日々・ひび・ひひっ!

五行歌(一呼吸で読める長さを一行とした五行の歌)に関する話題を中心とした、稲田準子(いなだっち)の日々のこと。

仏滅に物入れたからね。

2009年07月04日 | 引っ越しな日々
引越しが、7月5日(日)になったのは、
大安だからだ。

私や夫は、そういうことは余り気にしないのだが、
私側の父親が、
「やってもやらんでもいいことは、やっとけ」
という人で、
それを断るほど、頑なな娘夫婦でもないので、
くらげのようなふやふや感で、その意見に流された。

     ★

引越しを明日に控えた、7月4日(土)の朝。

現在の自分ちから、引越し先のマンションまでの
往復が、
歩いて大体45分。いい目印。
いつの頃からか、余裕のある朝は、
その道のりをウォーキングするようになっていた。

このコースを歩くのも、
今日で最後だな、と思いつつ、
この日も、歩いた。

自分ちになるであろうベランダを横目に、
通り過ぎるとき、ふと、気になったことを思い出した。

昨日、軽くホコリでも掃きますか、と、
掃除道具を持って、
新居へ行ったのだが、
その時、インターフォンのところに、
『宅配便』のマークのところが点滅していたのだ。

はて?もう荷物が届いてるの?……思い当たらない。

一緒に来ていた母には、
「マンションの販売の人が、粗品でも入れてるんじゃない?」
なんて、口からでまかせで、答えてはいたけれど。

なんだか、急に気になって、
なんだか、荷物を開けたくなって。

もうすでに、私の家の鍵用のキーホルダーには、
新居の鍵もピカピカとついている。

Uターンして、マンションの入り口まで戻り、
オートロックの鍵穴に、鍵を入れたよ、開けゴマ。

     ★

明石へ引っ越したとき、
管理人さんも巻き込んで、大騒動になった、
『開かない集配ボックス』のことを思い出したりして。

もう、あの頃の私ではなくてよ!

昨日、取扱説明書でチェックした、
覚えたての暗証番号も、サスガ、間違うこともなく。むふふふ。

開け、ゴマ!

ぱっか~んと、一番小さな集配ボックスの扉が開いた。

中からでてきたのは、ドリップオンの、コーヒーの詰め合わせで、
予想通り、マンション販売会社からの粗品ではなかった。

先週、自分で申し込んだ、マイお中元だった。
……って、ことは、元の元の送り主は、自分じゃんか。……なんとあほなオチ。

     ★

明石から今の家に引っ越したとき、
移動に耐え切れなかったのか、
PCが壊れたり、
プロバイダと電話会社とのやり取りが、
イマイチ理解できなくて、
ほぼ1ヵ月、PC環境になかなか復帰できなかった。

特にプロバイダと、電話会社……。
殺意を持つほど、イライラした(例えばここ)。

今度、引越しするときは、
変えてやる!!と、心に決めていた。

そして、いよいよその時が来て。
早々に違うところと契約していて。

で、恨みつらみのあった、
プロバイダのところに溜まっていたポイントは、
精算しておこうと、
一週間ほど前の金曜日(結婚記念日やね)に、
このコーヒーの詰め合わせを頼んだのだ。

で、土曜日か日曜日に、メルチェをすると、
そのプロバイダから、
「確かにポイント精算の件、承りました」的な、
メールが届いていて。

ただ、気になる一文があった。
「商品によっては、お届けに2週間かかる場合があります」
という文章。

二週間後は、新宅。

郵便局なら、転居届を出している。
しかし、こういう荷物って、
クロネコか佐川と、相場は決まっているもので。

と、すると、どうすればいい……?と、考えた結果、
週明けに、先回りして、
プロバイダのカスタマーセンターに連絡して、
新居先の住所に、送り先を変更してもらっていたのだ。

……こんな風に、
自分的に気が利くことをしたときに限って、
徒労に終わるのよねぇ……。

二週間どころか、
おそらく、転居先の住所に変更したその日のうちに、
コーヒーの詰め合わせは滞りなく送付されたのだろう。

まだ主の住んでいないマンションへ、
主より先に着いたってことで。

どこまでも、私と呼吸の合わないプロバイダーだったと、
ため息が出た。

     ★

コーヒーの詰め合わせを持って、
そのまま、引越しのダンボールがひしめく我が家へ、
帰ってもよかったのだが、
何故かせっかくなのでという気持ちが湧いて、
新居の中へ。

廊下やキッチンなどに、すでに着いている照明を、
つけたり消したりして遊ぶ。

おそらく私が熊川哲也だったら、
このオプションでしてもらった、
ツルピカワックスのかかった、
何も置かれていない床で、くるくる回っていただろう。

おそらく私が体操選手の富田くんだったら(以下略)。

そんな、空想や妄想をひととおりして、
さて、帰ろうかという時、

「このコーヒーの詰め合わせ、置いていっちゃおうかなぁ~うふ」

と、考え出した。

どうせ、持って帰っても、
引越しの荷物が増えるだけ。あほらしいんとちゃうか、と思ったのだ。

宝探しごっこの『宝』を隠す遊びゴコロで、
キッチンの上の戸棚へ仕舞う。

     ★

「あぁ、私が熊川哲也だったり、富田くんでなくてよかったなぁ。
つい面白がって、飛んだり跳ねたりしていたら、
引っ越す前から、床を傷つけるとこだったかも。
あぁ、よかった。あぶなかったなぁ~」

と、これまた、アホらしい安堵をしながら、
帰路について、
家に帰ってからしばらくして、
ふと、どうして、明日が引越日だったのか、思い出して、
ひゃ!っとした。

明日が引越なのは、明日が大安だからだ。
大安の日に荷物を入れるのは、縁起がいいからだ。

じゃあ今日は……?

明日初めて、引越の荷物を入れなきゃいけないってことは、
今日、荷物を入れないほうがいいってことなんじゃない?

縁起担ぎまくり男の、父の顔がよぎる。

もう一度新宅へ、コーヒーの詰め合わせを取りに戻るなんて事は、
考えられない。

「まぁ、でも、『先勝』だったらいいんじゃない?」

縁起を気にしていたわけではなく、
いざ、流されて、大安にこだわった引越日にすると、
そのことに対する『完璧さ』を求めたがる本能が、
フォローしたがる。

確か、自分のスケジュール帳に、書いてあったよな、と思って、
パラパラパラっとめくってみると、
7月4日は、『仏滅』だった。

もしも『大安』に引越ができないのなら、
『大安』に、何かひとつ、荷物を入れなさい、と、いう。

じゃあ、『仏滅』は……?
『仏滅』に荷物をひとつ入れるのは、なんか言われてるの?

……って、ところで、私はだんだん、自分にウケて笑った。

よりによって、狙ってもいないのに、
『仏滅』に入れるなんて!

なんて、天然のツボを知っているんだろう!!
チョーウケるんですけどー!!

この天然のボケ具合。天才かも(笑)

このことは、誰にも言わないことにした。

     ★

引越当日の7月5日(日)。
私は心の中で、何かあるたびに、

「仏滅に物を入れたからね」

で、済ました。

二台あるエアコンに水が溜まってて、
即、つけられなくても(この話は後日アップ予定)

「仏滅に物を入れたからね」

ギリギリまで掃除をしたせいで、
自分とこの車で、掃除機は持っていくつもりでいたのに、
うっかり忘れたって、

「仏滅に物を入れたからね」

夕方の、ちょうどお腹がすいた時間帯に、
ケーブルテレビの人が来て、
電話の工事や、PC環境を一生懸命
整えてくれている、変な沈黙の間の時に、
グゥゥゥっと、お腹がなって赤面しても、

「仏滅に物入れたからね」

ただ、
引越の荷物を積んだトラックが去って、
もう少し、後処理として、
掃除をしようと残った私と夫に対し、
手伝いに来ていた父が、

「俺は先に新居のところへ行っとくで。
塩まいとくんや、塩!」

と言ったときは、

「すでに仏滅に物入れたからね。……そのお清めは間に合うんだろうか」

と、チクチク思ってたりしたけれど。

まぁでも。

用は、どう解釈するかってことだよね。

仏滅の翌日は、大安。
よーく覚えておきましょう(笑)

こんな感じで、
引越の後半戦。

荷解きの日々が始まっていきましたとさ。

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