ぽつぽつ ひとり言

見て下さって有難うございます。

懐かし  海外旅行の思い出話  シアトル3

2012-04-13 02:29:12 | 旅行

 私達はM子さんに注意された事を守り、 夕方からはホテルから出ない様にしていたが他の宿泊客は違ってた。 私達の部

屋は多分4,5階だったがそのフロアに泊まっていたのは皆私達と同じ位の白人の女の子ばかりだった。 10人位いたと思う

がどうやら夜おめかしをしてみんなでどこかへ出掛けるらしく、 ドアを開けっ放しにして、 下着姿のまま裸足でお互いの部屋

を行き来し、 化粧をしたり髪をいじったり鏡でドレスを合わせたりしているのが丸見え。 いくら女性専用のホテルとはいえ、 

日本のホテルでは有り得ない光景に驚き。 私達が部屋に帰って来てすぐ誰かがドアをノックした。 ドアに近かった私が出る

と一人の白人の女の子が立っていて、 いきなり「アイロンを持ってない?」と聞いてきた。 Noと答えるとにっこり微笑んで隣

の部屋に入って行った。 「何じゃ? 今のは?」 A子ちゃんが「誰?」と聞いたと同時にまたノックの音。 ドアを開けるとさっ

きの女の子と後ろにもう一人女の子。 今度はこっちからやんわりと「What?」と聞いてみた。 女の子は早口で何か言ったが

「Alaskan?」の部分だけは聞き取れたので、 「No.  from  Japan.」と答えたら、 二人は「Ohー! Japanese!」と大げさに

騒いでさっさと隣の部屋に戻って行ってそれっきり来なくなった。 「はぁ?・・・・・」 日本に帰る前日A子ちゃんの叔母さんに電

話した時この事を話したら、 「あなた達、 エスキモーと思われたのよ。」と言われた。 つまりアメリカ人はアラスカの原住民

であるエスキモーの人達をちょっと下に見ていて、 そのエスキモーだと思っている私達が何故このホテルに泊まっているの

か、 興味を持ってアイロンを口実に偵察に来たと言う事らしい。 アメリカ人にとって、 エスキモーと日本人は同じモンゴロ

イドなので顔つきが似て見えたのかも知れないが、 そんな暇が有ったら早く出掛ければ良いものを・・・。 さて次の日、 M

子さんがお昼前に車で迎えに来てくれて大きなショッピングセンターに連れて行ってくれた。 多分現在日本に有る大型スー

パーのショッピングモールの原型だろう、 そこに行けば大概の物は手に入る。 それとその当時もうバーコードが導入されて

いた。 本屋に入ってみると、 嬉しい事に日本の本が日本語のまま売られていたので、 日本の文字に飢えていた私は大好

きな星新一さんや筒井康隆さん等のSF小説の単行本をしこたま買って、 それをホテルの部屋でも帰りの飛行機でも読んで

いた。 夕方5時頃M子さんに送って貰ってホテルに帰って来たが晩御飯を食べて無かった。 毎朝朝食を食べに行っていた

ホテルの1階のカフェは夕方4時に閉まってしまった。 どうしようとA子ちゃんと相談の結果、 取り合えず一番近いコンビニ

に恐る恐る行く事にした。 4時以降出歩くなと言われていたけど仕方が無い。 ホテルは4番アベニューの上に有るがフロン

トもカフェ同様に4時に閉まって無人だ。 コンビニは1番近いと言ってもホテルから3ブロック離れている。 なんか有ったらど

うしようと頭の中渦巻きながらコンビニに向かい、 何とかパンやコンビーフ、 ジュースやお菓子等を大量に買い込み速足で

ホテルに帰って来た。 やはりビルとビルの間の細い路地に、 毛皮のコートの下に薄い下着のスリップだけを身に付けた女

性が何人か立っていて、 何か話し掛けて来たので無視して歩いたが、 ホラー映画より何倍も怖かった。 次の日は、 明日

いよいよ日本に帰るので少しシアトルの町を自分達で歩いてみようと、 朝食の後ぶらぶらと出掛けた。 何故か昼間なら怖く

ない。 シアトルへもA子ちゃんの叔父さんと叔母さんに1日連れて来て貰った。 その時は、シアトルセンター内に建つスペー

ス・ニードルの展望台に上がって広がる景色を眺めたり、 デパートへ行って家族へのお土産等買い物を楽しんだ。 そうそう

A子ちゃんは胸が大きく日本ではなかなか彼女サイズのブラが手に入らないそうなのでデパートで買う事にした。 店内では

叔父さん達と別行動で、 下着売り場に行きA子ちゃんのサイズを探していると、 それをレジの方から見ていた年配の女店

員さんがやって来て、 A子ちゃんを試着室へ連れて行き素早くサイズを測り、 「そこで待っているように」と言って売り場の方

へ戻って行った。 程なく3枚のブラを手に店員さんは帰って来て、 試着室の中にいるA子ちゃんに何か話し掛けながら手渡

した。 「この中から気に入った物を買いなさい、 全部気に入らなかったら買わなくて良い。」と言ったらしい。 あの店員さん

かっこいいな、 プロだなと生意気ながらそう思った。 A子ちゃんは気に行った1枚が買えて喜んでいた。 シアトルの町は港

町で有り坂の町。 私達が大学時代歩いていた神戸も同じ様な町。 でも神戸はしっとりと落ち着きの有る町、 シアトルの方

は明るく活気が有り華やか、 町を歩き回ってそんな風に思えた。 私達はちょっと怖かったけど港の方まで言ってみた。 フェ

リー乗り場の入口では小学3年生位の男の子が人前で堂々とくわえ煙草をしているのを目撃。 誰も注意もしない。 もうちょ

っと港のあたりをゆっくり散歩したかったけど夕方4時までに4番アベニューまで坂を上がって来た。 夕方4時と言うが8月半

ばのその時期、 日本と違い夜9時過ぎまで日が落ちないので、 昼間と同じ位外は明るくまるっきり夕方らしくないのです。        

          

          



最新の画像もっと見る

コメントを投稿