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つばめプロのブログ

映像制作会社つばめプロのメンバーが、日々の出来事や自然への思いなどをつづります。

タイの里山 スキハシコウ

2025-08-31 19:24:11 | Weblog
 数年前に埼玉の荒川流域の田んぼでスクミリンゴガイ(外来種)の卵塊をたくさん見かけました。卵塊の色はピンク色ですぐに分かります。スクミリンゴガイの主食は柔らかな草。稲も大好物で、植えたばかりの苗をどんどん食べていきます。もし、スクミリンゴガイが大発生すれば、稲の生育に影響があることは確かです。タイにはスクミリンゴガイを好んで食べてくれるスキハシコウがいますが、日本では誰が食べてくれるのでしょう? タイも日本もお米の国。タイの里山から日本が学ぶこともあるはずです。

 〇制作に携わった番組の放送のお知らせです。
  NHK ワイルドライフ「タイの里山 スキハシコウ 大集団の子育てを追う」9月1日(月)夜7時30分~ BS


 
  コロニーを形成し、大集団で繁殖するスキハシコウ。タイではちょうど今の時期にコロニーを作り始めます

 
  スキハシコウを守っている森ではスキハシコウを観察する塔があり、そこからスキハシコウの子育てをまじかで見ることができます

 
  スキハシコウの天敵・ミズオオトカゲ。巨体なのに木登りが得意で、スキハシコウの最大の天敵

 
  タイの中央部を流れるチャオプラヤー川。この川の流域にスキハシコウのコロニーがいくつもある

 
  スキハシコウ、その名の通り、すきまがある奇妙なくちばし。それはどうして?と思ったのが、取材のきっかけです

 
  上手に巻貝(スクミリンゴガイ)の蓋を取り、中身を取り出すスキハシコウ。遠くから見ているのとは違い、じつはものすごく警戒心が強い。
 ブラインドを張り、待つこと数日。ここまでアップで撮影できたのは、一回のみでした

 
  スキハシコウのくちばしがカーブしていることを発見したのはディレクターのSさん。そういえば、スクミリンゴガイのほとんどは巻き方が一定している。
  Sさんの鋭い洞察力によってさらにスキハシコウのくちばしの秘密を解明できました

 
  ほぼ巻き方が同じスクミリンゴガイ

 
  巻貝だけでなく、二枚貝もスキハシコウは大好物。でも、固く殻を閉じる二枚貝にはスキハシコウも苦戦していました

 

 
  日陰をつくり、撮影に挑むカメラマンのSさんと音声メカニックのHさん。日本も暑いけれど、タイも暑い。でも、タイは日差しは強いが空気が乾燥していてカラッとしているので、日陰さえあれば過ごしやすい。最近、日本の暑さが「災害級」と言われてますが、本当にその通りです

 
  タイの各地を巡り長期間に及んだタイでの取材も今日で最後。スタッフ一同、印象に残った生きものの姿をまねて記念撮影。
  スキハシコウ、コウモリ、ミズオオトカゲ、カニクイザル・・・。
  たくさんの方々にお世話になり、スタッフみんなで力を合わせて取材撮影した、楽しいタイでのロケでした





  












  
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富士山麓 山中湖の森

2025-08-26 21:20:02 | Weblog
 父の勤めていた会社の保養所が山中湖畔にあったこともあり、幼い頃から山中湖周辺の森に親しんできました。お目当ては、もちろん東京板橋では見られないミヤマクワガタやアカアシクワガタ。捕まえたときは嬉しくて嬉しくて、それは天にも昇る気持ちでした。

 写真を始めた高校生時代は、バイクを駆って山中湖周辺の森に出かけました。森ではアカハラやクロツグミが囀り、森が途切れた草むらにはアカモズが普通にいました。あの頃を知る私にとって、今は別世界。時代とともに自然の環境も変わっていくのを目の当たりにしています。でも、それはそれ。今も森に入れば新緑が眩いばかりに光り輝き、オオルリやキビタキが美声を響かせています。一生懸命に子育てに励む生きものたちに「がんばれ!」とエールを送る日々でした。

 〇制作に携わった番組の放送のお知らせです。
  NHK さわやか自然百景「富士山麓 山中湖の森」 8月24日(日)朝7時45分~総合

 
 富士山と山中湖を一望できる大平山の山頂から。

 
 じっと卵を抱くオオルリのメス。巣作りから産卵、そして抱卵。一か月間ちかいそれらをすべてメスが独りで行う。なかでも大変なのは抱卵。二週間ほど独りで卵を抱き続けるのは容易ではない。突然アオダイショウやテンなどの天敵に襲われるかもしれない。あるいは最近の滝のような豪雨で巣が卵ごと流されてしまうかもしれない。そんな恐怖ともたたかうメス。遠くからメスを見守る私たちも、巣の中にメスの姿があることを祈る日々でした。

 
 私の大好きなオオルリ(画像はオス)。巣作りから抱卵はすべてメスが行い、体色が瑠璃色で目立つオスは、天敵に巣が見つからないようにヒナが生まれるまでは一切巣には近づかない。
 そして、オスは、ヒナが生まれると、真っ先に「長い間よく頑張ったね!」と生まれたばかりのヒナを抱くメスに食べ物を運ぶ。
 きっと離れた木の梢から卵を抱くメスをじっと見守っていたのですね。
 そんな親鳥の愛情に包まれてすくすくと成長していくヒナたち。今は親鳥に負けないくらい森の中を飛び回っていることでしょう。












 
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ヤモリのすみか

2025-08-14 23:14:18 | Weblog
 私の祖父が大工で、父も造作などを得意としていたので、私も何事も興味津々DIYにチャレンジしています。今年は単管パイプで小屋を作ってみたり、土間コンクリートを打設してみたりしましたが、最近自分でやってみたエアコンの設置はなかなかハードルが高かったです。でも、自分でやってみることは、まず特性や仕組みを知ることから始まるので、何事もとても勉強になります。

 エアコンの室外機と室内機を結ぶホースのカバーを外してみたら、何と!カバーの内側にヤモリの卵がびっしり。いったい我が家のヤモリはどこで卵を産んでいるのか、まったくわかりませんでしたが、長年の謎がやっと解けました。一時、ヤモリたちを驚かせてしまいましたが、また元通りに設置しましたので、これからも安心して我が家に住み続けてほしいと思います。

 

 孵化した卵の数を数えたら100個以上。数年前にタイで見たトッケイヤモリの産卵姿が蘇ってきました。
















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城西大学「高麗川物語」

2025-06-17 21:49:40 | Weblog
 まだ6月というのにこの暑さ。最近は、涼しいところに避難していますが、暑さは追うようにやってきます。いったいどこに避難したらこの暑さから逃れられるのでしょう?
私が思い浮かぶのは、ロシアの北極海沿岸ですが、最近は、ここも夏は信じられないくらい暑いらしい。早く秋が来ないかなあ~と思う毎日です。

 
 富士山にももうほとんど雪がありません。今年は雪も少なかったなあ・・・。


 
 城西大学創立60周年を記念して、展覧会「高麗川物語」が9月8日から11月9日まで開催されます。城西大学は埼玉県西部を流れる高麗川のほとりにあります。高麗川とともに歩んできた城西大学。高麗川に寄せる想いは熱いものがあります。










 
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富士山麓 穴を巡る生きものたちの攻防

2025-05-02 21:23:43 | Weblog
 森や林を歩くたびに木の穴やウロを見つけると「この穴は誰が掘ったのかなあ」とか「今、誰が使っているんだろう」と思ってしまいます。私たちにとって家はとても大切ですが、生きものたちも同じです。子ども育てたり、休む場所やねぐらに使ったり。せっかくいい穴を見つけても木が強風で倒れてしまったり、他の生きものに奪われたり。自然界に安住の地はほとんどない、と言っても過言ではありません。家という視点から生きものたちの暮らしを見つめ、私たちの日ごろの暮らしを考えてみるのも大切ではないかと思います。

 ☆制作に携わった番組のお知らせです。
  NHK「ダーウィンが来た! 富士山麓 穴を巡る生きものたちの攻防」 5月4日(日)夜7時30分~ 総合(放送予定)

 
 子育て中のアカゲラ。穴堀りの名人と言えばキツツキたち。多くの穴はキツツキたちが掘り、それを後にたくさんの生き物ものたちが利用しているので、キツツキたちはまさに森の大工、名工です。

 
 富士山麓の森には主にアカゲラ、アオゲラ、コゲラなどのキツツキが暮らしています。キツツキたちは春先から巣穴のための穴を掘り始めますが、それはいわゆる新築物件で巣穴としては最高です。だから掘り始めから早くも狙いをつけて(奪うため)やってくる鳥たちがいて、壮絶なバトルが展開します。

 
 家と言えば、今回の撮影でお世話になったのが御師の家。2013年に「信仰の対象と芸術の源泉」としての価値が認められ、世界文化遺産に登録された富士山ですが、平安時代後期から多くの修験者が富士山に集うようになったそうです。その修験者たちを迎え入れてきたのが御師(おし)。御師とは富士山を信仰する人たちへ自宅を宿泊所として提供しながら登山の準備や食事の提供、信仰者に代わって祈りをささげるなど一切合切のお世話をする人々のことを言います。私たちも縁あってこの御師の家には大変お世話になりました。自然だけではなく、歴史文化としての富士山にも触れることが出来て貴重な体験をさせていただきました。

 

 
 代々受け継がれ修験者たちを迎い入れてきた富士吉田市内にある御師の家。










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友人に会いに韓国へ

2025-04-28 22:13:20 | Weblog
 GWの期間中は道路がとても混雑するため、必然的に早起きして出かけることになります。何処へ行くにせよ、この時期の早朝は少し気温が低めでひんやりしていて気持ちがいいです。

 今月のはじめに韓国に行ってきました。会いたい人を訪ねた場所は、ソウルから一時間ほどの街アンサン。韓国にいるのに私は日本語とロシア語を話し、ガイドさんは韓国語と日本語を話し、会いたい人たちは韓国語とロシア語を話すという不思議な時間。3つの言語が飛び交い、さらに次から次へと出会いがあるスピーディな展開に「まるで映画の世界を見ているようです」とガイドさん。洗練された現代の若き女性ガイドさんは予想もしない展開に驚き、そしてそれをとても喜び、楽しんでくれてよかったです。会いたい人にも会え、新たな出会いもたくさんあり、有意義なひと時でした。


 
ソウルから一時間ほどの街アンサン

 
 ロシアで5年間私の専属通訳をしてくれたビーチャとニーナ夫妻としばらく連絡が取れなかったので、何の前触れもなく、いきなりの訪問。
 ピンポンを押して玄関のドアが開き「Privet!(やあ!)」の私に全く驚きもせず笑顔で「Zakhodite(お入りなさい)」とニーナ。
 居間の真ん中に30数年前に私が二人を撮影した写真が飾られていました。

 
 ビーチャとニーナ夫妻。ロシア・ユジノサハリンスク郊外で。1991年9月 

 
 左ビーチャ 右ニーナ サハリン南のトンナイチャ湖で。1991年9月

 
 友人たちと船上で。左私 ビーチャ前列左 サハリンの港ホルムスクで。1991年8月
 いつ、どこへ行くのにも二人は一緒でした。





 



 

 

 

 
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埼玉 元荒川

2025-04-09 22:20:39 | Weblog
 寒い季節もようやく終わり。でも、最近の暑い日々にはこりごりの私は、寒い季節が一番好き。これからあの暑い日々がやってくるかと思うと、気が重たくなります。
 我が家の桜(枝垂桜)もそろそろ満開。お花見でせめて短い春を楽しむことにします。

 

 〇制作に携わった番組放送のご案内です。
  NHK さわやか自然百景 「埼玉 元荒川」4月13日(日)朝7時45分~ 総合

 

 川沿いの桜が見事な元荒川。暮らしの喧騒を忘れさせてくれる桃源郷のような世界でした!







 

 
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日光 戦場ヶ原

2025-01-31 19:47:54 | Weblog
 高校生の時、バイクで栃木県日光の戦場ヶ原に行ったことがあります。125ccのバイクなので、ずっと下道を走り、半日ほどかかった記憶があります。戦場ヶ原は山々に囲まれた広大な湿原で、行ったのは6月だったので、背の低い灌木の上でノビタキやホオアカが美しいさえずりを響かせているのを目の前で見られました。今回の取材は、新緑の季節とはガラッと変わり、秋から冬でしたが、美しい紅葉や、雪景色の静けさの中に生きものたちの鼓動を感じて、味わい深い日光戦場ヶ原でした。


 ☆制作に携わった番組のお知らせです。
  NHK さわやか自然百景「日光 戦場ヶ原」 2月2日(日)朝7時45分~総合


 
 山々に囲まれ湿原が広がる日光戦場ヶ原。奥の山は男体山

 
 ズミが大豊作で、たくさんの実をつけていました

 
 鳥やサルが落としたズミの実を夢中で食べるキツネ(アカギツネ)。リンゴ属のズミの実はとても美味しいようで、多くの動物、野鳥が食べていました

 
 オス同士がメスを巡り激しく争うマガモ。毎年少数が繁殖しているそうです

 
 中禅寺湖畔にあるトンカツ浅井(浅井精肉店)のこちらはソースカツ定食(絶品!)。予約すればお弁当も作ってくれるので、撮影に忙しい僕らは大助かりでした!









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「かすみの秘球」

2024-11-08 21:28:40 | Weblog
 以前、日本の投手の投げ方の優秀性について書いたことがあります。その優秀性が世界に知れ渡り、ついにヤンキースのルーク・ウィーバー投手に代表される見事な腕のループを描く投手が台頭してきました。おそらく、MLBで活躍した長谷川滋利投手や上原浩治投手、田中将大投手などのフォームを学んできたのでしょう。この10年で野球界の投手の進化は目覚ましいものがあり、打者はそれに追いついていません。MLBでも日本の野球でも3割バッターの激減がそれを顕著に物語っています。そして、今、岩崎優投手の魔球の秘密が解明され、多くの投手がそれを習得すれば、さらに打者の苦難の時代がくるはずです。何と言っても「誰も打てない魔球」なのですから。

 「誰も打てない魔球」そんなものがあるはずはない、と思われる方がほとんどだと思いますが、「誰も打てない魔球」は存在します。おそらくそれは、実体験をしないと分からないかもしれません。私は、下手くそなアマチュア野球選手でしたが、一度だけ「誰も打てない魔球」を体験しています。それは、プロレベルの剛速球でも変化球でもなく、草野球の中で素人が投げた球で、です。この素人が投げた球の感覚をバッターだった私は今も鮮明に覚えています。その時の感覚は「何だ、今の球(投げ方)は?」です。そして咄嗟にこう思いました。これは打てない! 私にとってはまさに魔球。その、私の生涯でただ一度だけ体験した不思議な感覚の魔球が、半世紀も前に漫画になっていたんです。

 
 「黒い秘密兵器」 一峰大二・画 福本和也・原作 (講談社・少年マガジン 昭和38年~40年)

 私は小学生から野球少年で、「巨人の星」で育ちましたから、星飛雄馬投手(巨人の星)や二宮光投手(ちかいの魔球)の消える魔球はすごいと思いましたが、球が消えるのは現実的ではありません。「黒い秘密兵器」の椿林太郎投手が編み出す秘球もすごいですが、それもやはり漫画の世界。ところが、椿投手が最後に編み出してきた「かすみの秘球」だけは現実にあっても不思議ではありません。そうです、この椿投手の「かすみの秘球」こそ、感覚的そして理論的には私が遭遇した投法(球)、そして岩崎優投手の投法に近いのです。

 
  「かすみの秘球」黒い秘密兵器(秋田書店)第8巻より

 野球はプレイボールの瞬間は投手がボールを持っています。だから投手は守りと言ってもじつは攻めなんですよね。現代のハイレベルな野球の中で投手を支えているのは変化球です。でも、本来、人間の投げ方に変化球は想定されていません。だから多くのピッチャーは肩や肘を痛めてしまいます。でも、岩崎投手の魔球はストレートです。140kmのストレートでも打たれないのですから、これこそ理想です。この「絶対打たれない球」の習得には、私の想像ですが、幼い頃からの投げ方の練習はもちろん、投げる人の身体能力やインテリジェンス、そしてまずはご両親、特にお父さんが野球というスポーツにこの「絶対に打たれない球」「誰も打てない魔球」が存在するという認識のもとに出来ればキャッチボールの相手ではなくバッターとして相対さねばならないと思います。魔球を駆使する岩崎投手が、どのようにしてあの秘球を編み出したのか、ぜひ知りたいです。






 

  
 

 
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解明されつつある岩崎投手の秘密

2024-10-26 21:33:49 | Weblog
 ネットでこんな記事を見つけました。「藤浪独占インタビュー(1)永遠に打たれないピッチャーです 米国で気づいた岩崎優のすごさ」。
  (スポニチ Sponichi Anenx 野球 より)

 3Aメッツ傘下の藤浪晋太郎投手。このインタビューの中で、米国では投手の能力を科学的に数値化する「VAA」(バーティカルアプローチアングル」というデータ数値指標があるそうですが、「岩崎投手はこの指標に当てはめれば永遠に打たれないピッチャー」と語られています。あの大谷翔平選手でさえ「永遠に打たれない投手」と表現されたことは無いと思います。阪神タイガースの元同僚でありメジャーを経験した藤浪投手から「永遠に打たれない投手」と評される岩崎投手。すごくないですか。

 2013年ドラフト6位の岩崎優投手をスカウトしたのは、阪神タイガースの中尾孝義スカウト(当時)。東都大学2部リーグの無名の投手だった岩崎投手を中尾さんはこう評しています。「打ちづらいという要素とコントロールさえあれば十分戦力になる。その代表格が岩崎投手。今は(ストレートの球速が)135km前後だが、140kmを出せるようになったら誰も打てないですよ」。 また出てきました。驚くべき言葉が。「誰も打てない」。そんな投手は本来いるはずがないのだからよほどのことがない限りこんなことは言えないのに、現役バリバリの投手から、プロのスカウトから、「永遠に打たれない」「絶対に打たれない」と言わしめる岩崎優投手とは何者なのでしょう。

 数値の話でもう一つ。ミサイルを追尾するドップラーレーダーの技術をもとにデンマークの企業が開発した弾道スイング計測機器の「トラックマン」。最初にゴルフに応用され、クラブの動きとボールの動きを実測し、瞬時にタブレットに表示できるという優れものです。このトラックマンで岩崎投手のストレートを計測した結果、最速は140km台なのに体感スピードは150km台半ばだというのです。投げている球のスピードよりも10km近くも早い体感。実際の数値よりも異なる体感。実は、これこそが、タイミングがすべての野球というゲームの中で、最大の武器になることは間違いありません。「永遠に打たれない」「絶対に打たれない」と表現される岩崎投手の秘密も、最先端の技術により、徐々に暴かれつつあるのですね。

 今年は残念ながらメジャーで活躍できなかった藤浪晋太郎投手。でも、彼もダルビッシュ有投手と同じように日々努力と研鑽を怠らず、改善進化を求めていることがこのインタビューからわかりました。以下は、私の想像ですが、もしかしたら、彼は、阪神タイガース時代に(同僚の)岩崎投手のすごさに気づいてしまった。そして野球の本場米国に渡り、さらに科学理論の世界に触れ、岩崎投手のすごさを数値で知り、その投法を自らのピッチングに取り入れるべく、努力をしているのではないでしょうか。今もピッチングの改良の途中ならば、藤浪投手の制球の不安定さにも納得がいきます。野球界に「絶対に打たれない球がある」ことを知ってしまった藤浪投手。もう後戻りはできませんよ(笑)。でも挑戦するその姿勢は、とても素晴らしいことです。頑張れ、藤浪晋太郎投手! 陰ながら応援しています‼












 
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