花のある生活

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一般家庭の85%は「機能不全」の状態である

2024-05-20 | 心理学
「機能不全家族」というのは、依存症、虐待、両親の不仲、仕事などの事情で親が不在がちなど「子供が健やかに成長するための機能」が十分ではない状態を指す言葉。

他にも「親ガチャ」「毒親」「ヤングケアラー」という言葉や、親子関係の間で発生する「ダブルバインド(二重拘束)の心理」というものもあります。


米国の心理学者の言葉で「一般家庭の85%は機能不全の状態だ」というものがあり、特別虐待などの問題はなくても一般家庭のほとんどに当てはまる、ということですね。


機能不全家族の代表的な例では、

肉体的・精神的な暴力がある家庭  「家庭が安全な場所である」と感じることができなくなる。

過保護な家庭  子供が自分で考える機会・選択の自由を奪い、自信や自立心が育たない。

失敗を許さない家庭  いつも完璧を求めるため、新しい物事に「挑戦しなくなる」「結果を隠す・ウソをつく」

親が子供に依存している家庭  病気や障害の家族の介護など。 ヤングケアラー。



機能不全家族には3つのルールがあるといわれます。

話してはいけない  家族間で、これらのことを問題にしてはいけない。  

感情を出してはいけない  ネガティブな感情は特に。

信頼してはいけない  むやみに人を信じるな。 


「人の子育てを見学して『親の理不尽』の正体が見えた気がした」の記事からも「自分の欲求をかなえる手段を親に頼るしかない子供」「子供の欲求をすべてかなえてあげられない親」という悩ましい問題が描かれていますが。

ここからさらに、親自身が「子供の欲求をすべてかなえてあげられないこと」にストレスを感じて、自分に「このような感情」を抱かせる存在に対して「ストレス発散」をしてしまうと、子供側からすると「自分の欲求がかなわない」どころか「親のストレス」まで受け止めなければいけない状況になり、まさに「踏んだり蹴ったり」の状態になってしまうなんてことにもなりそうだし。


5月12日、母の日の新聞のコラムにこんな話が載っていた。

アンガールズの田中卓志が母と一緒にお笑い番組に出た。
芸人たちが昔作ってもらっていた弁当を持ち寄って、出演者のタレントが、どの弁当を食べたいと思うかを順番に指名する企画だった。
アンガールズ田中の母も、当時の弁当を忠実に再現した弁当を作ってきたが、結果は最下位。

素人ながらテレビにはよく出ていた母だから、あるタレントが「冷凍食品が入っていて愛情が感じられない」とコメントしたときも、うまく返してくれるだろうと思っていたら、母はうつむいてしまい何も答えなかった。

慌てた田中は「おい! うちの母さんは共働きで看護師をやっていて忙しかったんだよ。 3交代の中で作るから冷凍食品ぐらい入るんだよ。 でもな、身長を一番伸ばしたのはこの弁当だ!」と叫んだ。

最後の一言で、気まずい雰囲気を何とか笑いに変えた、とホッとしていたら、自分の母も他の芸人の母も泣いていた。


「仕事で忙しくても自分の弁当を作ってくれた」と感謝している人もいれば、「冷凍食品を弁当に入れるのは愛情がない」と言う人もいるわけです。

実際にも「自宅のご飯が手作り料理じゃないのは(自分が)かわいそう」と言う人は結構います。

「『機能不全な家庭』なのはどちらも同じ」であっても、受け取り方は全く違う人生になることもあるんですね。




自分の育った家庭が機能不全家族だったのかチェックする方法




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