つばめプロのブログ

映像制作会社つばめプロのメンバーが、日々の出来事や自然への思いなどをつづります。

どうぞ良いお年を!!

2011-12-29 18:04:03 | Weblog
 3.11の大震災。かつて経験したことのないあの揺れは本当に怖かったです。
 被災地の女川港や南相馬は、私たちが撮影を進めていたフィールドでした。撮影の合間に通った、女川港の食堂の新鮮なサンマ定食は、今も忘れられません。

 私たちは「生かされている」と思えば、すべてのことも何ほどのことでもありません。今あることに感謝し、目の前のことを精一杯務めあげるのは当たり前です。これからも、自らを戒め、努力を怠りなく、行うのみです。

 今日、私の携帯が鳴り、「○○さん携帯」の文字が浮かびました。「はっ」として、携帯に飛びつきました。お電話は、今年お亡くなりなったIさんの奥様からですが、もう二度と表示されることはない、と思っていたIさんの文字。いつも表示されると嬉しく、心待ちにしていた電話。悲しいですが、でも、とても嬉しい。

 「主人は、つばめプロさんの映像が本当に好きでした。いつも二人して放送を心待ちにしていたんですよ!」。
 最後まで、ブナの森の、秋田の、東北の、日本の、自然を愛し続けていたIさん。私たちを東北にいざなってくれたIさん。いつも番組を見た後で、感想を電話して下さったIさん。
 これからも、いつも私たちを見守って下さるIさん。そして、また、たまには一緒に森を歩きましょう。


 ☆新春の番組のご案内です。

  ○NHK「ダーウィンが来た!お正月スペシャル 生きもの”ナンバー1”新伝説」1月1日(日)午後7時20分~

  ○NHK「さわやか自然百景 新春スペシャル 森の国 日本」1月2日(月)午前7時20分~

  そして、
  ○NHK「さわやか自然百景 鳥海山麓の森」1月29日(日)午前7時45分~


  


 それでは、今年一年、皆さま、どうもありがとうございました。
 どうぞ、良いお年をお迎え下さい!!




  

 
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あんぱん誕生物語

2011-12-27 23:19:42 | Weblog
 毎日、原稿・書類作成、案内状作り、カメラメンテナンス依頼・・・と、みんなで手分けして慌ただしい。師も走る年末ですから、忙しい筈です。

 前のブログでは、20代に数々の仕事をしてきたことを書きましたが、同じ12月でも忙しさのピークはそれぞれに違う。お歳暮品の配達は、10日前後がピーク。多い時は一日300個配りました(1個=100円だから稼ぎは○○円です)。郵便集配は、26日くらいがピーク。駆け込みの年賀状が郵袋にどっさりあります。そして23日がピークなのが、パンの配送。何といっても、クリスマスケーキがありますから。

 私が配送していたのは、「銀座木村屋總本店」。配送車の横にたくさんのパンの絵が描かれた、あのパン屋さんです。

 実家の隣町に工場があり、そこでパンを積み込み、都内のパン屋さんに配送するのです。朝はいつも3時起き。お店が開く前にパンを届けなくてはなりません。しかも12月はクリスマスケーキの予約注文の御用聞きがあり、大変です。1個につき300円(確か)くらいもらえたので、毎年500個くらいは注文を取っていました。300円×500ですから、大きな収入なのです。

 木村屋のパンの配送は、都内の麹町番町付近が受け持ちなので、楽しかったですね。なぜかと言えば、動物雑誌の「アニマ」を発行する出版社の平凡社が番町にあったからで、そこにオプションのパン(毎日注文以外にパンを1ケース持たされ、売らなくてはならない)を売り込みに行くのです。「アニマ」編集部に出入りしていたカメラマンは数多かれど、出来たてのパンを持ちこみ売りさばいていたのは(しかも勝手に)私くらいでしょう(笑)。それでもみんな優しくて「しょうがない、貧乏カメラマンを助けてやろう」とたくさん買ってくれたのです(それも歩合で収入になった)。
 だからパンの配送も、お歳暮の配達に負けないくらい稼ぎました。それで機材を買い、フィールドに出て、平凡社に作品を持ち込む。立派な「生態系」が出来上がっていたわけです。

 ところで、「銀座木村屋總本店」と言えば、あんぱんを世に生み出したパン屋さんなのをご存じですか? このあんぱんを広めた立役者が、そう「命もいらず 名もいらず」の主人公・山岡鉄舟です。木村屋の創業者木村安兵衛と山岡鉄舟は友人だったのです。和(餡)洋(パン)折衷のあんぱんがこの頃生まれたというのも、まさに開化期のこの時代らしいですね。
 このあんばん誕生の物語は、「銀座木村屋總本店」のHPで「あんぱん誕生物語」として見ることが出来ます。

 師走の道すがら、木村屋の配送車を見かけると、ちょっぴり苦く、甘く、懐かしい。
 今年もあと一週間です。
 


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クリスマスイブ

2011-12-25 01:29:29 | Weblog
 23日から3連休で、街はクリスマスで大賑わい。私たちつばめプロは仕事ですが、それは幸せなことでもあります。23日は祝日でしたが、お昼時のNHK内の食堂は大混雑。みなさんもお休み返上で頑張っているのでしょう。

 夜半から番組のWEBの原稿を書いていたら、こんな時間になりました。過去のクリスマスイブを思い返してみると、浮かんでくるのは、20代のものばかり。やはり苦労していたのがいいのでしょうね。30代、40代のは全く浮かんでこない。

 もちろん、私の20代の12月は10年間すべてアルバイト。お歳暮配達、郵便配送、長距離運転、パン配送・・・この12月が一番稼げるので、なんでもやりました。丸まる一ヶ月休みなしで一番稼いだのは、20代前半。昼間はお歳暮の配達、夕方からマックの厨房に入り、閉店とともにそのまま店内清掃に入り、一日20時間くらい働いていました。だから睡眠不足との闘いでしたが、いかに深夜の清掃の仕事を早く終わらせるか、が勝負で、仕事を終え、大きなゴミの袋を身にまとい、余熱でほのかに温かいグリル(ハンバーガーを焼く)の上で泥のように眠るのが唯一の楽しみでした。朝、オープンのマネージャーが来て、グリルの下でカチャカチャと火を付けられるのには参りましたが。
 そのアルバイト代で、手が出なかった高価なキャノンの白い望遠レンズを手に入れた時は、嬉しかったなあ。とにかく、あの頃は、夢に向かい、無我夢中でした。

 時代は変われども、今この時も夢に向かって働いている、そんな若者がたくさんいることでしょう。それは決して無駄にはなりませんから、頑張って欲しいものです。
 そんなことを思い、書いているうちに、25日になりました。


 

 
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「命もいらず 名もいらず」

2011-12-22 19:48:31 | Weblog
 

 今年も残すところあと10日あまり。毎年、同じことを書いていますが、1年が過ぎるのが早いこと。まさに人生なんて「瞬き」ですね。

 先週、編集作業でお世話になったヨコシネさんは、NHK渋谷放送局の斜め隣にあるNHK放送出版協会の地下階にあります。懇切丁寧にサポートして下さり、大変助かりました。同じ仕事をするのなら、気持ちよく時間を共有したいもの。とても仕事がしやすかったです、どうもありがとうございました。

 小さな編集室の先には、NHK放送出版協会の販売コーナーがあります。ぜひ欲しかった本があり、覗いてみると・・ありました。「命もいらず 名もいらず 上・下」(山本兼一著 NHK放送出版協会)。
 「命もいらず名もいらず、官位も金もいらない人は始末に困る。しかし、このような人でないと、艱難を共にして大きな仕事は成し得ない」(西郷隆盛)。
 剣、禅、書の達人で、幕末から明治維新を駆け抜けた、最後の侍・山岡鉄舟の生涯を描いた大河作品です。

 著書の山本兼一さんは名著が多く、私も大ファンなので、ほぼすべての著作を読んでいますが、この本は最後に読もうと決めていました。それは、山本さんが、どのように山岡鉄舟を描くのか、楽しみでもあり、ちょっぴり怖くもあったのです。しかし、冒頭から、山岡鉄舟の魅力あふれる生き方が満載! おそらく山本さんも山岡鉄舟のファンなのでしょう。何事にも実直で、一途で、物欲が無く清貧。心根は子供のよう、と言えば、誰もが憧れる生き方で、まだ読み途中ですが、上下二巻の力作は、その生きざまを余すことなく伝えています。

 山本兼一さんは、直木賞受賞作の「利休にたずねよ」(PHP研究所)が有名ですが、「白鷹伝」や「火天の城」「雷神の筒」「いっしん虎徹」なども筆力溢れて重厚で、素晴らしい作品が目白押し。これらについては、日をあらためて熱く語りたい(笑)と思いますが、私とお歳も近いし、どうしてこんなにも優れた秀作を連発出来るのか、一度お会いして伺ってみたい!
 山本兼一さんの著書はほとんどが文庫で手軽に購入出来ますので、ぜひぜひ、おススメです!


 
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師走の街

2011-12-18 00:02:41 | Weblog
 今週から編集作業。新しいスタッフも加わって、明るく賑やか。最近の若者は物おじしませんから。それに礼儀も正しい。よく「最近の若者は・・」といいますが、私が思うには、現代の若者は常識があり、とても礼儀正しい。さらに言えば、今の若者は落ち着いていて深慮して暴発しない。それはとてもいいことだと思います。時代とともに若者も進化してますね。

 渋谷の賑わいの少しはずれた路地に子猫が3匹。近くにごはん用のお茶碗があったので、誰かが可愛がっている猫たちだとは思いますが、師走の週末で、人も忙しいのでしょう。お茶碗の食べ物はきれいに空っぽ。コンビニで子猫用の缶詰を10缶買って、3缶茶碗に盛ってあげると可愛いちびっ子猫がピョンピョンと跳ねてきて、嬉しそうに食べていました。残りの7缶は少し離れたところに置いておきました。次の日にでもあげてくれるでしょう。来週もちょっと覗いてみようかな。

 今年も残りあとわずか。街は人や車で一杯です。みな慌ただしく走り回っていました。


 


 
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山へ

2011-12-07 20:44:19 | Weblog
 山に行ってきました。山形県と秋田県にまたがる鳥海山。東北を、日本を、代表する素晴らしい山です。

 今の私を癒してくれるのは素晴らしい大自然。鳥海山麓に広がる素晴らしい森は、新雪に包まれて森閑として、神々しいばかりでした。

 途中の山形自動車道が、大雪。予定は大幅に狂い、未明にようやく辿り着きました。この時期、日本海側は予測がつきません。
 降雪の情報をお寄せ下さった山の案内人の伊藤良孝さん、白滝旅館のおかみさん、どうもありがとうございました。撮影はかなり強行軍で、ご挨拶にも伺えませんでした。また、ゆっくりとお伺いしたいと思います。


  
 
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プロフェッショナルの仕事

2011-12-04 22:32:29 | Weblog
 27日放送の「ダーウィンが来た! トンボ」。如何でしたか。「素晴らしい番組でした! いやあ、よくあそこまで撮影できたものです」と、取材にご協力して下さった四日市西高校の植村明也先生。

 植村先生は自然写真に大変造形が深く、見る目はとても的確で厳しい方。そんな植村先生をして、素晴らしい!と言わしめたのですから、カメラマンとしても、嬉しい限りでしょう。時間を惜しまず、自分を戒め、怠らず、出来うる限りの取材方法を用いて最大限の表現にトライし、成果を出したのは、これぞプロフェッショナルの仕事です。

 カメラマンも担当PDさんも、そして、地味なトンボを取り上げて下さったチーフPDさんもトンボにたいして熱い心を持ち、心を込め、誠心誠意取り組んで下さったのを私は知っています。「たくさんの生きものがいてこそ、この地球」を秘めたメッセージに、素晴らしい作品を送り続けるこの番組。つばめプロに年内ラストを飾らせて頂いたことに、感謝の気持ちで一杯です。どうもありがとうございました。そして、取材撮影にご協力下さった皆さま、番組を見て下さった皆さま、どうもありがとうございました。

 皆さまに、お礼が遅くなりましたことも、お詫びいたします。
 私事ですが、先日、私の親しい大切な方がお亡くなりになりました。おそらく、つばめプロを最もご理解して頂いていた方のお一人です。ご危篤と聞いたその日の夜、私は夢を見ました。「のぶちゃん、いいの撮れた?」「なんだ、危篤なんて驚かさないで下さい、お元気じゃあないですか。あ~、良かった!」。

 昨年から今年にかけて、私は、一番の親友と、一番の恩人と、一番の理解者の3人を続けてなくしました。
 涙はとめども無く流れます。












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