つばめプロのブログ

映像制作会社つばめプロのメンバーが、日々の出来事や自然への思いなどをつづります。

Winter in Russia

2010-02-27 22:40:27 | Weblog
 ロシアから戻りました。四泊でしたが、たくさんの事が有り過ぎてどれから書いていいかわかりません。
 なので箇条書きにしてみました。

 まずは、肝心の仕事から。
 ハバロフスクから数十キロ離れた小さな村ビャゼムスキーで行われた自然環境フォーラム。
 それぞれのテーマを自由に発表するフリートークでは、ロシア極東地域の多様な環境と生きものたちが話題に上り、専門用語のロシア語が飛び交います。私は図鑑と露和、和露辞典をめくるだけで精一杯! でもこれがロシア流! 最後に私が用意した映像が大画面テレビに映し出されるとみんな食い入るように見つめ、「どうやって撮る?」「何日かかった?」「どんな機材か?」と質問攻め。最後は「君の映像はプリクラースナ(素晴らしい)!」とお褒めの言葉を頂戴しました(笑)。しかし、気になるのは、30代の研究者が少ないこと。「若者はみなお金にしか興味がない」と口々に嘆いていましたが、近い将来、自然環境分野の仕事が最高のステータスになるのは間違いありません。 それまでは私たちで頑張りましょうと誓い合いました。

 暮らし
 ハバロフスクも建築ラッシュ。街は見違えるように変貌し、物価は日本よりも高いくらい。庶民感覚では10年前の10倍です。これでどうやってみんな暮らしているのか本当に不思議です。それに日本人を全く見ない。20年前のソ連邦崩壊でなだれ込んだ日本人と日本企業もすべて撤退(ちなみに今回の新潟⇔ハバロフスクの200人乗りの飛行機の乗客は20人!)。
 日本とロシアの間には厚く高い壁があり、近くて遠い国、それがロシアです。

 人
 相変わらず明るく陽気なロシア人。物価高もなんのその、ウォッカを飲めばみんな友達(笑)。私も勧められるままに飲み続け、6人でウォッカ4本空けました。翌日、何ともないのがウォッカのいいところ。「伸はロシア人より強い!」とまたまたお褒めの言葉を頂戴しました(笑)。

 言葉
 日常会話は全く不自由しませんでした。やはり日頃ロシア語講座を見ているのが役立ったようです(笑)。しかし、単語が出ませんね。しかも日常的会話から少し離れると全く駄目。知ってる単語が少なさ過ぎ。いかに私のロシア語がいい加減かわかります。勉強し直しですね。

 滞在期間中の気温は毎日-18℃から20℃くらいで、春はまだ遠い感じでしたが、街中は活気に溢れ、人々も相変わらず明るくさっぱりあっけらかん。
 ウォッカをたくさん飲んでも二日酔いもないし、大味な食べ物にも不自由しないし、やっぱり自分はロシアの水が合っているなあ~と思いました(笑)。


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「ニィチボー!」(なんとかなるさ!)

2010-02-21 00:43:36 | Weblog
 ロシア極東の自然科学分野の支柱的存在だった故セルゲイ・ミハイル氏。私も短い間でしたが、教えを請うた一人です。

 「自然に逆らったり、支配しようとしてはいけません。自然に親しみ、自然に学び、自然にいつも感謝し続けなくては。人は自然とともにあるのです」

 自然との共生をいつも語り続けたセルゲイ・ミハイル氏。その教え子たちが集まる「ロシア極東自然科学フォーラム2010」。
 このほど私も来賓として招待されました。
 「ノブの撮影した『Siberian Summer』は今でも私たちの間の語り草だよ。でも、まだ君に撮ってもらいたいものがたくさんある。久しぶりにみんなに会いに来ないか? 私たちのことやロシアのことを君が忘れてしまったのなら仕方ないが・・・」。

 もちろん、忘れてなんかいません(笑)。忘れていないどころか、ビーチャやカーチャやナターシャ(みなセルゲイ教室の研究者)が時には夢に出てくるくらいです。
 ちょうど撮影が終わり、仕事の合間になりそうだし、運よくビザが間に合ったら・・・と淡い期待を抱いていましたが、友人が勤めるロシア専門旅行社が奔走してくれて、ビザがおりましたので、ロシアに行ってきます。

 滞在はわずかに5日間ですが、すでにびっしりとスケジュールが組まれているそうなので、嬉しいやら、コワイやら。現在のロシアの自然事情を聞くことができるのもとても楽しみなので、国内の短期の出張感覚で出かけてきます。

 果たして5年間のブランクで、私のロシア語はどこまで通用するか不安ですが、たいしてしゃべれない言葉をいまさら心配しても仕方ありません。
 「ニィチボー!」(大丈夫、なんとかなるさ)で、明るく乗り切ってきます!


                     
                     ※次回の更新は、27日です。



 
 
 
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静謐な時

2010-02-18 23:00:27 | Weblog
 今日は番組の3試写(3回目の試写)。
 狭い編集室に8人が集まり、仮に編集された作品にまなざしが注がれます。

 忍耐強く、粘り強く、一歩一歩進める編集作業。
 編集マンさんとディレクターさんが長い時間をかけてひとつひとつ編み続け、あるときはそれを振りほどき、また一から編み続け、ようやく辿り着いた仮編試写。

 そしてさらにそれを少しでもよいものに、高みに作品を仕上げようと、8人のまなざしが一つの画面を見つめます。

 そこに流れる静謐な時間。
 真剣に、真摯に。甘えのない、妥協のない世界。
 この空間が私は大好きです。
 
 そんな時に携わることが出来て、本当に感謝しています。

  
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勝負しろ!!

2010-02-17 23:33:03 | Weblog
 東京に戻り、待っていたのは子供たちの受験です。なにせ一生に一度3人が同時に受験だからたまったものではありません。

 私は偏差値とかセンター試験とかその意味も仕組みも全く分からず、口は出しませんでしたが、子供たちにひとつだけ注文付けたのは「勝負しろ!!」。
 
 指定校推薦とかいうほとんど無試験無風で入学するより、人生に何度かあるうちの勝負の時として挑んで欲しかった。合否は別として、それがいつまでも本人の拠り所となる、と思うからです。
 ただ、サッカーの強豪校として今年の全国大会にも出場し、3年間サッカー漬けの日々だった上のお兄ちゃんには酷かな、とも思いましたが、本人は「ならやってみるわ」と呑気なもの。
 年が明け、「勝負しろ」と偉そうに言ったものの、浪人生を養う余裕などなく、結果が気になります。

 どんな大学を受けたかも知らないので、そっとカレンダーの日付の下に小さく書いてある受験校をみてびっくり。俗に言う「ジーマーチ」(これもはじめて知った)とかの学校がずらりと並んでいます。そして蓋を開けてみると・・・結果はすべて合格。これには喜びを通り越して、ただただ驚くほかはありません。
 冷静になったところで母親と本人と私と3人で結果を検証してみましたが、本人は勉強はしていないというのですから(実際、する暇がなかった)、きっとこれはセンスなんでしょう。
 学問という分野に本人のセンスが合っていたのです。
 
 そんなこんなで他の二人も高校に無事合格。

 一生に一度の3人同時受験。
 私はほとんどノータッチ(苦笑)でしたが、自分のこと以上にハラハラでした。

 

 
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東京は寒い!

2010-02-16 21:31:59 | Weblog
 今日も東京はみぞれ模様。東京に戻ってからずっとこんな天気です。

 以前、ロシア人夫妻を半年間、東京でお世話したことがありましたが「東京はロシアより寒い!」を連発。冬の厳しいロシアでは外に出るときは完全防寒、部屋の中は完全暖房、Tシャツ一枚で過ごせるくらいですから、中途半端な日本の生活はとてもこたえたようでした。

 寒さに凍えているのは人間だけでなく、我が家の猫たちもそう。ほぼ丸一日コタツのある部屋から出ようとしません。一方、秋田でも外にも出る猫は雪降る夜にも外出するそうで、全身雪まみれで帰ってくる、と聞きましたから、驚きです。
 「猫はこたつで丸くなる」のが猫かと思いきや、意外にも寒さに強く、野生的なんですね。

 東京に戻り、何が嬉しいかと言えば、猫たちと一緒に寝られること。布団に包まり、ゴロゴロ甘える猫を抱きしめながら眠るのは、本当に暖かく、幸せです(笑)。



 
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秋田最高! 続「雪の茅舎」

2010-02-15 19:23:44 | Weblog
 米どころの秋田を代表する銘酒「雪の茅舎(ぼうしゃ)」。

 このお酒を私が飲む前に、蔵元にまで押し掛けて飲んだ男がいます。一昨日「秋田最高!」と題してメールしてきた我がチームのエース・U君です。

 「…雪の茅舎、飲みましたか?…今日の仕事は、由利本荘市の保育園で、この酒を造っている蔵のそば。ついでに蔵見学をしてきました。なんと杜氏が蔵内を案内して下さり、試飲までさせて貰いました。この人の哲学が凄いのなんの。いい勉強になりました…」

 お酒の知識とのみっぷりでは今や自他ともに認めるF書店No.1のU君の趣味は、蔵元を訪ね歩くこと。だから、めったやたらに手に入らない幻の銘酒と言われるお酒の蔵元ととても仲が良かったりします。

 私には将棋は連敗中、打率も及ばない(最近サッパリ打てないよね・・笑)U君。唯一の強みはお酒のみ(但しピッチングは一級!)。しかし、秋田は私のテリトリー。そんなU君に寄りによって「雪の茅舎」を先を越されるとは…許せません(笑)。
 このお酒、飲むチャンスはあったのですが…まだ飲んでいないのは頂いたKさんと食事が優先で…あの時少しでも飲んでおけば、当然飲みましたよ、とか言えたのになあ…。

 しかもかなり蔵元の杜氏と仲良くなった様子で、汲みたての生酒を貰い、秋田市内の雰囲気のいいお店も紹介してもらったとか。
 早速「そこ教えて」とメールすると、「日本酒素人の平野さんにはまだ早い」とにべもない返事…。それは確かに事実なので、仕方がありませんが…。

 「雪の茅舎」の蔵元は高橋藤一さんとおっしゃるそうですが、お酒に賭ける情熱は素晴らしいとのことなので、是非とも今度ご紹介して頂きたい。
 
 いずれにせよ、お酒についてはちゃんとご指導を仰ぎますので、それはさておき、もうすぐ球春。
 まずは春の初戦に向けてしっかり調整して、万全の調子で投げて頂戴。(こちらは3年振りに3割打つからさ!・笑)。


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深夜の高速道

2010-02-14 20:46:27 | Weblog
 雪の中で予期せぬスタックにみまわれ(苦笑)、かなり帰りの出発時間が遅れましたが、気を取り直し、深夜の高速道路を南下します。

 秋田自動車道から東北自動車道へ。
 日曜日の深夜の高速自動車道路。いくら休日のETC割引があっても、さすがにこの時間を走っているのは長距離トラックのみ。

 深夜の高速道路を走りつづける孤独な長距離ドライバー。疲労と睡魔と闘う彼らの、同業者ならではの、ある符牒(サイン)があるのをご存知ですか?

 速度が遅く、ブレーキの利きが甘い大型トラックにとって深夜の車線変更はもっとも気を使う運転でもあります。
 その際のトラック同士のサインがこれ。
 「左の車線に入りたいです」「了解。こちらは速度を落とします、前方安全オーケー」「上手く入れました、ありがとう」。
 これを瞬間お互いのライトとハザードでやりとりします。「方向指示」「ライトオフ」「車線変更」「ハザード点滅」です。

 今回、久し振りに深夜を走り、昔の長距離運転手時代を思い出し、大型トラックからの合図にこの符牒を使ってみたら、瞬間すぐに返事が返ってきました。今もトラッカーたちはこうしてお互いの無事と安全運転を銘じているんですね。何だかちょっぴり嬉しくなりました。

 私も安全運転を心がけ、途中何度か休みをいれ、帰宅したのは明け方の5時。
 こうして長期に及んだ私の秋田取材は、無事終了しました。


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次の世代へ!-守られたチュウヒの楽園ー

2010-02-12 08:22:16 | Weblog
 広大な牧草地の草を刈る一台のトラクター。「すみません、この隅に車を停めさせて戴いてもいいですか」「いいけど、何ですか?」「あのヨシ原にチュウヒという鳥がいます。それを撮影しています」「ああ、あのヨシ原ね。そんなのがいるんだ。だけどもうすぐ無くなっちゃうよ」。
 「えっ!? ヨシ原が無くなる? 本当ですか!? チュウヒが子育てしているのに・・・」。

 衝撃に打ちのめされた昨年の夏。
 撮影のかたわら、所有者を探し当て(現在は秋田県)、何とかヨシ原を残して頂けるよう、お願いし続けてきましたが、光が見えてきました。
 とりあえず、このままヨシ原を残し、他の地への代替え地案が浮上。一応、今年度の全面牧草地化は避けられたようです。

 撮影を終えたから、もうあとはどうなってもいい、とは出来ません。ましてや、私はチュウヒと1年も生活を共にし、チュウヒの生態を熟知する一人。チュウヒにとってなぜこの場所が必要なのか、チュウヒの生活ぶりも交えて検証を理論で説明できるのは、私しかいません。
 
 チュウヒの生活を見守り、責任をもつのは、チュウヒという知られざる生きものを世に出した私の責務です。

 それにしても、突然の申し出にも関わらず、その意をきちんと受け止めて下さり、検討に検討を重ねて下さった担当行政の方々には本当に頭が下がる思いです。どうもありがとうございました。きっとチュウヒも喜んでいると思います。

 大きな湖・八郎潟を干拓してつくられた秋田県大潟村。
 45年の時を経て、そこは人にとっても生きものにとってもかけがえのない楽園になりました。
 これをいかにして次世代にどうつなげていくのか。真価はこれから問われていくでしょう。 

 そこに豊かな自然があり、人々がそれを守り続ければ、チュウヒは風に乗り、華麗なV字飛行をいつも私たちにみせてくれるのです。


 
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別れのあと

2010-02-11 08:45:59 | Weblog
 ハイイロチュウヒに別れを告げ、さあ、いよいよ帰りだなあ・・・と思い、車を走らせること3分。
 農道の雪道を走りながら少し雪深い中に突っ込むも、「この車は4輪駆動車で車重もあるし、めったなことではスタックしないんだよね~」。

 その瞬間! 何と!4輪が空転!! 「えっ!?ウソ!!マジ!?ほんとに~?」。
 一度4輪が空転してしまうと、車なんて脆いもの。もう車は雪に埋まり、どうにもなりません。

 「最後の最後でやってしまったか~・・・」。すぐにTさんの顔が脳裏に浮かびます。以前、千葉のk・Tさんが村内で脱輪し、Tさんが出動し、車を引っ張り上げた話をもう10回以上は聞いているので、ここで助けに来てもらうと、今後一生言われかねない(笑)。

 格闘の上、詳しい状況は省きますが、なんとか車は危機を脱し、雪の中から無事抜け出しました。 

 そのときの自虐的なカットがこれ。
 あの、全面凍結の超危険な寒風山では何事も無く、こんな平地で車がスタックするなんて。油断です・・・本当に情けない!!

 きっと、タカたちも夕暮れの空の上から「あ~あ、ドジだなあ!」と呆れていたことでしょう。


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別れの挨拶

2010-02-10 09:50:47 | Weblog
 今日は東京に戻る日。私が向かったのは、大潟村の中のメインの撮影地。

 ここにはハイイロチュウヒやコチョウゲンボウやチョウゲンボウやノスリなどが必ず現れます。タカたちが落ち穂に群れるスズメを狙っているからです。

 この4種はそれぞれ個性が全く違います。とにかくスピーディなのはコチョウゲンボウ。ひたすら弾丸のように猛スピードでスズメの群れに突っ込みます。チョウゲンボウはスズメの群れの上でたくみにホバリングしてスズメの群れに急降下。ノスリは体が重すぎて(?)残念ながらスズメはめったに捕れませんが、他のタカが捕った獲物を奪うのが得意(笑)。そして、ハイイロチュウヒはオーバーアクションでスズメを追い、ひるんだところや弱ったスズメを狙う。
 なるほど、タカたちはそれぞれに狩りの方法も個性を発揮し、得意分野を生かして微妙にすみ分けているのですね。

 そんなタカたちを撮影したシーンに想いを巡らしていると、私の頭上にハイイロチュウヒが「キャッキャッキャッ」と鳴きながらひらり。

 ハイイロチュウヒも私に別れを告げに来てくれたよう。
 「元気で冬を越し、大陸に帰るんだぞ!!」
 
 それぞれのタカに分かれを告げ、フィールドをあとにしました。




 
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