楽居庵

私の備忘録

護国寺 東京茶道会茶会 一言印象記

2013-02-15 20:26:42 | 茶会

欠席の会員の方より頂き4名で各席を回った。風の冷たく朝より茶室の外で待つのはつらいけれど、私より年配の方々が辛抱強く待っている。

その気配を感じて早めにどうぞという声がかかりほっとする。第一席は宗澄庵(三畳台目席)、官休庵千宗屋若宗匠席であるも所用のこと、今時の人であるので楽しみにしていたのに残念! 大寄せでは流派に従った道具組のようで、印象に残ったのは春日大社の油注花入に貝母が優しく、そして手にすっぽり入る小さな志野香合、一見わからないが底は正しく志野釉。

茶碗は銘が寒さくらという瀬戸筒の桜高台、土が軟らかいうちにきれいに搔き落として桜形にしているのであろうか、如何にも手の内にさくらが広がったよう、正客の男性が慈しむように手の中で温めている感じが伝わってきた。それ程手がかじかんで茶碗に温められた第一席であった。中京の志野流18世頑魯庵の箱書。

第二席の月窓軒広間は、小堀宗実遠州流家元席、“萬年祝融の峯に在り”の中に松の画が描かれている、宗中七十歳の堂々たる隷書の横物掛軸、幕末の8世。輪無し竹花入に山茱萸と加茂本阿弥椿が見事である。竹の青がまさって如何にも初春らしく鮮やかどっしりとしている。先代の紅心宗慶宗匠の茶花も他の追随を許さなかったことをなつかしく思い出した(数少ない拝見だったけれども)。

砂手御本の茶碗も良かった。朝鮮の御本手の茶碗のうち砂気の多いものを砂御本といわれた。確かに砂まじりで手触りもざらざらしている感じである。見込みに梅の絵付けがある。本来ならば綺麗寂びに適わないという感じがしないでもないが…

 

第三席は大日本茶道学会が不昧軒で、二月は会員だけの招待茶会とあって割合スムーズに入れるのは、寒さが厳しい季節だけにありがたい。清厳老師筆の横物墨蹟「處々園光」、難しいことはわからないがながめているだけで隅々まで光が満ちてくるという春の温かさが感じられる。

 またまた茶碗に目がいってしまう。座った席の後ろが床の間で、そこに休意高麗(銘が花折)が飾られていた。休意という人の所持で形は明らかに熊川である。休意という方はどのような方なのか不明。

 

第四席の艸雷庵(四畳半台目席)は江戸千家(弥生町)川上閑雪家元、三畳台目席が待合、本席の掛物が如心斎筆の和歌“暁の月の……冬枯の木の間にやどる朝のさやけき”と読めないところもあって、変体かなはむずかしい! 七官青磁に牡丹が入り、やはり牡丹籠の牡丹は風炉で、炉は青磁がぴったりと贅沢な気分を味わう。

写真(四点とも):季節の花300より


妙心寺退蔵院襖絵をみる

2013-02-12 09:39:19 | その他

以前さまざまなメディアで取り上げていたこのプロジェクトを日経新聞で知って7日(~17日まで)日本橋の東海東京証券の1階ギャラリースペース「京都・妙心寺退蔵院 村林由貴 襖絵展」を見に行った。

 

「寺方丈の襖絵プロジェクト」についてパンフレットから抜粋してみると、

文化財の保護と若手芸術家の育成を目的に、無名の若手絵師が方丈(本堂)の襖絵を描きあげるというものです。(中略)

 400年前、大きな神社や各地の武将は専属の絵師を雇い彼らに襖絵を描かせていました。彼らはそこに住み、修行に励みながら精神修養をし、多くの傑作を襖に描き後世に残してきました。今回のプロジェクトでは当時と同じ手法を現代によみがえらせながら、今を生きる若い芸術家を育成し、芸術家として世界に羽ばたく最初の一歩の後押しをするという重要な意味があります。(中略)

 

プロジェクトがはじまって約2年、展覧会では、現在までに制作された習作の襖絵を展示するとともに、襖を制作するために必要不可欠な素材や道具、職人の技にもスポットを当てました。

 

若い村林由貴氏のエネルギーが時と場を得て爆発している、という印象、荒削りかもしれないが未知への挑戦が襖絵に書きなぐっている(表現がわるいけれども)、そんな印象を感じた。

 

広いスペースに置かれている感じと退蔵院方丈にはめ込まれた印象では密度の濃さが違うとおもう。これからもこのような現代のパトロンが出てきて欲しい。

(画素数が低い携帯のため鮮明さが出ませんでした)


新春茶会 その二

2013-02-01 09:04:39 | 茶会

若き茶人お招きのお礼の手紙より抜粋しました

初春の青空のもと、K庵になつかしく参上させて頂きました。K庵さまの親しきご友人の中、はからずも上座にに座らせていただき恐縮に存じました。

Yさま、Sさま、Hさまのなつかしき方々とも御席にて共にお心の一服を頂きましたこと、幸せに存じます。濃茶の一咄は誠に美味しく、それ以上の言葉がみつかりません。小山園の天授、まことに初春より天よりの寿をいただきました。

 とらやの松かさね

博多雑煮も実は初めての椀にてお見事なお味!焼きあごのだし、どんこ、ぶり、里芋、人参、ごぼう、大根、焼き豆腐、かまぼこ、かつお菜(小松菜だったかもしれません)、丸餅の豪勢なこと!

博多雑煮のブログより拝借 

私も来年は博多雑煮でいこうかしらと思わず思案しましたが、K庵さまのご実家だからこその家伝のお味なのでしょうね。

そしてそして、前後しましたがカラスミは長崎産と博多産の二大選手権、どちらにも軍配を上げたいところですね。黄金色というか、茜色というか、日頃の精進の季のたまものを頂くなんて本当に目にも口にも幸せな一日でございました。

   

 

  

 

  薄茶席のだるませんべい

 

K庵さまが話されていたように無事であっての一会ですね。これからも尚尚ご精進、ご活躍されますようお祈り申上げます。(後略)

 K庵のマンションの広場にて