引越しが、7月5日(日)になったのは、
大安だからだ。
私や夫は、そういうことは余り気にしないのだが、
私側の父親が、
「やってもやらんでもいいことは、やっとけ」
という人で、
それを断るほど、頑なな娘夫婦でもないので、
くらげのようなふやふや感で、その意見に流された。
★
引越しを明日に控えた、7月4日(土)の朝。
現在の自分ちから、引越し先のマンションまでの
往復が、
歩いて大体45分。いい目印。
いつの頃からか、余裕のある朝は、
その道のりをウォーキングするようになっていた。
このコースを歩くのも、
今日で最後だな、と思いつつ、
この日も、歩いた。
自分ちになるであろうベランダを横目に、
通り過ぎるとき、ふと、気になったことを思い出した。
昨日、軽くホコリでも掃きますか、と、
掃除道具を持って、
新居へ行ったのだが、
その時、インターフォンのところに、
『宅配便』のマークのところが点滅していたのだ。
はて?もう荷物が届いてるの?……思い当たらない。
一緒に来ていた母には、
「マンションの販売の人が、粗品でも入れてるんじゃない?」
なんて、口からでまかせで、答えてはいたけれど。
なんだか、急に気になって、
なんだか、荷物を開けたくなって。
もうすでに、私の家の鍵用のキーホルダーには、
新居の鍵もピカピカとついている。
Uターンして、マンションの入り口まで戻り、
オートロックの鍵穴に、鍵を入れたよ、開けゴマ。
★
明石へ引っ越したとき、
管理人さんも巻き込んで、大騒動になった、
『開かない集配ボックス』のことを思い出したりして。
もう、あの頃の私ではなくてよ!
昨日、取扱説明書でチェックした、
覚えたての暗証番号も、サスガ、間違うこともなく。むふふふ。
開け、ゴマ!
ぱっか~んと、一番小さな集配ボックスの扉が開いた。
中からでてきたのは、ドリップオンの、コーヒーの詰め合わせで、
予想通り、マンション販売会社からの粗品ではなかった。
先週、自分で申し込んだ、マイお中元だった。
……って、ことは、元の元の送り主は、自分じゃんか。……なんとあほなオチ。
★
明石から今の家に引っ越したとき、
移動に耐え切れなかったのか、
PCが壊れたり、
プロバイダと電話会社とのやり取りが、
イマイチ理解できなくて、
ほぼ1ヵ月、PC環境になかなか復帰できなかった。
特にプロバイダと、電話会社……。
殺意を持つほど、イライラした(例えばここ)。
今度、引越しするときは、
変えてやる!!と、心に決めていた。
そして、いよいよその時が来て。
早々に違うところと契約していて。
で、恨みつらみのあった、
プロバイダのところに溜まっていたポイントは、
精算しておこうと、
一週間ほど前の金曜日(結婚記念日やね)に、
このコーヒーの詰め合わせを頼んだのだ。
で、土曜日か日曜日に、メルチェをすると、
そのプロバイダから、
「確かにポイント精算の件、承りました」的な、
メールが届いていて。
ただ、気になる一文があった。
「商品によっては、お届けに2週間かかる場合があります」
という文章。
二週間後は、新宅。
郵便局なら、転居届を出している。
しかし、こういう荷物って、
クロネコか佐川と、相場は決まっているもので。
と、すると、どうすればいい……?と、考えた結果、
週明けに、先回りして、
プロバイダのカスタマーセンターに連絡して、
新居先の住所に、送り先を変更してもらっていたのだ。
……こんな風に、
自分的に気が利くことをしたときに限って、
徒労に終わるのよねぇ……。
二週間どころか、
おそらく、転居先の住所に変更したその日のうちに、
コーヒーの詰め合わせは滞りなく送付されたのだろう。
まだ主の住んでいないマンションへ、
主より先に着いたってことで。
どこまでも、私と呼吸の合わないプロバイダーだったと、
ため息が出た。
★
コーヒーの詰め合わせを持って、
そのまま、引越しのダンボールがひしめく我が家へ、
帰ってもよかったのだが、
何故かせっかくなのでという気持ちが湧いて、
新居の中へ。
廊下やキッチンなどに、すでに着いている照明を、
つけたり消したりして遊ぶ。
おそらく私が熊川哲也だったら、
このオプションでしてもらった、
ツルピカワックスのかかった、
何も置かれていない床で、くるくる回っていただろう。
おそらく私が体操選手の富田くんだったら(以下略)。
そんな、空想や妄想をひととおりして、
さて、帰ろうかという時、
「このコーヒーの詰め合わせ、置いていっちゃおうかなぁ~うふ」
と、考え出した。
どうせ、持って帰っても、
引越しの荷物が増えるだけ。あほらしいんとちゃうか、と思ったのだ。
宝探しごっこの『宝』を隠す遊びゴコロで、
キッチンの上の戸棚へ仕舞う。
★
「あぁ、私が熊川哲也だったり、富田くんでなくてよかったなぁ。
つい面白がって、飛んだり跳ねたりしていたら、
引っ越す前から、床を傷つけるとこだったかも。
あぁ、よかった。あぶなかったなぁ~」
と、これまた、アホらしい安堵をしながら、
帰路について、
家に帰ってからしばらくして、
ふと、どうして、明日が引越日だったのか、思い出して、
ひゃ!っとした。
明日が引越なのは、明日が大安だからだ。
大安の日に荷物を入れるのは、縁起がいいからだ。
じゃあ今日は……?
明日初めて、引越の荷物を入れなきゃいけないってことは、
今日、荷物を入れないほうがいいってことなんじゃない?
縁起担ぎまくり男の、父の顔がよぎる。
もう一度新宅へ、コーヒーの詰め合わせを取りに戻るなんて事は、
考えられない。
「まぁ、でも、『先勝』だったらいいんじゃない?」
縁起を気にしていたわけではなく、
いざ、流されて、大安にこだわった引越日にすると、
そのことに対する『完璧さ』を求めたがる本能が、
フォローしたがる。
確か、自分のスケジュール帳に、書いてあったよな、と思って、
パラパラパラっとめくってみると、
7月4日は、『仏滅』だった。
もしも『大安』に引越ができないのなら、
『大安』に、何かひとつ、荷物を入れなさい、と、いう。
じゃあ、『仏滅』は……?
『仏滅』に荷物をひとつ入れるのは、なんか言われてるの?
……って、ところで、私はだんだん、自分にウケて笑った。
よりによって、狙ってもいないのに、
『仏滅』に入れるなんて!
なんて、天然のツボを知っているんだろう!!
チョーウケるんですけどー!!
この天然のボケ具合。天才かも(笑)
このことは、誰にも言わないことにした。
★
引越当日の7月5日(日)。
私は心の中で、何かあるたびに、
「仏滅に物を入れたからね」
で、済ました。
二台あるエアコンに水が溜まってて、
即、つけられなくても(この話は後日アップ予定)
「仏滅に物を入れたからね」
ギリギリまで掃除をしたせいで、
自分とこの車で、掃除機は持っていくつもりでいたのに、
うっかり忘れたって、
「仏滅に物を入れたからね」
夕方の、ちょうどお腹がすいた時間帯に、
ケーブルテレビの人が来て、
電話の工事や、PC環境を一生懸命
整えてくれている、変な沈黙の間の時に、
グゥゥゥっと、お腹がなって赤面しても、
「仏滅に物入れたからね」
ただ、
引越の荷物を積んだトラックが去って、
もう少し、後処理として、
掃除をしようと残った私と夫に対し、
手伝いに来ていた父が、
「俺は先に新居のところへ行っとくで。
塩まいとくんや、塩!」
と言ったときは、
「すでに仏滅に物入れたからね。……そのお清めは間に合うんだろうか」
と、チクチク思ってたりしたけれど。
まぁでも。
用は、どう解釈するかってことだよね。
仏滅の翌日は、大安。
よーく覚えておきましょう(笑)
こんな感じで、
引越の後半戦。
荷解きの日々が始まっていきましたとさ。
大安だからだ。
私や夫は、そういうことは余り気にしないのだが、
私側の父親が、
「やってもやらんでもいいことは、やっとけ」
という人で、
それを断るほど、頑なな娘夫婦でもないので、
くらげのようなふやふや感で、その意見に流された。
★
引越しを明日に控えた、7月4日(土)の朝。
現在の自分ちから、引越し先のマンションまでの
往復が、
歩いて大体45分。いい目印。
いつの頃からか、余裕のある朝は、
その道のりをウォーキングするようになっていた。
このコースを歩くのも、
今日で最後だな、と思いつつ、
この日も、歩いた。
自分ちになるであろうベランダを横目に、
通り過ぎるとき、ふと、気になったことを思い出した。
昨日、軽くホコリでも掃きますか、と、
掃除道具を持って、
新居へ行ったのだが、
その時、インターフォンのところに、
『宅配便』のマークのところが点滅していたのだ。
はて?もう荷物が届いてるの?……思い当たらない。
一緒に来ていた母には、
「マンションの販売の人が、粗品でも入れてるんじゃない?」
なんて、口からでまかせで、答えてはいたけれど。
なんだか、急に気になって、
なんだか、荷物を開けたくなって。
もうすでに、私の家の鍵用のキーホルダーには、
新居の鍵もピカピカとついている。
Uターンして、マンションの入り口まで戻り、
オートロックの鍵穴に、鍵を入れたよ、開けゴマ。
★
明石へ引っ越したとき、
管理人さんも巻き込んで、大騒動になった、
『開かない集配ボックス』のことを思い出したりして。
もう、あの頃の私ではなくてよ!
昨日、取扱説明書でチェックした、
覚えたての暗証番号も、サスガ、間違うこともなく。むふふふ。
開け、ゴマ!
ぱっか~んと、一番小さな集配ボックスの扉が開いた。
中からでてきたのは、ドリップオンの、コーヒーの詰め合わせで、
予想通り、マンション販売会社からの粗品ではなかった。
先週、自分で申し込んだ、マイお中元だった。
……って、ことは、元の元の送り主は、自分じゃんか。……なんとあほなオチ。
★
明石から今の家に引っ越したとき、
移動に耐え切れなかったのか、
PCが壊れたり、
プロバイダと電話会社とのやり取りが、
イマイチ理解できなくて、
ほぼ1ヵ月、PC環境になかなか復帰できなかった。
特にプロバイダと、電話会社……。
殺意を持つほど、イライラした(例えばここ)。
今度、引越しするときは、
変えてやる!!と、心に決めていた。
そして、いよいよその時が来て。
早々に違うところと契約していて。
で、恨みつらみのあった、
プロバイダのところに溜まっていたポイントは、
精算しておこうと、
一週間ほど前の金曜日(結婚記念日やね)に、
このコーヒーの詰め合わせを頼んだのだ。
で、土曜日か日曜日に、メルチェをすると、
そのプロバイダから、
「確かにポイント精算の件、承りました」的な、
メールが届いていて。
ただ、気になる一文があった。
「商品によっては、お届けに2週間かかる場合があります」
という文章。
二週間後は、新宅。
郵便局なら、転居届を出している。
しかし、こういう荷物って、
クロネコか佐川と、相場は決まっているもので。
と、すると、どうすればいい……?と、考えた結果、
週明けに、先回りして、
プロバイダのカスタマーセンターに連絡して、
新居先の住所に、送り先を変更してもらっていたのだ。
……こんな風に、
自分的に気が利くことをしたときに限って、
徒労に終わるのよねぇ……。
二週間どころか、
おそらく、転居先の住所に変更したその日のうちに、
コーヒーの詰め合わせは滞りなく送付されたのだろう。
まだ主の住んでいないマンションへ、
主より先に着いたってことで。
どこまでも、私と呼吸の合わないプロバイダーだったと、
ため息が出た。
★
コーヒーの詰め合わせを持って、
そのまま、引越しのダンボールがひしめく我が家へ、
帰ってもよかったのだが、
何故かせっかくなのでという気持ちが湧いて、
新居の中へ。
廊下やキッチンなどに、すでに着いている照明を、
つけたり消したりして遊ぶ。
おそらく私が熊川哲也だったら、
このオプションでしてもらった、
ツルピカワックスのかかった、
何も置かれていない床で、くるくる回っていただろう。
おそらく私が体操選手の富田くんだったら(以下略)。
そんな、空想や妄想をひととおりして、
さて、帰ろうかという時、
「このコーヒーの詰め合わせ、置いていっちゃおうかなぁ~うふ」
と、考え出した。
どうせ、持って帰っても、
引越しの荷物が増えるだけ。あほらしいんとちゃうか、と思ったのだ。
宝探しごっこの『宝』を隠す遊びゴコロで、
キッチンの上の戸棚へ仕舞う。
★
「あぁ、私が熊川哲也だったり、富田くんでなくてよかったなぁ。
つい面白がって、飛んだり跳ねたりしていたら、
引っ越す前から、床を傷つけるとこだったかも。
あぁ、よかった。あぶなかったなぁ~」
と、これまた、アホらしい安堵をしながら、
帰路について、
家に帰ってからしばらくして、
ふと、どうして、明日が引越日だったのか、思い出して、
ひゃ!っとした。
明日が引越なのは、明日が大安だからだ。
大安の日に荷物を入れるのは、縁起がいいからだ。
じゃあ今日は……?
明日初めて、引越の荷物を入れなきゃいけないってことは、
今日、荷物を入れないほうがいいってことなんじゃない?
縁起担ぎまくり男の、父の顔がよぎる。
もう一度新宅へ、コーヒーの詰め合わせを取りに戻るなんて事は、
考えられない。
「まぁ、でも、『先勝』だったらいいんじゃない?」
縁起を気にしていたわけではなく、
いざ、流されて、大安にこだわった引越日にすると、
そのことに対する『完璧さ』を求めたがる本能が、
フォローしたがる。
確か、自分のスケジュール帳に、書いてあったよな、と思って、
パラパラパラっとめくってみると、
7月4日は、『仏滅』だった。
もしも『大安』に引越ができないのなら、
『大安』に、何かひとつ、荷物を入れなさい、と、いう。
じゃあ、『仏滅』は……?
『仏滅』に荷物をひとつ入れるのは、なんか言われてるの?
……って、ところで、私はだんだん、自分にウケて笑った。
よりによって、狙ってもいないのに、
『仏滅』に入れるなんて!
なんて、天然のツボを知っているんだろう!!
チョーウケるんですけどー!!
この天然のボケ具合。天才かも(笑)
このことは、誰にも言わないことにした。
★
引越当日の7月5日(日)。
私は心の中で、何かあるたびに、
「仏滅に物を入れたからね」
で、済ました。
二台あるエアコンに水が溜まってて、
即、つけられなくても(この話は後日アップ予定)
「仏滅に物を入れたからね」
ギリギリまで掃除をしたせいで、
自分とこの車で、掃除機は持っていくつもりでいたのに、
うっかり忘れたって、
「仏滅に物を入れたからね」
夕方の、ちょうどお腹がすいた時間帯に、
ケーブルテレビの人が来て、
電話の工事や、PC環境を一生懸命
整えてくれている、変な沈黙の間の時に、
グゥゥゥっと、お腹がなって赤面しても、
「仏滅に物入れたからね」
ただ、
引越の荷物を積んだトラックが去って、
もう少し、後処理として、
掃除をしようと残った私と夫に対し、
手伝いに来ていた父が、
「俺は先に新居のところへ行っとくで。
塩まいとくんや、塩!」
と言ったときは、
「すでに仏滅に物入れたからね。……そのお清めは間に合うんだろうか」
と、チクチク思ってたりしたけれど。
まぁでも。
用は、どう解釈するかってことだよね。
仏滅の翌日は、大安。
よーく覚えておきましょう(笑)
こんな感じで、
引越の後半戦。
荷解きの日々が始まっていきましたとさ。