こんなだらだらしてるのに大傑作!というコメディとは、なにやら新しいジャンルみたいである。
そのメタ感はなんとなく筒井康隆作品を連想し、「シャロン・テート事件」といえば、日本だったら「近江屋事件」のような、普通の好事家なら「ほたえな」からズバッで鞘ごと削って額から脳漿がこぼれて田中光顕が駆けつけて云々と微に入り細を穿った通説をだいたい承知しているだろうから、あのタラ氏がまさかそれを几帳面になぞるんだろうか?だったのだが(ネットで検索すれば犯行現場写真やらなんやらでしょんぼりしてしまう)、この手があったか、というか「いいんかそれで!」であった。
最高では!といえる。
クソヒッピーへの暴虐のかぎりは痛快無類の大爆笑で、合衆国でもあの辺の世代、すなわち日本でいえば団塊の世代の、空想社会主義的体臭へのむかつきは強いのであろうか。
デカ氏が自分の不甲斐なさにブチ切れて一人漫談をするシーンに一番笑う。
近場のシネコンがサービスデイだったこともあり、隣接するホムセンでの買い出しのついでにこのクソ長い映画を「タイミング的に観るなら今しか!」という感じで昼下がりに飛び込んだのだったが、はたして途中「お花畑」の退出を余儀なくされる。
クリムゾンのライヴのように、初老にはインターミッションが必要!
事件後すぐに、こうしたシーン↓を撮るポランスキーはなんというのか、タフとはいえる。
Macbeth 1971 Final Fight Rescored
映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』予告2 8月30日(金)公開
筒井康隆コレクションVI 美藝公 | |
日下 三蔵 | |
出版芸術社 |