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北海道アイヌ問題

2015-11-09 05:16:41 | Talk is Cheap
北海道の新千歳空港で北海道アイヌ協会が日本ハムファイターズが掲げている広告に対しクレームを入れた。
ファイターズの栗山監督の写真とともに「北海道は、開拓者の大地だ」と記された広告。
これに対し、北海道アイヌ協会が「歴史への配慮がなさすぎる」と球団に申し入れをした。
新千歳空港では11月6日からアイヌ民族の民芸品の展示会が開かれたが、この日本ハムの広告は今年6月から掲げられていた。

何故今頃になって「開拓者の大地だ」という広告のキャッチコピーに対し、クレームを入れた?
アイヌの問題はことあるごとに再燃するが、いまいちよくわからん。アイヌが開拓した土地を本土の人間が横取りしたって怒ってるのか?
このコピーでは誰が開拓したかなんて書いてない。北海道は開拓者によって切り開かれたのは事実だろ?
アイヌはアメリカのインディアンのように居留区を定められ迫害され追いやられたのか?
大阪で暮らす俺にとってアイヌは勉強不足で、よくわかってないのだがこの機会に整理してみようと思う。

アイヌは元々北海道が蝦夷と呼ばれてた頃から、樺太・千島列島、ロシア・カムチャツカ半島南部にまたがる地域で暮らしていた先住民族。
ここら辺の開拓はアイヌのおかげだろうが、現在の町や街、道路や水路、農場や港の整備、いわゆる開拓や開墾は後の本土からの開拓者の成果だろう。

アイヌとはアイヌ語で「人間」を意味する言葉で、もともとは「カムイ」(神とか自然を指す呼称、多分白土三平のカムイ外伝もここからだと推測する)に対する概念としての「人間」という意味らしい。
2006年の北海道庁調査で、北海道内のアイヌ民族は23,782人とされてるが、現在、国勢調査ではアイヌ人の項目はなく、国家機関での実態調査は行われていない。だからアイヌ人の正確な数は不明。しかもこの北海道庁による「アイヌ」の定義は、「アイヌの血を受け継いでいると思われる」人か、または「婚姻・養子縁組等によりそれらの方と同一の生計を営んでいる」人というように定義しているから、純粋なアイヌ人ってのは一対何人いるんだろうか。しかも首都圏に住んでるアイヌも多いらしい。

これは沖縄の人が現在、日本人なのか琉球民族なのか、それともウミンチューとヤマトンチューと区別するのが通例なのかって問題と同じく、日本に住んでるアイヌ人は日本人、ロシアに住んでるアイヌはロシア人って事じゃないのかな。あえて民族意識を強調しなければいけない事なのかな。
この理屈で言ったら、50以上の民族で形成される中国なんかはどうなるんだ?それぞれ先住民族だぞ。漢民族、満民族、タタール族、朝鮮族、ウィグル族、チベット族・・・。

オーストラリアの移民による原住民族アボジリニーへの迫害や土地の取り上げによる移動強制。アメリカの西部開拓史の裏歴史とも呼ばれるインディアンへの迫害や弾圧、アラスカのイヌイットとかとアイヌ問題は一緒か?なんか違う気がする。共存共栄ではないのか?
そりゃ原始生活してる民族の前に、文明の利器を使う民族が現れたら、優劣もあるだろうし、争いになるか共存かの二者選択しかないだろう。
でもさ、少なくともアイヌは迫害で居住区を決められ追いやられた他国の民族迫害と違い、あくまでも共存共栄ではなかったのか?

北海道へ本土から開拓に向かい移住した人達の中にはアイヌを蔑み、暴力や武力で土地から追い出した奴もいるとは思うが、殆どは共存共栄を選び、先住民族のアイヌを敬い、風習等を取り入れていったのではないか?

そう思える根拠はいくつか挙げられる。
一つは現在純粋なアイヌの数がわからないってのは、それだけ倭人(和人)との婚姻が多いってことだろう?どちらかが蔑んでたり、恨んでたりしたらこれほどの婚姻がある訳ない。中国の漢民族によるチベット族の民族昇華作戦じゃあるまいし。

一つは現在の北海道の地名の多くは、アイヌ語の地名に当て字をしたものが多い。海産物や物の名称等にもアイヌ語の呼び方が残ってる。憎んだり蔑んでたら、そのまま使うか?
樺太はアイヌ語でカラプト、札幌はサッポロ、知床は陸地の突端を意味するシレトコ。港を表す泊ってのもアイヌ語の港を表す言葉トマリを漢字表記しただけだ。アイヌ語でシリは山とか島って意味だから、国後、奥尻、利尻なんかもそうだろう。屈斜路湖(クッシャロ)長万部(オシャマンベ)稚内(ワッカナイ)足寄(アショロ)達布岬(タップ)だって多分アイヌ語の呼び名を漢字で当て字しただけだろう。羅臼、歯舞、礼文、釧路、調べてないが多分これらの地名等はすべてアイヌ語が語源だと思う。
シシャモはアイヌ語シュシュハム/スサム(柳の葉)がなまった言葉で、漢字表記も柳葉魚だ。トナカイもアイヌ語のトゥナカイ、ラッコもそうだし、昆布もコンプ、現在北海道名産と言われるハスカップもアイヌ語のハシカプやハトカップからの由来だ。鮭を凍らせたルイベ、東北地方の牛の呼び名ベコもアイヌ語のペコからだ。

世界各地の国で問題になってる先住民族への迫害や弾圧の歴史。勿論現在も民族浄化や追放、それらによる内部紛争や戦争がおこなわれてる。
日本だって他人事じゃない。民族差別や迫害は無かったとも言い切れない。高知県だって江戸時代は先住民族の武士を郷士って言って、後から入ってきた奴らが「俺らは上士」って虐げてきた。大和朝廷や飛鳥時代、朝鮮の百済や新羅の民族への扱いは極端だったことは文献等でも事実だとされている。
だけど、アイヌ族屁の迫害や琉球民族への差別ってのはよくわからない。

何故今になってアイヌ族がこんな新千歳空港のこんなポスターのキャッチフレーズに文句をつけるのか、理解しがたい。
こんな事やるから「純粋アイヌ人でもないのに補助金や委託金を欲しいが為にアイヌを名乗る」とか言われてしまうんじゃないかな。
迫害や差別をした訳でもないのに未だに多額の税金がアイヌと名乗る人達に支払われてる。
それなのに、このポスターに「歴史への配慮がなさすぎる」って。
どれだけ厚顔無恥なんだ?誇大妄想の被害者意識としか思えない。

本当のアイヌ民族ならこんな行為はしない気もする。なんかペチもん臭くて嫌。



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