つばめプロのブログ

映像制作会社つばめプロのメンバーが、日々の出来事や自然への思いなどをつづります。

本当のトビに迫る

2014-11-26 04:45:00 | Weblog
 山奥を歩き、稜線沿いに大きなタカが出現するとイヌワシ!?クマタカ!?と緊張が走りますが、たいていはトビで「またトビか」ということになります。でも、トビは山の奥から平地や川、湖、そして海沿いとありとあらゆる場所で姿が見られます。こんなに日本列島を幅広く暮らしているタカは、トビをおいて他にはいません。

 ちょうど1年前、お世話になっている編集者が「私はトビに昼食をとられたことがあります」とそのときの話を聞かせてくれた。舞台は湘南の海岸で、ハンバーガーを食べていたら包装の紙を残し、ハンバーガーだけ持ち去ったという。別の人からはお弁当の上部の肉だけつかんでいったという話も聞いた。トビは体が大きく、翼を広げると160cmもあり、小回りが利くとは思えませんが、どうしてこんなことができるのでしょう。
 それに、トビのライバルといえばもちろんカラスで、いつもトビはカラスに追いかけられ逃げ惑う姿が見られますが、本当にいつもやられっぱなしなんでしょうか。どうもトビのイメージと実態は違うような気がしていました。

 私たちの身近に暮らすトビ。でも、その生態、暮らしぶりはよく知られてはいません。「トビがタカを生んだ」とか過小評価され気味ですが、だったらこんなに大繁栄はしていないはず。トビたちの、本当の実力、底力に迫ってみたい。


 ☆NHK「ダーウィンが来た! 生きもの新伝説 本当はスゴい! トビの実力」
  放送は、11月30日(日)午後7時30分~総合(予定)です。





 
 

 



 
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サシバの里 いちかい

2014-11-20 21:27:51 | Weblog
 サシバの里を訪ねました。場所は、栃木県の南東部に位置する市貝町。町のほとんどに棚田や谷津田が広がる自然豊かな町です。

 友人や市貝町の皆さんの案内で、主な旧跡を歩きましたが、素晴らしい場所が随所に点在している。私たちは以前、ここでサシバを長期にわたって撮影しましたが、こうしてあらためて町を案内していただくと、興味深い歴史や文化を再発見します。はじめに関心を持ったのはサシバですが、文化や歴史を知ると視野や興味が広がりますね。ますますこの町が好きになりました。

 宇都宮市から市貝町までは一本道で車で30分の近さ。その弾丸道路のような道沿いにあるのが「道の駅 サシバの里いちかい」。
 サシバの名前を冠した道の駅はおそらくここだけでしょう。この町の人たちのサシバへの思い入れが伝わってきます。道の駅で食事をしていたら近県の人たちが店員のおばさんに「サシバってどんな鳥?」と質問している。「サシバはですね、タカの仲間で渡り鳥です。今は日本にいませんが、春に南から渡ってきます。市貝で繁殖してるんですよ」と見事な説明。おもわず友人と顔を見合わせ感心してしまいました。サシバのサッちゃん(ゆるキャラ)もいるし「サシバは歌うよ」という歌はCDになって道の駅で売っているし(これがノリのいい名曲!)、今や市貝町の子どもたちは、サシバのことを誰でも知っているというのですから、こんな素敵な町おこしもあるんですね。

 

 

 友人は、なんと市貝町に移住するという。嬉しいやらうらやましいやら。
 私も、これからもこの町とお付き合いは続きそうです。



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不思議な縁(えにし)

2014-11-17 20:45:00 | Weblog
 いつだったか、詳しい年月日は覚えていないが、渋谷の東急BUNKAMURAで嶋田忠さんのシマフクロウの写真展が開催された。私は受付手伝いで招待客の対応に追われていたが、音楽担当者からそろそろ始まるよ、と連絡を受け、そっと会場に入った。その瞬間、会場は真っ暗闇となり、シマフクロウの「ボウボウ・・」の鳴き声とともに、音楽が鳴り、照明が点滅すると、そこはたちまち異界の魔境と化した。写真と音楽と光の融合・競演。音楽担当者が会社(長距離ドライバー)の友人だったので、密かに内容は聞いていたが、その予想をはるかに上回る凄さで、私はもちろん会場の人たちは度肝を抜かれた。数分のドラマが終わり、会場が明るくなると、そこは万雷の拍手が巻き起こった。私の身体の中でさえ数千ボルトの感動の電流が流れたのだから、本人の、嶋田さんの身体には数万ボルトの大激電流が流れたに違いない。
 私は、見た。体験した。一人の革新的なアーチストが、頂点を極めた瞬間を。

 「あれは凄かったですね」「そうだなあ、あれはあそこにいた人たちだけ分かる世界だったなあ。10年も20年も早かったけどね(笑)」。
 一夜かぎりの、数百人だけが体験した異次元の空間。
 あれを、体験できた、私たちは幸せです。作り物としての、エンターテインメントで、あれ以上のものを見たことは、私は、今も、ない。

 嶋田さんと出会って、高校を卒業した私は、進学するでもなし、職につくでもなし、1年間嶋田さんとフィールドを共にした。「明日は○時に来いよ」「はい!」。車は凹んだサニーのバン。お昼はラーメン定食か、モツの煮込み定食をご馳走になる。それでも嶋田さんにとっては大変だったはず。もちろん無給だから私も大変。少しは稼ぎがないとと嶋田さんには内緒で夕刊の新聞配達のアルバイトをしていた。帰りはいつも夕方遅くか夜だから、配達が気が気でない。ガランとした新聞店の棚に私の配達分の新聞だけが山積みされ、店主の「いいかげんにしろ!苦情殺到!」のなぐり書きがいつも新聞の上に貼ってあった。でも、当時はそれくらいしかアルバイトがなかったし、とにかく一緒にフィールドを回りたくて、私も必死でした。そんな日々も、今思えば、懐かしいものです。

 高校の同級生とは、今もみんな仲がいいし、会えば、思い出し、笑って楽しいことばかり。そんな私たちを4人合わせても、嶋田さんには遠く及ばない。期待はずれの4人組でしたが、みんな嶋田さんを慕ってこうして集まる。
 一羽の鳥がめぐり合わせてくれた、本当に不思議な縁(えにし)です。


 
 「凍る嘴」~厳冬のハンター ヤマセミ~ (嶋田忠著・平凡社刊)より

 34年前、埼玉県から北海道千歳市に移住した年の11月。
 千歳川の水辺にブラインドを張り、獲物を狙うヤマセミを観察していた。
 今日はとくに冷えると思っていると、案の定、雪になり、
 やがて吹雪になった。
 ヤマセミはじっと水面を見つめたまま動かない。
 時々ぶるっと体を震わせて雪を飛ばし、首を縮めて耐えている。
 このうえなく美しいと思った・・・ (「凍る嘴」帯書きより)







 
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夢の時間

2014-11-16 01:01:54 | Weblog
 高麗川で劇的な出会いがあった翌日、私は久しぶりに学校に登校し、クラスの友人たちにその様子を話した。「昨日高麗川でブラインドを作り、カワセミやヤマセミを撮影してる人に会ったよ。その人に住所を聞いたらとなり町だよ」「その人の名は?」「嶋田忠という人。歳は20代後半かな。家に遊びに来きなさいだってさ」「へえ~っ、すごいじゃん。今度みんなで行ってみようぜ」。

 
 その友人たちと嶋田さんを囲んで写真展開催のお祝いをしました(下画像)。一番左は次女のSちゃん。私は北海道の嶋田さんの家に遊びに行き、Sちゃんたちとよく遊んだ。「お兄ちゃんお兄ちゃん」とよく親しんでくれたSちゃん。キャノンギャラリーで会うなり「お兄ちゃん」と笑いながら呼んでくれて、私は泣きそうになった。あのSちゃんがこんなに美人の素敵な女性になっていたとは!

 一軒二軒とはしごし、終電まで昔話に花が咲いた。今も嶋田さんはめちゃくちゃ元気で、パワー満開! 常に前を向き、夢を語るそのバイタリティさに私たち4人は圧倒されっぱなし。師匠が元気なのは本当に何よりも嬉しいし、これからもいつまでもお元気で活躍されて、私たちに檄を飛ばしてほしい。
 たくさんたくさん話は尽きず、楽しい時間は瞬く間に過ぎていきました。

 
 (銀座 キャノンギャラリーにて) 
 私たちは高校生。嶋田さんは28歳。動物写真家などという職業は無く、嶋田さんももちろん無名の若者だった。それがまさかこんな日がくるとは・・・。夢のような時間で、みんなとても嬉しそうです。







 

 
 
 
 
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「凍る嘴」 

2014-11-10 23:43:16 | Weblog
 11月13日(木)から銀座のキャノンギャラリーを皮切りに梅田、福岡、札幌の各地で、動物写真家の嶋田忠さんの写真展が開催されます。タイトルは「凍る嘴」~厳冬のハンター ヤマセミ~。

 高校3年生のとき、私は、埼玉の高麗川にカワセミを見に行き、半日ほど川を歩いたとき、淵の奥まった岩陰に不思議なものを見つけた。1m四方の小さな小屋。誰にも見つからないように入念にカモフラージュされたその小屋は、怪しげに光り輝き、18歳の好奇心旺盛な少年をたちまちとりこにした。この小屋をつくった主は、どんな人だろう。その小屋に潜り込むと、どんなことが待っているのだろう。無断で、とか勝手に、とか怒られる、とかは頭になかった。その小屋を見たとき、見つけたとき、私の人生は変わる、と確信した。そしてその小屋に入ってしまえば、それは「パンドラの箱」のようにもう戻れないことも。

 その小屋の中から(無断で)見た驚愕の光景は、今も忘れない。大きな白と黒のまだらな鳥が、上流から水面スレスレに飛んできて「キャッキャッキャッ」と鳴きながら私の目の前を横切った。その鳥は、手のすぐ届くような岩の上にとまっている。私は息を呑み、心臓は破裂しそうだ。そしてすぐさま目の前に「バシャーン」と飛び込んだ。嘴には大きな魚がくわえられている。岩に戻った。「ビシッ!ビシッ!」何度も何度も狂ったように魚を岩に叩きつけた。そして私を睨むように一瞥し、魚をくわえて上流に飛び去っていった。

 その日から、私は、学校に行かず、毎日、その小屋に潜り込んだ。そうしなければ、どこの誰のかもわからないこの小屋のつくり主に会えない。このまま会えなかったら、一生後悔する。
 一週間後、ついに、小屋の主らしい人が河原を歩きながらこちらに向かってきた。長靴を履いて。カメラを背負って。
 この人だ! 私は確信した。
 予期せずに、小屋から私が出てきたら、それは驚くだろう。そのときの第一声は何だろう。怒鳴られるかもしれない。叱られるかもしれない。でも・・・人生を左右する、一生忘れられない出会いになる可能性も、あるのだ。
 その人がだんだん近づいてくる。私の心臓は再び高鳴り、激しく鼓動を打ち続けていた・・・。

 
 あの日から、もう30年以上ですか。月日が過ぎるのは、早いものですね。
 嶋田さんのメインフィールドの高麗川をはじめ、南アルプス、八ヶ岳、富士山麓、伊良湖岬、蒲生干潟・・・。ずいぶんあちこち一緒に連れて行ってもらいましたが、毎日が夢のような日々だったなあ! 私は不肖な弟子でしたが、今も嶋田さんの一番弟子に、かわりはない。今週末、嶋田さんを囲んでお祝いの会を開きますが、どんな楽しい集まりになるのか、今から楽しみです!


 
 銀座:2014.11.13~11.19 福岡:2015.1.15~1.27
梅田:2014.12.18~12.25 札幌:2015.2.12~2.24
(土日祝休館日あり)

 お近くの方はぜひ!




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好きこそ・・・

2014-11-06 20:02:12 | Weblog
 将棋の竜王戦は、挑戦者の糸谷7段が森内竜王に2連勝。内容もほぼ圧勝に近く、このまま新竜王が誕生するかもしれません。関西の若者が将棋界に新風を吹き込むか、今後の竜王戦に注目ですね。

 先日、久しぶりにF書店の将棋部に参加。ところが将棋部の新人のH君に完敗。彼は将棋をはじめて3年目くらいだそうですが、めきめき腕を上げ、初対戦で見事に負かされました。しかも一度も王手すらかけられずに惨敗。完敗に惨敗、こんな負け方したのはいつ以来だろう。たまにネットでも指しますが、こんなことはないです。いやあ、恐れ入りました。まさに「好きこそものの上手なれ」ですね。

 対局を終え、みんなで高田馬場の「えぞ菊」(ラーメン屋)に。今は地方の撮影に出かけると、あるのはラーメン屋ばかり。他のお店を探すのですが、結局昼か夜はラーメンになってしまう。だから相当なお店のラーメンを食べていますが、「えぞ菊」だけは別格(の美味しさ)で決して飽きない。私の生涯NO.1ラーメンは「えぞ菊」です。






 
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松本山雅J1昇格!

2014-11-02 23:11:24 | Weblog
 昨日おこなわれたJ2松本VS福岡は、2-1で松本山雅が勝ち、悲願のJ1昇格を決めました。やりましたね。

 今年の夏、スガレ追い(地蜂捕り)を伝授して下さったKさんは、松本市在住のナチュラリストで、松本山雅の熱狂的なサポーター。ゆえに私も密かに応援していましたので、とても嬉しいです。このチームは、名前の由来(チームの選手が集まっていた地元の山好き店主の喫茶店の名前)からして地元密着型で、地元の企業や個人に支えられているチーム。アウエイでもホームのチームのサポーターより人が多いというのですから恐れ入ります。そんな環境でプレーができる選手たちは幸せですね。選手のモチベーションもとても高いのでしょう。チームが創立して50周年、時間はかかりましたが、願えばかなうもの。まさに悲願達成ですね。

 最近、富士吉田市在住のNカメラマンとあちこち歩きました。そこで感心するのは、彼が、とにかく生きものが大好きで、生きものを見る目が優しいということです。この世界、大切なのは自然が、生きものが好きであること。他は二の次、三の次です。そんな生きもの好きな人と歩くのはとても楽しく話はつきません。それに話すのも歩くのも、すべてリズムが一緒。私が、ある生きもののこんなカットが欲しいよね、と言うと「そうだよね。1年もあれば撮れるかな」には大笑いしてしまいました。1ヶ月ではなく、1年! 世知辛い現代では1年なんてそんな悠長なと一笑されてしまいます。でも、勝負は(生きものと付き合うにはそのくらい時間がかかるし、かける)この感覚があるかないかなんですよね。

 松本山雅は50年。スガレ追いのKさんは70年。それに較べたら、私たちはまだまだなのかもしれません。





 

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ヤマガラと木の実

2014-11-01 20:23:47 | Weblog
 しばらく都内での仕事が続き、自転車→バス→電車のルートを辿っていました。このルートはたくさん歩くので、健康にもいいのですが、時間が読めない。先日も保安設備の故障とかで、電車が来ない。最近の過密ダイヤでどこかにトラブルがあると、すぐダイヤが乱れてしまう。だから今は1時間の余裕を持って出かけるようにしていますが、本来、電車は一番正確(時間が読める)なはず。過密都市東京ならではでしょうか。

 午前中の会議を終えて、公園のベンチに座って休んでいたら、ヤマガラが木の実をくわえて目の前に降り、木の根元に木の実を隠している。近くには大きな森があり、そこから飛んできたらしいが、こんなシーンもめったに見られない。こんなときにカメラがあればなあと思うけど、どうしようもない。私と目と目があったヤマガラは「誰にも内緒ね」と上手に木の実を隠し、また森へ飛んでいきました。

 午後の作業では、私はカメラマンなので末席で見守るだけですが、各々の仕事の進行は迅速かつ的確で、驚きを通り越し、感動もの。すごいですね。これはもう芸術です。しかもみんな真摯で楽しそう。そのクオリティの高さは、おそらく日本一、いや世界一でしょう。ここで作られた作品の海外(英語)版を見た外国の人たちが「素晴らしい品質」と感嘆していましたが、頷けます。その大もととなるのは、もちろん映像素材。いい加減な仕事は出来ませんね。スタッフのみなさんの優れた仕事ぶりを目の当たりにし、さらに努力を続けようと、気持ちを新たにしました。

 夕方、帰り際にヤマガラが木の実を隠した木の根元を見てみると、さらに近くに木の実が二つ。もうすぐ葉が落ち、木の実もなくなり、冬がやってきます。


 
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