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全国交通ニュースブログ

日本全国の交通に関する最新ニュースをピックアップして紹介します。
幹線道路、バス、航路、ICカードなどなど・・・

六甲山・摩耶山の観光客の移動手段としての路線バスの課題について

2025-01-14 19:58:42 | 路線バス

関連ブログ記事・・・2025/1/8付「神戸布引ロープウェイの摩耶山への延伸、ついに動き出すか?

上記ブログ記事の

>ちなみに、この第8回検討会では、六甲ケーブルへのアクセス手段および六甲・摩耶山上の移動手段としてのバスに関することも議論されていました。こちらについては、後日「路線バス」のカテゴリーで紹介する予定です。

の続きです。

「六甲山・摩耶山の交通のあり方検討会」の最終報告書には、六甲ケーブルへのアクセス手段および六甲・摩耶山上の移動手段としてのバスorモビリティに関して、以下のように記載されています。

1.六甲山・摩耶山の交通体系(第1段階/短期)目標年次:2025~2030年頃

 (1) 市街地からケーブル駅へのアクセス向上

  ・ケーブル下駅までの路線バスのダイヤを見直すことで、ケーブルとの乗り継ぎ利便性を向上
  ・鉄道駅からケーブル駅までを快適に楽しみながら移動できるような車両を導入

 (2) 山上における需要の動向にあわせた公共交通の再編

  ・六甲山牧場~記念碑台において、山上の活性化に伴う需要の増加にあわせて、六甲摩耶スカイシャトルバスの再編・増便等により、利便性を向上
  ・東西の回遊性を高めるため、六甲山上バス・六甲摩耶スカイシャトルバスのダイヤを連携させ、乗継利便性を向上

 (3) 各エリアの特性に応じた新たなモビリティ等の導入

  ・六甲山牧場~掬星台には、需要にあわせて、グリーンスローモビリティなど、摩耶山の自然を感じながら乗って楽しい新たなモビリティを導入

2.六甲山・摩耶山の交通体系(第2段階/中長期)目標年次:2030~2035年頃

 ◎ 山上における需要の動向にあわせた公共交通の再編

  ・ハーブ園接続ルートの整備等による需要の増加にあわせ、更なる山上の東西の回遊性向上を促進するため、掬星台から六甲山上へと繋ぐ公共交通を再編
  ・運転手不足の深刻化により、需要の増加にあわせた増便への対応が難しい場合は、法規制や技術革新の動向を踏まえ、自動運転車両を導入
  ・交通結節点となる掬星台などにおいて、公共交通を利用しやすくするため、待合環境やバスの回転地などを整備

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1.の(2)と(3)は2022・23の両年に社会実験した内容であり、完全自動運転バス(ここは日本なので、米国の自動運転タクシー「ウェイモ」の如く全てのトラブルを利用者の自己責任に帰することは困難でしょう)よりも遥かに現実的ではありますが、それでも議事録を読むと懐疑的な内容が記載されています。

a.  六甲摩耶スカイシャトルの増便の困難性

 両年とも、運行区間を通常の「六甲ケーブル山上駅~六甲山牧場~摩耶ケーブル山上駅」から「六甲ケーブル山上駅~六甲山牧場」に短縮することにより30分間隔から20分間隔への増便を実現できたものの、あくまで36協定ギリギリでの対応であり、これをずっと続けることはできない。さらに、六甲摩耶スカイシャトルバスの乗客数自体がコロナ前より大きく減少している<2018/4~12と2023/4~12を比較すると44.2%もの減少)。

b. 六甲山牧場~掬星台<摩耶ケーブル山上駅>間の移動手段

 六甲摩耶スカイシャトルバスの六甲山牧場での折返しを恒常化するためには、路線バスの代わりとなる六甲山牧場~掬星台間の移動手段を確保せねばならないが、社会実験の結果からはグリーンスローモビリティ単体での事業採算性は、少し厳しいと考えており、まずはグリーンスローモビリティの事業採算性を高める(他の観光事業とのセット?)ことが先決である。

そして、「市街地からケーブル駅へのアクセス向上」に関しても実際には「言うが易し」だったりします。六甲ケーブル下駅発着の市バス16系統は昼間でも10分間隔未満の高頻度ダイヤですが、

https://www.city.kobe.lg.jp/life/access/transport/bus/jikoku/basjikoku/0160131010.html

これは山麓の鶴甲団地住民や神戸大学に通う学生の利用が多いことを踏まえてのもので、2024年の場合、最繁忙期(4/26~5/6の毎日および11/2~4・23・24)に「JR六甲道→阪急六甲→六甲ケーブル下」の急行便を走らせるにとどまっています。昨今のバスドライバー事情を考えると、両者の需要の完全分離は困難でしょう。


阪神西宮駅北側バスターミナルは2030年代初めに面目一新へ

2024-12-30 12:14:21 | 路線バス

2023/11/25付ブログ記事「阪神西宮駅北側バスターミナル・待機場の面目一新案が提案されました」の続報です。

バスターミナルを含む阪神西宮駅北側の再開発ですが、確実に歩を進めています。地権者から提出された提案書をもとに西宮市側が具体的なスケジュールなどが記載された事業概要書を作成し、2024/12/24開催の都市計画審議会において事業概要が説明されました。資料もすぐ公開されています。

https://www.nishi.or.jp/kotsu/toshikeikaku/eki_kitachiku/kouminrenkei.files/kouminrennkei.pdf

このタイミングでも一般メディアは完全無視状態のようで、3日後に専門紙「日刊建設工業新聞」とかImpressWatchのサイトに掲載されたくらいです。

こちらでは、当ブログの趣旨に合わせ「現在ここに存在するバスターミナルやバス車庫・待機場」を中心に解説します。

現時点での事業スケジュール案によれば、

2025/10・・・土地区画整理事業の施行認可・仮換地指定 / 建築設計・施工事業者の内定

2026/3・・・地区計画(地区整備計画︓建築物の容積率の最高限度・高さの最高限度等)の決定

2026/9・・・市街地再開発事業の施行認可

2027/12・・・市街地再開発事業の権利変換計画認可 / 建築工事請負契約締結

2028/4・・・建築工事着工

2031/12・・・建築工事竣工

となっており、2025年10月の土地区画整理事業の施工認可以降に道路整備・無電柱化工事・バスロータリー整備といった事業が始まることになります。建築工事のほうは2028年4月着工予定ですが、現在バス車庫・待機場となっているエリアがまるまる建築工事の対象なので、それ以前にこれらを撤去して更地にしておく必要があります。そして、2031年12月までの工事期間中には乗降場所の仮移設などでバスターミナルが現在より一層「誰にとっても安全性がより担保されない状態」が発生する可能性があり、このあたりをいかに抑制するかが関係者の腕の見せ所ですが、果たして・・・

そして、バスロータリーは現在よりも拡張されて現時点で一般的な「バス待機場の周囲をバス乗降場所が取り巻く形となり、バス以外は入ってこれない」形となりますが、同時に待機できるバス台数は現時点<実質的には阪神バスの車庫としての機能も果たしている>よりも大きく減るわけで、同社側でどのように対応するかが注目です。ちなみに、このブログ記事を書いている時点で阪神西宮バス停に発着する阪神バス以外の事業者は、阪急観光バス・関西空港交通(関空リムジンの共同運行相手、1日数往復)および阪急バス(1日3往復)のみです。


「たまにしか運行しない京都市内観光循環バス」のその後 <追記あり>

2024-12-29 09:59:48 | 路線バス

2022/10/14付ブログ記事「いつも空いてる?京都市内観光循環バスについて <10/27・12/1追記あり>」の続報です。

上記ブログ記事で「運行日は極めて限られており」と紹介し、かつ

>現在は「平安神宮・清水ルート」「伏見稲荷・東寺ルート」を加え3ルートとなり、上記公式サイトのトップページによればさらに嵐山ルートも計画されているようです。

となっていた京都市内観光循環バス「K'LOOP」(ケイルックが運行)ですが、以降も2024年末に至るまで同様に「3ルートをたまに運行する」状況が続いています。このブログ記事を書いている時点のK'LOOP公式サイトからは嵐山ルートの予告は消えています。運行する日の便数や「1乗車500円、一日乗り放題1500円」は2年前と変わりません。

過去の運行日は、2024年早々に開設されたと思われる公式インスタグラムから参照することができます。

https://www.instagram.com/kloop.bus/

2024年=2/23、3/20、4/11、4/18、5/3、6/30、7/14、8/11、8/12、9/16、9/23、10/14、11/4

月に1~2回ですが、「第*日曜日」など規則性がないので、旅程に組み込みにくいことは変わりません。

なお、このブログ記事を書いている時点では次の運行日(2025年初の運行日)は公式サイトでも公式インスタグラムでも未発表です。

一方、ケイルック社公式サイトによれば、2024/8/1から同社が運行する他の路線とともにK'LOOPでも各種キャッシュレス決済が利用可能になったとのことです。

https://klook.co.jp/topics/date/2024/07/

京大病院に行くのに便利なバス「hoop」のサイトには使える手段の詳細が記載されていますが、

https://hoopbus.jp/howto/

交通系ICカードは電子マネー機能を利用しています。その場合唯一ポストペイのPiTaPaは使えないのが一般的ですが、ケイルック社では(関西地区の飲料自販機では一般的ですが)別途PiTaPaの電子マネー機能も導入しており、結果として10種全部が利用可能です。他に、タッチ決済やQRコード決済、それに以前からhoopで利用可能だったWAON<上記ブログ記事参照>以外の非交通系のICカードも利用可能となっているとのこと。

 

<2025/4/4追記>

2025年も4分の1が過ぎ桜の季節になりましたが、公式サイトでも公式インスタグラムでもK'LOOPの2025年最初の運行日は未発表のままです。


「終点の手前で降りると970円→終点で降りると200円」のバスは2025/3限り廃止へ

2024-12-26 08:20:05 | 路線バス

関連ブログ記事・・・2024/4/17付「終点の手前で降りると970円→終点で降りると200円」のバス路線に乗車→原子炉がよく見えます

このユニークな運賃設定のバス路線(福井鉄道の菅浜線)ですが、2025/3限りで廃止となります。

https://www.chunichi.co.jp/article/1004083

福井県内の路線バスは乗務員不足から2024年に入って次々に廃止路線が出てきていますが、こちらもまた然りです。

2024/12/23に開催された敦賀市地域公共交通活性化協議会で説明された代替策は以下の通りです。

1.敦賀市街地区間(敦賀駅~呉羽町~国立病院間)

 近い経路を運行する敦賀市コミバスの金山線を増便

2.美浜町内区間(佐田~水晶浜~丹生間)

 既に沿線が運行エリアに含まれている町のデマンド交通「チョイソコみはま」の拡充で対応

3.敦賀市白木地区

 敦賀半島の反対側を運行する敦賀市コミバスの常宮線に、白木地区への予約便を導入

3の予約便は、「原子力災害制圧道路」として整備され2020年3月に開通した延長3863mの敦賀半島トンネルを経由することになります。


北谷ゲートウェイ発着の路線はついに空港連絡バスのみに

2024-12-22 05:21:29 | 路線バス

2024/10/1付ブログ記事「北谷ゲートウェイ発着の路線は2024/9/下旬より減便 」の続報です。

鳴り物入り?で誕生した北谷ゲートウェイですが、2024/7/25の開設から5か月足らずで、発着するのは空港連絡バスのみとなりました。

>3.美浜エリアを周回する無料周遊バス

> 2024/9/28以降は平日の運行を取りやめ、土日祝限定運行(11:37発~16:38発の間9周運行)

ですが、2024/12/7からはバスではなくカート(ゴルフ場でよく走っているようなオープンタイプのもの)で無料周遊するように変更されています。

https://chatan-gateway.com/topics_03/

一方、

>1.北谷ゲートウェイと那覇空港を結ぶバス

については、東京バス沖縄営業所担当分について2024/12/21以降実証運行から本格運行に移行しています。運行ダイヤは変わらず、1日5往復です。

https://chatan-gateway.com/wp-content/themes/chatan-gateway/img/news_20241212.pdf

https://www.tokyobus.jp/okinawa/wp-content/uploads/2024/12/%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B9%EF%BC%88TK05%E5%8C%97%E8%B0%B7%E7%9B%B4%E8%A1%8C%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%88%E3%83%AB%E3%83%90%E3%82%B9%EF%BC%891210.pdf

一方、3社共同運行の直行バスは、沖縄県の実証運行として2025/1/31まで1日2往復のまま継続されます。

https://chatan-gateway.com/jikoku02/

「3社共同運行」と銘打っていますが、正確には「一定期間ごとに沖縄本島の路線バス事業者が交代で運行する」流れとなっており、

 2024/11/9~2025/1/5=カリー観光 2025/1/6~1/21=沖縄バス 2025/1/22~1/31=琉球バス交通

だそうです。2025/2/1以降はどうなるでしょう?