砦山の十七日  夜の蝶(ちょう)  釣忍(つりしのぶ)  月夜の眺(なが)め  薊(あざみ)  醜聞

新潮社




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