友人のお誘いで同道しての茶会が赤城の山荘で催された
お彼岸も近いというのに、台風の接近で残暑が厳しい一日であった
それでも赤城山中腹に建つ山荘は、樹木に囲まれ風が爽やかに渡る
前日にある除幕式が行なわれて、その報告がまずあった
話は遡り、天平13年(741年)聖武天皇の発願により国ごとに国分寺、国分尼寺が創建されたが、
長い時代を経て、上野国の国分尼寺址の史跡標柱も定かならず……
そこでこの度、法華寺久我高照御門跡様のご染筆をもってその地に碑を建てられることになった
その報告を、奈良の法華寺から副御門跡様をお迎えして執り行われた
茶会の主催者は、この除幕式の一端に携わった方でもある
裏千家では命日や忌日などの行事で、日頃の修道をみて頂くときに花月を行なうと
いうことにて、濃茶付花月をご披露なさった
地蔵菩薩像に献花(小池御室流)&濃茶席
私達は会の方が法華寺、東大寺に納められた菊のご紋入りの茶碗で濃茶をいただく
茶室を開け放ち、風が渡る中で頂いた濃茶の美味しかったこと!
さて、昼食はまた別棟にてすべて手作りの点心が振る舞われて感激!
手間ひま掛けられたご馳走は、何よりのおもてなし
海老真蒸や栗ご飯など
午後の日差しが相変わらず強かったけれども、
山荘の中心に設けられた立礼席に三々五々集まる
土台も立礼の棚もすべて会の方々の手作りとのことで、すごい!
埴輪も戸外で古色帯びて自然なたたずまい
彼岸花も咲き出していたが、今年は9月からの残暑で少々遅いらしく、
彼岸花で囲まれた風景をお見せできずに残念と云われる
彼岸花と
この立礼席の薄茶の点前が鏡点前でされた
鏡点前は二人並んで、同時に始まり、同時に終わるという仕掛け
だから一人は逆勝手になる
立礼の場
印象的な道具が数々あった中で、茶杓に眼がとまった
一本は、東大寺の修二会で使用する柳製の「牛玉杖(ごおうづえ)」を茶杓にされた
もう一本は、法華寺に咲く法華寺蓮の茎を三年保存して茶杓にされたとのこと
法華寺蓮の象鼻茶杓 法華寺蓮(法華寺HPより)
また棗も正倉院御物の琵琶の螺鈿文様からとった唐草を絵付けに、
もう一つは法華寺の蓮を絵付けに、いみじくも東大寺と法華寺の協奏曲を奏でた
お菓子は濃茶は、奈良から届けられた蓮の形をした練り切り
薄茶は、法華寺の紅白の落雁
お彼岸への供養が満ち溢れた一日であった