日々・ひび・ひひっ!

五行歌(一呼吸で読める長さを一行とした五行の歌)に関する話題を中心とした、稲田準子(いなだっち)の日々のこと。

好転させるきっかけとなる鍵でありますように。

2006年09月08日 | 引っ越しな日々
家に帰ってくるなり、夫は、「何もかも、全部出てきた!」と言ってきた。

何のことかと思ったら、
前の明石の家に住んでいたときに紛失していた
そのマンションのオートロックキーと
玄関のドアキーと、
自動車のドアのオートロックキーと
エンジンをかけるときのキーと
地下駐車場の機械を上下させるキーが(はぁはぁはぁ……)
全部見つかったという。

7月初旬に2tトラックの講習会の指導者として、
ある営業所に行った時、
その営業所で使われているトラックの中に、
忘れていたみたいだという。

そのトラックのある営業所の人々が、
「大事なものだろうから、誰のものか知らないけれど、
そのままにしておこう」(←あくまで推測)ってことで、
二ヶ月間、そのトラックの中に放置していたのだそうだ。

この鍵の紛失のおかげで、
どれだけ私はダメージを受けただろう。

「こいつの尻拭いはもういやだ。
大阪に戻ってしばらくしたら離婚したろ」と、
本気で思ったものな。

さらに、この大阪の家に来たとき、
会社用のケータイの充電器がなくなった
言っていたけれど、
それも暫定的に勤めていた姫路支店にあったという。

ほらみろ。あたしが無くしたわけじゃなかっただろっちゅーに。

「その鍵出して。
明石の家の大家さんに送るから。
それから、自動車のキーも。
今電車通いなんだから、持ち歩く必要はないやろ。
預かっといたるから。後でなんて言わずに、すぐ出して!」

と、言ったら、

「そこのかばんの中です……」と、
控えめな口調で言う夫。

「かばんの中ね……」と言って、
そっちへ行きかけて、はっとする私。

そうそう。ついついこうしちゃうからいけないんだ。

「てめー、いつも言ってるだろうが!
あたしを手足のように使うんじゃねぇ!
自分のかばんだろ!?自分でセキュリティしろよ!
人に触られると、嫌だ!という気持ちを持てよ!」

と怒る。
すると、

「だって、別に見られたらやましいものとか入ってないし……」

と小さくぶつぶつ言いながら、
かばんの中をごぞごぞする夫。

「だったら、やましいものでも入れとけ!!」

と、売り言葉に買い言葉的に言い返して、
わけわかめになっていく。

とにかく、鍵を、私は預かった。

     ★

夫は大阪へ引っ越す直前、
車両管理に関わる部署に定着して
(だから、今日トラックの点検をしに行って、
紛失した鍵を見つけたのだけれど)
大阪の本社勤務をしている。

残業時間も7時半までと決められていて、
休みも完全週休二日とまではいかなくても
日曜日は必ず休まなければならなくなっている。

私が占い師さんのところへ行って、
占われた結果を話したあたりから、
「なんだ、よくないのは、仕方ないのか」と、
開き直る傾向が見られ、
仕事を投げ出したという、
罪悪感からも解き放たれたようで、
あの頃から徐々に、
冗談とかも言うようになった。

反対に私は、ぜんぜんよくない。

夫の身近にいる人物として、
不幸吸収剤となっているようだ。

占い師さんが言ったように、
ご近所関係こそ滞りなかったけれど、
尾を引くような出来事はあったし、
(ネット環境になれない・PCが壊れている)

それによって、白夜ちんところの仕事は、
全くできない状態になっているし、
(もともと引越し騒動で、まだまだ仕事化できていなかったけど)
郵便局の仕事も、
いろんな事情があって、
明石を出る直前に、白紙に戻っていた。

そしてまた、決意が鈍って、
就職活動のばしのばし。

五行歌の本ばっかり読んでいる。
(久しぶりに9月号の歌誌の歌を全部読めたよ……)

だが、不思議なもので、腹の底のどこかでは、
「まぁ、命までとられているわけじゃないし、
夫のように、変な髪形にされたわけでもないし
すべては、大きなラッキーの前のネタフリってことで」
と、どこか、悲惨の中にも、
最後の最後で、この状況を
ユーモアな見方をしてしまってて、
いろんなものを通り越して、
笑っている自分がいたりして。

あの、夫が鍵を紛失した頃と比べると、
この大阪に来てからの悪い出来事は、
時間がたてば何とかなったり、
挽回できるものばかりだからかもしれないが。

あの、鍵や、大金を、
無くされた時の喪失感。
可能ならば、もう、一生味わいたくない(無理かなぁ……)。

その喪失感をもたらした、
絶対見つかることはないと
完全にあきらめていた鍵が、
見つかったのだ。

ユーモアな見方で、
ついていないことを、
精神的にかわしていたとしても、
ものすごく、ラッキーなことに飢えている私。

事態を好転させるきっかけの鍵であることを祈って、
ぎゅっと握り締めずにはいられなかった。

最新の画像もっと見る