メカニック

会社の後輩のバイクの調子が悪いそうだ。

悪いどころか、アクセルをひねっても戻らないという、危険極まりない状態。

「えっ、アクセルって手で戻すんじゃないっすか？」
なんて、すっとぼけ過ぎにも程がある後輩。
まぁ、確かにベスパはそうなんですけどね。

でもそのバイクは国産のちゃんとスピードが出るやつだから、バイク界のブラックジャックと呼ばれた事がある！わけないこの私。
昔、バイク屋でちょこっとバイトした事あるもんだからおせっかい精神がウズウズしてきて、なんでも首を突っ込んで嫌がられる姑のようになってきましたが、そんなこと構わず

「これからオペを行う！」
と、せっかく早く帰れるとウキウキな後輩に死刑宣告。
無理矢理引き止めて修理開始！


それにしても、ドライバーを握ってバイクのネジを外すだけで、なんであんなに楽しい気分になってくるのでしょう。

それはきっと自分のでも、お客さんのでもないから責任を感じず気楽だからでしょう。

いやいやそんな事は決してない！とは言えませんが、おもちゃで遊んだ感覚というか、なんともワクワクしてきちゃうんですよね～


アクセルワイヤーが隠れてるスイッチのカバーを外してる最中に、なんか同じような症状のバイクの修理したな～と十年以上も前の記憶が突然ぽわぽわ～とフラッシュバック。

思い出したらあっという間に直しちゃいました。
あ～ら不思議。
バイクにさわるまでは、まずは原因を探らなきゃなんて思ってたのに、ネジを外してる最中にフラッシュバックで、これだ！と確信。
体が覚えてるってやつなんですかね。
なんとも気持ちのいい感覚に見舞われました。

そんなわけであっという間に作業終了！


達成感に満たされで事務所に戻ると

「バイクが変なんです～」と血相変えて後輩が来ました。
聞くと、アクセルひねるたびにアイドリングが下がるとの事。
やっちゃったか～と顔面蒼白な私。

確かにエンジン変です。
しまいにはエンジンかからなくなりました…
何度もセル回すからこのままじゃバッテリーまで上がりそうです。

その時またまたフラッシュバック。

思い出した。この症状は～


ガス欠でした…


おいおい頼むよ…