交流分析1 私もOK あなたもOK
交流分析2 ディスカウント
交流分析3 ストローク経済 貧富の法則
交流分析4 自我状態と交流の分類
交流分析5 人生脚本
交流分析6 人生脚本 禁止令
2022年8月14日更新
2023年8月27日更新
2024年8月16日更新
交流分析で「ラケット感情」というのは、「代用された感情」「ニセモノの感情」と言われます。
幼少期の生活環境で「素直な感情」を表現することが歓迎されていなかったり、親や周りの人間からストロークを得るために「本来の感情表現」がズレて「ニセモノの感情表現」が習慣化してしまった状態。
例えば、親や周りの大人に「自分の感情」に寄り添ってもらえなかったときに、ダダをこねて暴れたら「怒られるなどの反応」が得られて、自分に関心を向けてほしいときは「怒られることをすれば注目が得られる」ことを学習した、など。
さびしい・構ってほしい → イライラ・不機嫌な態度
怖い・不安 → ヘラヘラ笑う イライラ・不機嫌な態度
怒りを感じる → ヘラヘラ笑う 泣く(悲しい)
交流分析では「絞首台の笑い」と言われるものがあります。
もともとは死刑執行を前にした囚人が刑の執行の時に、ニヤリと笑みを浮かべる様子のこと。
そこから、にこやかに自分の不幸や辛い経験を話すことを「絞首台の笑い」と言う。 「私はOKじゃない あなたはOK」の構え。
イジメや虐待などの経験を笑いながら話す。
仲間内で本当は嫌なのに下品な冗談に合わせて笑う。
いつも自分の失敗話やバカな行動をしたりして周囲の笑いを取る。
「ラケット感情」を感じることで終わる行動、その一連の行動のことを「ラケット行動」と言います。
ラケット行動は、幼少期ならば欲しいストロークが得られたり、欲求を満たすことができたかもしれませんが、大人になってからでは、幼少期とまったく同じ方法で思い通りのストロークや欲求を満たしてもらえるわけではありません。
無力 すねる いじける
ガキ かみつく くってかかる
援助 過剰なおせっかい 過保護
ボス 問い詰める 理屈をこねる
ラケットは脚本に由来し、脚本を強化するもので、ラケット行動は「(一人で)ラケット感情を感じて終わるもの」であるが、複数になると数人の間で「ゲーム」が行われ、全員が「バツの悪い感情」を感じて終わることを「ゲーム理論」と言います。
仕掛け人(自分のネガティブな信念を確認したい) → カモ・弱者(巻き込まれる人) → 反応(主に怒りの感情) → 役割の入れ替え(仕掛け人とカモが逆転) → 混乱(カモがキレる) → 結末(双方で苦い感情を感じる)
「仕掛け人」にカモ(弱者)にされやすいタイプは、正義感の強い・攻撃的な挑発に反応する(CP)・悩み相談を親身に聞いてくれる(NP)・「ラケット感情」を感じやすい(AC)の傾向が高い人。
キック・ミー(私を嫌ってくれ) わざわざ相手を挑発し、相手がイラつくような言動・行動を繰り返し「自分は拒絶されて捨てられるのが当然だ」を確認する。 「私はOK あなたはOKじゃない」の構え。
はい、でも… 相手に相談を持ち掛けたり支援を求めたりするが、相手がそれに対して返答を返すと「はい、でも…」と相手の出す意見はすべて否定するので、しまいには相手が怒りだしたり無力感を覚えたりする。 「私はOK あなたはOKじゃない」の構え。
アラ探し どうでもいい細かい間違いや、やり方の違いを指摘しては注意や批判をする。 揚げ足取り。 親子・嫁と姑・上司と部下など主従の関係に多い。 「私はOK あなたはOKじゃない」の構えで自己を肯定する動機付け。
あなたのせい 物事がうまくいかなかったときに、自分の行動に対する間違いの修正や責任は取らないのに、すべてを他人や環境のせいにしてしまうこと。 自分の行動に無責任な態度を取る「責任転嫁(責任回避)型」と、自分の間違いや短所は棚に上げて他人を厳しく批判する「他罰主義型」がある。
仲間割れ わざわざ本人に相手の悪口を伝えたり、故意に矛盾する情報を伝えたりして、わざと仲間割れや争いが起きるように仕向ける。 他人同士が険悪になる場面を見て「絆や友情なんてウソ」と自分のネガティブな信念を確認する。
決裂 相手の人格を揶揄したり過小評価したりすることから始まり、互いに「私はOKじゃない あなたもOKじゃない」を確認する。 相手と親密な関係になることへの恐れから行われることもある。 「決裂と修復」を延々繰り返すことも。
ひどいもんだ(大騒ぎ) 自分の不幸や苦痛を大げさにアピールすることで、他人からの注目や同情を集めようとする。 自分の不幸や苦痛を盛んにアピールして支援を引き出そうとしたりするが、自ら適切な解決策を取ろうとはしないので、次第に周りの人間から相手にされなくなる。
苦労性 自分の体力や限界を考えずに過大な責任や、たくさんの仕事を背負い込むが、仕事の処理が追いつかずに体を壊すことにもなるので、最終的に周囲の人が困ることに。 完璧主義の人に多い。
あなたのため 患者の治療に熱心すぎる医者と医者の無能さを証明したがっている患者。 医者は「患者のために」と細かく注意をしたり、治療方針を守らせようとしますが、患者は「効果がない・改善していない」とマイナスの評価をするので、自信を喪失した医者が、ますます「あなたのために」と治療や検査を増やしたりして悪循環になる。
あなたを助けたい とても親身に考えてくれるのだが、過保護が過ぎる上に本人の意見はまったく聞かない。 相手から反抗されたり拒絶されると「あなたのことを思ってしているのに」と相手を責めるので、両方が不愉快になる。
「ゲームのやり取り」は、表面的には「普通の雑談の会話」から始まり、仕掛け人が「自分はOKじゃない」「他人はOKじゃない」を確認するために「否定的なストローク」を求めて行われるもの。
日々の社会生活の中で、周囲の人間と自分を比べたりして劣等感や嫉妬心を感じた時など。
人付き合いがほとんどなく自宅と職場を往復しているだけの生活で、孤独感を感じて「ストローク」に飢えている。
仕事も家庭も順調で、それなりに友人もいて経済的にも安定した生活を送っているが、その「安定した生活」を退屈に感じて「トラブルの緊張感や刺激が欲しい」と思っている。 いわゆる「ヒマつぶし」。
次は「交流分析8 時間の構造化」です。
ラケット感情とは
交流分析のゲームの分類とゲーム分析
あなたの「心理ゲーム」はどれ? イライラの根本理由を探そう
ひやかしを受けて育った子ははにかみ屋になります
ライバルを気にしすぎるのは「暇な証拠」
交流分析2 ディスカウント
交流分析3 ストローク経済 貧富の法則
交流分析4 自我状態と交流の分類
交流分析5 人生脚本
交流分析6 人生脚本 禁止令
2022年8月14日更新
2023年8月27日更新
2024年8月16日更新
交流分析で「ラケット感情」というのは、「代用された感情」「ニセモノの感情」と言われます。
幼少期の生活環境で「素直な感情」を表現することが歓迎されていなかったり、親や周りの人間からストロークを得るために「本来の感情表現」がズレて「ニセモノの感情表現」が習慣化してしまった状態。
例えば、親や周りの大人に「自分の感情」に寄り添ってもらえなかったときに、ダダをこねて暴れたら「怒られるなどの反応」が得られて、自分に関心を向けてほしいときは「怒られることをすれば注目が得られる」ことを学習した、など。
さびしい・構ってほしい → イライラ・不機嫌な態度
怖い・不安 → ヘラヘラ笑う イライラ・不機嫌な態度
怒りを感じる → ヘラヘラ笑う 泣く(悲しい)
交流分析では「絞首台の笑い」と言われるものがあります。
もともとは死刑執行を前にした囚人が刑の執行の時に、ニヤリと笑みを浮かべる様子のこと。
そこから、にこやかに自分の不幸や辛い経験を話すことを「絞首台の笑い」と言う。 「私はOKじゃない あなたはOK」の構え。
イジメや虐待などの経験を笑いながら話す。
仲間内で本当は嫌なのに下品な冗談に合わせて笑う。
いつも自分の失敗話やバカな行動をしたりして周囲の笑いを取る。
「ラケット感情」を感じることで終わる行動、その一連の行動のことを「ラケット行動」と言います。
ラケット行動は、幼少期ならば欲しいストロークが得られたり、欲求を満たすことができたかもしれませんが、大人になってからでは、幼少期とまったく同じ方法で思い通りのストロークや欲求を満たしてもらえるわけではありません。
無力 すねる いじける
ガキ かみつく くってかかる
援助 過剰なおせっかい 過保護
ボス 問い詰める 理屈をこねる
ラケットは脚本に由来し、脚本を強化するもので、ラケット行動は「(一人で)ラケット感情を感じて終わるもの」であるが、複数になると数人の間で「ゲーム」が行われ、全員が「バツの悪い感情」を感じて終わることを「ゲーム理論」と言います。
仕掛け人(自分のネガティブな信念を確認したい) → カモ・弱者(巻き込まれる人) → 反応(主に怒りの感情) → 役割の入れ替え(仕掛け人とカモが逆転) → 混乱(カモがキレる) → 結末(双方で苦い感情を感じる)
「仕掛け人」にカモ(弱者)にされやすいタイプは、正義感の強い・攻撃的な挑発に反応する(CP)・悩み相談を親身に聞いてくれる(NP)・「ラケット感情」を感じやすい(AC)の傾向が高い人。
キック・ミー(私を嫌ってくれ) わざわざ相手を挑発し、相手がイラつくような言動・行動を繰り返し「自分は拒絶されて捨てられるのが当然だ」を確認する。 「私はOK あなたはOKじゃない」の構え。
はい、でも… 相手に相談を持ち掛けたり支援を求めたりするが、相手がそれに対して返答を返すと「はい、でも…」と相手の出す意見はすべて否定するので、しまいには相手が怒りだしたり無力感を覚えたりする。 「私はOK あなたはOKじゃない」の構え。
アラ探し どうでもいい細かい間違いや、やり方の違いを指摘しては注意や批判をする。 揚げ足取り。 親子・嫁と姑・上司と部下など主従の関係に多い。 「私はOK あなたはOKじゃない」の構えで自己を肯定する動機付け。
あなたのせい 物事がうまくいかなかったときに、自分の行動に対する間違いの修正や責任は取らないのに、すべてを他人や環境のせいにしてしまうこと。 自分の行動に無責任な態度を取る「責任転嫁(責任回避)型」と、自分の間違いや短所は棚に上げて他人を厳しく批判する「他罰主義型」がある。
仲間割れ わざわざ本人に相手の悪口を伝えたり、故意に矛盾する情報を伝えたりして、わざと仲間割れや争いが起きるように仕向ける。 他人同士が険悪になる場面を見て「絆や友情なんてウソ」と自分のネガティブな信念を確認する。
決裂 相手の人格を揶揄したり過小評価したりすることから始まり、互いに「私はOKじゃない あなたもOKじゃない」を確認する。 相手と親密な関係になることへの恐れから行われることもある。 「決裂と修復」を延々繰り返すことも。
ひどいもんだ(大騒ぎ) 自分の不幸や苦痛を大げさにアピールすることで、他人からの注目や同情を集めようとする。 自分の不幸や苦痛を盛んにアピールして支援を引き出そうとしたりするが、自ら適切な解決策を取ろうとはしないので、次第に周りの人間から相手にされなくなる。
苦労性 自分の体力や限界を考えずに過大な責任や、たくさんの仕事を背負い込むが、仕事の処理が追いつかずに体を壊すことにもなるので、最終的に周囲の人が困ることに。 完璧主義の人に多い。
あなたのため 患者の治療に熱心すぎる医者と医者の無能さを証明したがっている患者。 医者は「患者のために」と細かく注意をしたり、治療方針を守らせようとしますが、患者は「効果がない・改善していない」とマイナスの評価をするので、自信を喪失した医者が、ますます「あなたのために」と治療や検査を増やしたりして悪循環になる。
あなたを助けたい とても親身に考えてくれるのだが、過保護が過ぎる上に本人の意見はまったく聞かない。 相手から反抗されたり拒絶されると「あなたのことを思ってしているのに」と相手を責めるので、両方が不愉快になる。
「ゲームのやり取り」は、表面的には「普通の雑談の会話」から始まり、仕掛け人が「自分はOKじゃない」「他人はOKじゃない」を確認するために「否定的なストローク」を求めて行われるもの。
日々の社会生活の中で、周囲の人間と自分を比べたりして劣等感や嫉妬心を感じた時など。
人付き合いがほとんどなく自宅と職場を往復しているだけの生活で、孤独感を感じて「ストローク」に飢えている。
仕事も家庭も順調で、それなりに友人もいて経済的にも安定した生活を送っているが、その「安定した生活」を退屈に感じて「トラブルの緊張感や刺激が欲しい」と思っている。 いわゆる「ヒマつぶし」。
次は「交流分析8 時間の構造化」です。
ラケット感情とは
交流分析のゲームの分類とゲーム分析
あなたの「心理ゲーム」はどれ? イライラの根本理由を探そう
ひやかしを受けて育った子ははにかみ屋になります
ライバルを気にしすぎるのは「暇な証拠」