日々・ひび・ひひっ!

五行歌(一呼吸で読める長さを一行とした五行の歌)に関する話題を中心とした、稲田準子(いなだっち)の日々のこと。

家電崩壊

2009年07月05日 | 引っ越しな日々
引越の見積もりに来てもらった時、
ものすごく迷ったのが、エアコン。

○○パックなり、コースがあるにしろ、
エアコンの取り付けは、別途料金がかかる。

「取り付けて、すぐ壊れるってなったら、
取り付けた分、お金がもったいないし、めんどくさいで」と、夫。

確かに、結婚10年ということは、
家の耐久家電も10年目という訳で、
夫婦同様にガタがくる。

夫を新品に換えるのは諦めるとしても(おいおい)、
エアコン……どうしよう……。

でも、目の前で、
機能しているエアコンを見ると、
新品を買うのは、もったいなくも思え……。

しかし、夫の言うことにも、一理ある。

「じゃあ、買い換える?」とうなづきかけると、
「まぁ動いているけどな。二台一度に買い換えるのもな」
と、とてもヒトゴトみたいに、揺さぶり返してくる。

あぁ……、こういう時の決定権は、普通、夫なのか?私なのか?

「とりあえず今は、物入りだし、
いずれ買い換えるにしても、今っていうのは、
ちとキツイよ。エアコンは、これを使おう。
過去の二回の引越で、
内部の掃除とか、してもらっているんだし、
あと1・2年、頑張ってもらおうよ」

内部の掃除と、エアコンの寿命は、
あまり関係がないというのは、知っている。

知ってたけど、そこでオトシタ。

     ★

引越当日の朝。

引越会社が手配してくれていた電気屋さんが、
エアコンの取り外しに来てくれた。

「一応(引越業者がエアコンを運んでから)、
夕方の取り付けとは聞いていますが、
もし、よろしければ、おひとり、同行していただけるのなら、
このままご新居に直行して、先にエアコンをお取り付けもできますが」

と、提案してくれた。

私の両親も駆けつけてきているので、
この場からひとりいなくなっても、
さして困らない。

ぜひぜひ、私が行きますから、とその話を受ける。

なんと、幸先からいいリズムの引越の流れを、
作ってくれるじゃないか、とありがたがっていたら、
実際に取り外した際、その提案を却下された。

「古いエアコンなんで、水が溜まっておりまして……」

実は移動させるのも大変です、と言われた。

今となってはもう、細かい説明は、忘れてしまったのだが、
古いエアコンほど、水が流れ出ていきにくくなり、
機内に水が溜まる傾向になる。

その水を捨てるだけ捨てるとしても、全ては出し切れない。

で、この状態で、車に積んで移動させるとなると、
水がエアコンの電気系統の方へ逆流し、
引越先へついたときには、故障する可能性がある、という。

「もちろん、逆流しないように傾けながら移動してもらうようには、
引越会社さんに言ってもらえれば、ちゃんとそうしてくれるとは思いますが、
100%は保障できません。
また、今日、すぐにお取り付けせずに、
まる一日、水が中から少しでも出るように放置されてから、
お取り付けされたほうが、確実かと思われます」

おぉ……、なんと……。

せっかちな父親は、
「家電屋に電話して、今日買ったら、当日中に取り付けてもらえるか、
聞いてみろ!!」と言う。

一応電話したら、今のところは
当日取付工事可能だが、先着順なんで……と、
弱腰感満載のお答え。

どうする?どうする?誰が決断する?また私?

「今日、取り付けられないということは、
翌日来て、していただくということですよね。
その場合、別途料金が発生するということでしょうか?」

「いえ、それは大丈夫です」

「なら、これは、引越屋さんに持って行ってもらうんで、
明日取り付けてください。
幸いにも、まだ真夏じゃないし。とりあえず、持っていってもらいましょう」

こういう時、一番最悪な判断をするのは私だが、
たらい回しにケリをつける力があるのは、夫より上。

実際、荷物が新居に届いて、
エアコンを何処に取り付けるか、という話になったとき、

「……やっぱり、このエアコンをメインのLDや、
寝床の和室につけるのは、どうかと思う」

と、言い出され、
結果、エアコンを取り付ける予定のなかった、
洋服の間(ウォーキングクローゼットがあるので)と、
図書館(本棚をずらりと置いたので)に、
取り付けることにし、
LDと隣の和室は、
大きい一台のエアコンを買って、
なんとかしようということになった。

荷物運びが、一段落したとき、
電気系統がある部分の下に、
くるんでいた毛布で作った枕を置いて、傾けて、
まる一日、睡眠体勢となった、
夫の10年分の煙草で、
すっかり黄ばんだエアコン二台を見つめながら、

「結局、新しいエアコンも買うし、
エアコン二台分の、引越代金も支払うし、
一番お金のかかる選択をしてるんやなぁ……。
だからあたしに決断させると、
その場は収まるけど、トータル的に見ると、
一番最悪の決断をしているんやって。自分でもわかってるって」

と、常に泥をかぶらないように、
ポイントポイントを要領よくすり抜ける夫を、
なじるように見せかけて、自分をなじった。

最悪の決断は、まだつづく。

     ★

荷物運びが終わり、
ケーブルTVの工事が終わった頃には、
6時を回っていた。

母が作ってきてくれた、
赤飯のお弁当を、4人で食べる。

食べ終わると、元気ムクムク。テンションあげあげ。

くつろごうとする夫に、

「今からさぁ、家電屋へ行って、
エアコン買いに行かへん?
少しでも早く行ったほうがな、
設置工事してくれる日が早くなるんちゃう?」と、

たきつけた。

せっかちな父は、
「そうせい、そうせい」とはやし立てる。

で、今にもクマの置物のように、
じっとしそうな夫を、どすこいどすこいと起こして、
両親とお別れしてから、急げ、家電屋へ。

内心、エコポイントとご縁が出来るのも楽しみ、なんて思いながら。

で、ここでも夫は、
あるエアコンを押すだけ押して、決断は私にさせた。

んでもって、椅子に座って、
エアコンのメーカーの営業さんから、
説明を受けようとする段階になって、

「まぁ、ここのお店ひとつだけじゃなくて、
もう少し、近くの家電屋を見て、
同じ型のエアコンがいくらなのか、見て回ってもいいと思うけど」

なんて、夫、耳打ちしてくる。

困らせようとしているのではなく、
思いついた時に、自由に、
思いついたことを言うだけなのだ、彼は。

タイミングの悪い時に、選択肢を広げやがって。アホウ。

でも、その意見にしたって、
どーしても!、というSTOPではないのは
わかっているので、
「もう、契約してもいいよね?」と念を押し返すと、別に何もいわない。

結局契約成立。7月8日(水)の工事日決定。

「水曜日だったら、明日の朝、あちこち回って、決めてもよかったかも……」

なんてよぎったけど、見ないことにして。

気がつくと、型落ちのエアコンだし。
エコポイントがつかないのを選んでいたし。

ホント、定額給付金といい、
バラマキ政策の恩恵を受けない世帯として、
ぜひ表彰されたいものだ。

     ★

崩壊はもうひとつ続いた。

7月8日(水)に予定通りエアコンをつけてもらったのを機に、
LDに置かれていたダンボールは、すべて荷解きを終え、
見た目、部屋らしくなった。

とりあえず、リビングは、見た目カンペキ、と気持ちがすっきりした夜、
炊飯器が壊れた。
スイッチを、押しても押しても入らない。

エアコンといい、炊飯器といい、
なんで、引越の前に、
その兆候をみせなかったんだ、となじらずにはいられない。

明石では、
すぐ原因がわかって、
すぐ治してくれたので(詳細はここここ)、
もしかしたら、大丈夫かもと思い、
7月12日(日)に、
修理をお願いするつもりで家電屋さんに持ち込んだけど、
結局、説得されて、買い換えた。

こうなるのなら、
アトム(空気清浄機のこと。後日説明します)や、
トースター(落っことして、タイマーが普通に回らない)や、
固定電話(子機を前の引越で壊していて不便)を、
夫の会社(引越屋さんね)と業務提携をしている家電屋で、
お得感満載のお値段で(他人には言えないお得なお値段です)、
纏め買いしたほうが、よかったじゃないか。

なんで、引越には耐えられない、と言ってくれなかったんだ!(言わねーよ)

……いや、だからと言って、今更言われても困る。困るのですよ。

掃除機さんは、床をうっすら傷つけると判明したので、
めったに使わないようにして、寿命を延ばしている
(モップを使ってるわけやね)。

冷蔵庫さんや、レンジさんには、
「おはよ。今日も元気に頑張って!」と励ましている。

大阪から明石への引越の時の4年前に買った液晶テレビや、
明石から東大阪への3年前の引越に買ったPCには、
「もちろん、あんた達は、これからが勝負よ!」と、
脅迫している。

とにかく、もうこれ以上は避けたいので、
こうやって、
家電崩壊を食い止めている(つもりでいる)。

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