ニッポン源流を求めて02「太子と不比等の幻影を追え」~その15~
法隆寺夢殿には、その神秘的な物語や美術史的な位置づけ、あるいは秘仏中の秘仏という存在そのものの割りには、なんとなく凡庸で田舎臭い感じを受けてしまう救世観音(実際は、暗闇の中でぼんやり見るもので、ベタ光の写真だからダメなのかしら)や、いかにも人相の悪い行信像・・・法隆寺は、金堂の釈迦三尊像にしても薬師像にしても、どうも仏像にドキ . . . 本文を読む
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ニッポン源流を求めて02「太子と不比等の幻影を追え」~その14~
法隆寺の夢殿で、思いがけず秘仏(国宝)救世観音を見ることができたが、案の定、堂内は真っ暗で、わずかに金色の気配を感じる程度だった・・・梅原センセーの『隠された十字架』では、この救世観音に関するくだりで、ボルテージが最高潮となる・・・「それは想像するだに恐ろしいことである。ここまできて、私の筆も恐ろしさにふるえる。全く恐ろしいこ . . . 本文を読む
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ニッポン源流を求めて02「太子と不比等の幻影を追え」~その13~
さて夢殿である。夢殿といえば救世観音である。秘仏中の秘仏・・・千年にわたり開かれることがなかったといわれる厨子を開けたのは、かのフェノロサと岡倉天心だった・・・ディレクターをした歴史ビデオで、この時の様子を語る天心の講義録を使ったのだが、その様子はあまりにおもしろい・・・この秘仏を開けると神罰が下り地震とともに伽藍が崩れ去ると . . . 本文を読む
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ニッポン源流を求めて02「太子と不比等の幻影を追え」~その12~
称徳天皇(橘三千代と不比等の娘の光明皇后の娘)が発願した百万塔陀羅尼経に驚きながら法隆寺大宝蔵院を後にする。20センチ余りの小さな木の塔の中に、世界最古の印刷物といわれる陀羅尼経を納めた物を百万個(10の寺院に十万個ずつ)奉納したというから・・・唖然・・・藤原の汚れた血を知ってか道鏡と組んで、藤原+天皇家体制を揺さぶり続けた称 . . . 本文を読む
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ニッポン源流を求めて02「太子と不比等の幻影を追え」~その11~
法隆寺金堂に置かれていたという橘夫人念持仏から、橘三千代と不比等の熟年カップルの話へと遠回りしてきたが、もう少し続けちゃおう・・・不比等と三千代の血を受け継いだ、美貌の才女・安宿媛(光明子)は、不比等の娘(宮子)と文武天皇の子・聖武天皇の正式な皇后(光明皇后)となる。ところで、天皇の後宮(奥さん)には、皇后・夫人・妃・嬪という . . . 本文を読む
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ニッポン源流を求めて02「太子と不比等の幻影を追え」~その10~
百済観音との再会を満喫したあと(本当はもうちょい肉感的なほうが好みなんですがね・・・あまりに胸もお尻もペッタンコで・・・)、百済観音堂から東宝蔵に向かうと、問題の「橘夫人念持仏」と呼ばれる厨子がある。もともとは、金堂の本尊の釈迦如来に向かい合わせる形で、玉虫厨子とこの橘夫人念持仏が並んで置かれていたという。前にも書いたと思うけ . . . 本文を読む
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ニッポン源流を求めて02「太子と不比等の幻影を追え」~その9~
法隆寺大宝蔵院で玉虫厨子を前にする。左側にまわりこみ、暗い蛍光灯の下(もうちょいなんとかならんのかね)でのぞきこむが、ガラスの映り込みもあってはっきりは見えない。ここには「捨身飼虎」図が書かれているはずだ。釈迦の前生である薩捶太子が、飢えた親子の虎に我が身を与えるべく、崖の上から飛び降りるという話が描かれている。服を脱いで木にかけ→ . . . 本文を読む
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ニッポン源流を求めて02「太子と不比等の幻影を追え」~その8~
どうにも記憶にない法隆寺講堂を後に、西院伽藍を出ると、聖霊院の前を通り綱封蔵などの建物の間をぬけて大宝蔵院へと向かう。国宝の百済観音像を安置するために1998年に建てられた(竹中工務店だそうな・・・)・・・ここに法隆寺のお宝がざくざく収蔵展示されているわけだ。朱塗りの鮮やかな仏堂の入口を入るとすぐに金堂壁画に関する展示からはじま . . . 本文を読む
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ニッポン源流を求めて02「太子と不比等の幻影を追え」~その7~
法隆寺金堂で謎に満ちた薬師如来と釈迦如来を、暗闇の中でなんとか輪郭を眺めたあと、本尊とされる3体の如来の、残る1つ、阿弥陀如来の前に移動。飛鳥仏の代表とされる隣の釈迦三尊と薬師に比べ、鎌倉時代の作ということで、ほとんど注目されない、ちょっと可愛そうな仏像である。会長と社長が実権を離さない会社に、空席になっていた専務が送り込まれて . . . 本文を読む
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ニッポン源流を求めて02「太子と不比等の幻影を追え」~その6~
法隆寺金堂の暗闇の中で、釈迦もどきの薬師如来から手前の持国天に目をうつす・・・手にしていた名刀は、今は別に保管されているという(そんなんで護衛が勤まるのかしら?)・・・足元で踏みつけられているはずの天邪鬼は・・・なるほどよく見る憎たらしい小鬼ではなく、なんとも間の抜けた牛のような・・・しかも「私は踏み台です」という姿勢で、何の抵 . . . 本文を読む
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ニッポン源流を求めて02「太子と不比等の幻影を追え」~その5~
五重塔の四面にある須弥山を背景としたダイナミックな構成のはずの塑像を、薄暗がりのなかでボンヤリとながめ(創建当時は構成がもっと迫力があったらしいが)・・・なんだか欲求不満・・・この四面の塑像を聖徳太子の生前の姿から死、舎利供養(舎利の分配)、さらに復活という2重メッセージと受け取り、広隆寺や中宮寺の弥勒像を太子の再生の姿と見る梅 . . . 本文を読む
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ニッポン源流を求めて02「太子と不比等の幻影を追え」~その4~
雨の法隆寺・・・太い柱で通せんぼされた中門の前を左手にそれ、回廊沿いに進み、角につくられた拝観受付所へ。「西院伽藍」「大宝蔵院」「東院伽藍」共通の「一般参拝券」1000円を購入・・・受付に並ぶ人や、西院伽藍内をゾロゾロ移動する修学旅行の団体を見ると・・・えぇ商売でんなぁ・・・とはいえ、世界最古といわれるこれだけの木造建築を維持 . . . 本文を読む
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ニッポン源流を求めて02「太子と不比等の幻影を追え」~その3~
法隆寺南大門前の食堂で「柿の葉寿司」(きつねそば付き)をすすっていると、かっぷくのいい夫婦に数人の男が賑やかに入ってきた。町工場の慰安旅行なのか、下町の男の子ばかりの家族旅行なのか・・・。金歯を光らせた親父の「暖かい蕎麦ある?」「奈良は蕎麦が名物なの?」の喧嘩腰の質問にたじたじのバイト娘に、後ろから女将さんが「関西はうどんが普 . . . 本文を読む
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ニッポン源流を求めて02「太子と不比等の幻影を追え」~その2~
京は朝からあいにくの雨・・・ホテルを出て京都駅に直行し、駅ビルで朝飯。なんだか、うどんが食べたくて、改札横の店で「季節限定・春彩うどん」を食べる。京都駅は何年たっても馴染まない、どうでもいい建築なのだが(誰にきいても評価はクソミソ・・・)、中のうどん屋の味もどうでもいい・・・隣の席で、バイトのオネーちゃんが、厨房(?)の少年に . . . 本文を読む
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ニッポン源流を求めて02「太子と不比等の幻影を追え」~その1~
今朝9時、高千穂で天孫族をむかえた鬼の末裔K君と東京駅で待ち合わせ、京都に向かった。東京駅の全国駅弁コーナーをのぞき、「たけのこ三昧」(JR長野駅/900円)をGET。前に、この駅弁に入っている「醤油豆」をこよなく愛するブログを読んだことがあり、妙に気になっていた駅弁だ。9時13分発のぞみ13号が発車するなり、竹編の籠を開けて . . . 本文を読む
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