goo blog サービス終了のお知らせ 

横須賀総合医療センター心臓血管外科

お気軽にコメントいただければ、一般の方の質問にも心臓血管外科専門医が答えます。

ようやく横須賀でも病院のワクチン接種開始

2021-04-22 16:31:05 | その他


 新型コロナウィルスパンデミックの第4波により再度の緊急事態宣言が発せられるとの報道を今し方、見ましたが、横須賀市立うわまち病院、横須賀市立市民病院の両横須賀市立病院ではようやく新型コロナウィルスのワクチン接種が開始となりました。筆者の妹は埼玉県内で処方箋薬局でパート勤務をしているのですが、そのパートのおばさんより新型コロナウィルスを扱う横須賀市の市立病院職員がワクチン接種が遅いというのはいかがなものでしょうか。

 本来なら一ヶ月以上早く、まさに第3波は終息する前に横須賀市に供給され接種が開始されるはずでしたが、Deep Freezerを横須賀市では横須賀共済病院に基幹病院として設置し、そこから新型コロナウィルス対応する3病院へ分けて接種する予定であったものが、横須賀共済病院に到着した途端、横須賀共済病院が独占して他の二病院に渡さない!と宣言し自分の病院のスタッフ全員にワクチンを注射してしまったのです。中国が突然尖閣諸島の所有を主張したり南シナ海に勝手に環礁を埋め立てて軍事基地を作っているこうしたルール違反を平気で軍事力を背景に実施しているのと全く同じように、横須賀共済病院はその政治力、病院力を背景にこうしたルール違反を平気で行っています。新型コロナウィルス感染患者の収容数は横須賀共済病院よりもうわまち病院や市民病院の方が実際には多く、重症患者においてもクラスターの影響もあり横須賀共済病院よりもうわまち病院の方が多く担当しているのに、それに対峙する医療スタッフに不平等な環境を作っている現状が許されていることに憤りを感じます。ワクチン接種機会を与えられないまま無防備のまま命がけで新型コロナウィルス患者に対応せざるを得なかった当院の医療スタッフに横須賀共済病院にはきっちり謝罪して欲しいです。やはり、横須賀市としては市民の為の市立病院が中心となって医療を担っていかないと市民ファーストの医療は実践出来ません。

 世界の地政学的なパワーバランスを変えるのが難しいように、横須賀市の医療も現状変更を実践するのは難しいのは悲しい事実です。

 横須賀市の市立病院が県側のミスで新型コロナウィルスの重点対応病院リストから外されていたために更にワクチンの供給が遅れ、横須賀市長の耳にこの事実は入ってようやく市が動いて市立病院へのワクチン接種が可能となったのです。
 第4波が横須賀市を飲み込む前にせめて医療スタッフだけでもワクチン接種を終了し、充分な体制を構築する必要があります。

 最終的にはいくら緊急事態宣言を出しても他の先進国のように一般住民にワクチン接種が行き渡らないとパンデミックを抑えることは不可能です。こうしてワクチン供給が遅れている間に経済も取り残されてしまうことが一番心配です。