あらまぁ、なんて浅ましい姿なんでしょう。
ユニクロのショップに殺到する人たち。
倒されるマネキン。響き渡る怒号。商品をもぎ取り掴む、すし詰め状態の人・人・人。
年末特売安売り市とか店じまいセールや年に一度の大バーゲンとかではない。ユニクロがジル・サンダー(Jil Sander)氏とコラボした『+J』復活コレクションを買い求める客だ。
名古屋のJRゲートタワーのユニクロで13日、世紀末の荒野で食料や水を奪い合うかのように群がったこの人たち。「ソーシャルディスタンスを守って」とか「三密を避けて」なんて全く無視したこの人たちは、日本全国で連日増え続ける新型コロナ感染者数を知らないのか。
知ってるがあえて頭の奥にしまいこみ、「俺は若いから重症化しないから」とか「伝染った時は伝染した時、仕方ないと諦めてる」なんて甘い考えや言い訳なんだろうか。まぁクレージーなこと。
しかもキ●ガイのように群がり奪い合う商品はユニクロ。
ユ・ニ・ク・ロ。
いくらジル・サンダーとコラボしたからといっても所詮ファスト・ファッション。そんなに欲しいのか?
「ユニクロをバカにしてんのか?」と怒られそうだが、勘違いしないで欲しい。ユニクロをバカにしてるのではない、「+J」に群がる奴らをバカにしてるのだ。
考えてもみろよ。
いくら世界的に有名なデザイナー、ジル・サンダー氏とコラボしたといえど、ユニクロだぞ。
そりゃ今やオリンピック日本選手団の制服に選ばれたり、不景気のファション業界で唯一と言っていいほど利益をキープし、出店数も落としていない稀有な会社だ。
だけど、それと服の質とかデザインは別の話だ。
ユニクロができた頃、近所の店で俺もTシャツとか買ったことがある。袖を通して黙って脱いだ。着心地が悪すぎて・・・。
それから何年か経って、俺の店の近くにユニクロができて、そこに寄ってから来られたお客様から「ついでに買ってきた、部屋着にでもして」とTシャツとか頂くことがあった。本心は有難迷惑なのだが、一応家に持って帰って着てみる。だいぶ進化してるけど、でもダメ、とてもじゃないが長時間は着れない。
それなりの値段がするブランド品には、高いなりの着心地・触り心地・動きやすさやフィット感があるのだよ。
デザインというのは、1,素材・2,色・3,形の三要素でできている。これが基本だが、今回の「+J」はJil Sander本家や他のブランド品に比べてどうなのだ?
ユニクロの服の素材ってお世辞にも良い素材使ってるとは言えないよな。洗ったら伸びそうだな。ワンシーズン持てばOKって感じだな。今回の「+J」は違う素材なのかな。
ユニクロの服の色って色落ちしそうだよね。まぁ今回の「+J」のように白や黒基調ならなんとかごまかせそうだが、黒は洗ったら簡単に色落ち色褪せ日焼けしそうだな。
ジル・サンダー氏デザインなら形は問題ないだろう。なんて大間違い。万人に合う型紙なんてないし、裁断や縫製で全然変わる。アームホールや首回りなど、ちょっとしたことで着心地は全然変わる。
ましてや量産品。中国の工場でバーっと生地を作り、裁断し、ミシン(機械)で縫製。まず間違いなく一度クリーニングに出したら、見事に型崩れしそうだ。
そんな服を中途半端に高い値段で群がってまで買う意味がわからんのだよ。
11月12日に東京・銀座の旗艦店『UNIQLO TOKYO』で行われた「+J」の記者会見に宮沢りえさんが登場した。
その際、宮沢りえさんが着てた「+J」の服は、カシミヤ混Wフェースのチェスターコート:2万2900円。シルクのギャザーブラウス:8990円、ウールパンツ:9990円。
宮沢りえさんが普段こんな服を着るとはとても思えないが、そこは記者会見。そんなことはおくびにも出さず「内側の仕立ても綺麗で(良くてと言わないところがミソ)、レストランでコートを脱いで渡す時にも自信が持てる服」と言っていた。
が、果たしてこの「+J」を買った人のうちどれだけの人が、ギャルソンやメートル・ディーにコートを渡すようなレストランに行くのだろうか。
そしてこの「内側の仕立ても綺麗で」というところにも注目。コートを脱いで渡す時、もしくは預かる側はコートの内側を外に向けて折るのだよ(本当、嘘だと思うなら上級マナーブックを読め)。
だから裏地も大切なのだよってことを知ってる人は、この群がるように買い漁った人たちのうち何割いたのだろうか。ほぼ0と思う・・・。
ブランドとコラボしても、安くで提供できるようにしている企業努力はすごいと思う。
「+J」のハイブリットダウンショートコートは1万7900円、ハイブリットダウンオーバーサイズパーカーは1万5900円だそうだ。本家Jil Sanderならメンズのスポーツコートは33万2200円、シャツは2万2000円からだからかなりお安い。
だから群がるんだろうね。
でもね、安いのは安いなりに理由があるからね。
案の定、ヤフオクやメルカリに「+J」商品が溢れるほど出品されている。
いつものごとく売り場には転売ヤーがまぎれてたのかもしれない。
中には混沌とする売り場で、とりあえず掴んだ商品はカゴに入れ、サイズだけ合ってたら自分だけでなく家族の誰かが切れるだろうってとりあえず買っておいた。けど家に帰って着てみたら(着せてみせたら)全然似合わない・・・なんて人もいるかもしれない。
そうこうしてネットに出品された商品を、これまたわれ先に買う人がいるんだろうな。
まぁ、新型コロナに感染する恐れも密にも無らんから、それはそれでアリか。っていうかユニクロのネットショップでは売ってないのか?売り切れなのだったら仕方ないわな。転売ヤーは迷惑やけど。
日本を代表するデザイナー・山本耀司(Yohji Yamamoto)がランボルギーニとコラボした。
スーパーカーの代名詞とも言えるランボルギーニが、その魅力を伝えるために東京六本木に10月29日オープンした『THE LOUNGE TOKYO』に、コラボしたアヴェンタドールが飾ってある。
ランボルギーニ・アヴェンタドールSとヨウジヤマモトの『PARTIZAN』(2020-2021秋冬コレクションテーマ)のコラボ車。
買えるもんならこっちを買うな。これなら数年後に売っても「転売だ」と蔑まされず「プレミア」とか「希少」って賞賛されるぞ。
そしてもう一人、日本を代表するデザイナー菊池武夫氏と布袋寅泰のコラボも注目。
ショーケンの『傷だらけの天使』や松田優作の『探偵物語』などで当時の若者を虜にしたタケオキクチ(当時はまだBIGIだったかもしれない)。TAKEO KIKUCHIは今年デビュ−40周年を迎えた布袋とのコラボアイテムを11月14日に発表した。
シャツ(1万8000円)やシューズ(1万4000円)など7アイテム。公式オンラインストアや特別衣装展も開催する明治通り本店でも買えるみたいだぞ。俺ならユニクロ×ジルサンダーより、タケオキクチ×布袋寅泰の方を買うね。
特別衣装展では菊池武夫氏が手がけてきた布袋のライブ衣装など10体ほど飾られてるらしい。盗難に注意してね。グランフロントで行われた氷室京介展でロザリオを盗んだ罰当たりな奴がいたからな。さっさと返せよ。今ならまだ間に合うぞ。
でもさ、ユニクロとか、しまむらとか、無印良品とかは、このコロナ禍で不景気と言われる中でも売り上げが伸びてるらしいね。
リモートワークやオンライン授業とか、ステイホームで家にいるから服に気を使わなくなったのかな。
別に流行を追わなくてもいいけど、たとえ家でも服くらいはビシッとキメて欲しいのだけどね。
まぁ、スウェットでもパーカーでもジャージでも、キマってるぞ!と本人が思っているのならいいんだけどね。
ちなみにジルサンダー本家の革ジャケット(ライダース)は45万7000円だ。
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