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バーボングラス片手のロックな毎日

成人の日 猪瀬元知事の間違った記憶

2021-01-11 22:24:54 | Talk is Cheap

今日は成人の日。

以前は1月15日だったが、1月第二月曜日になった。

「連休にしたほうが経済効果が」とか「故郷に帰って式に出席する人は旧友とゆっくりできる」などの理由だろうが、関西の美容室はえらい迷惑である。だって月曜日が定休日だもの。ただでさえ正月休みがあるのにシフトが大変だ。

 

さて、そんな成人式。

今年は125万5000人が成人になるが、コロナの影響で式典が中止になったり延期になったり、ディスタンスきっちりとってやったりと、各地でバラバラだ。

マスコミの報道は、式典が中止になったところは「残念です」、延期になったところでは「もっと早く決めてほしかった」、開催したところでは「感染予防を徹底してたが密になって写真を撮ったりしてる人も見受けられた」と、まぁステレオタイプの報道ばかり。

 

成人の式典が中止になったから、衣裳レンタル会社はキャンセル料金が発生するのか払い戻しの対応でてんてこ舞いだとかばっかり報道されてる。

 

言っておきます、成人式の式典が中止になってがっかりしてるのは新成人です。

別に「振袖が着たい」とか「新日本髪を結ってほしい」などを本気で思ってるのではありません。今の若者は顔が小さいし、黒髪ロングも少ないし、和装や和化粧は似合いませんからね。それに振袖なら結婚するまでは着れますし、草履や足袋なども今後使えますから。

ただ着飾って友人たちと会ったりできないことにがっかりしてるのです。インスタ・SNSにあげられないなぁってなくらいです。別にお偉いさんの訓示が聞きたいわけでもありません。

以前各地で賑わしてた、式典などに乱入したり、派手な衣裳で馬鹿騒ぎする新成人の姿はもう過去のことのようですね。

 

それに困ってるのはレンタル衣装屋とか着物レンタル会社ではありません。契約時にお金受け取ってますし、前撮りとかしてたりすればキャンセル料とかもう関係ありませんもの。数年前に振袖レンタル会社が当日ブッチして大騒ぎになったこと、もう忘れたのでしょうか?

Go Toキャンペーンが停止になってキャンセルされた旅行会社じゃないんですから。

 

困るのは美容室です。特に街中の美容室はこの日だけでかなりの額を稼ぎます。着付けも髪結い(ヘアセット)も化粧(メイク)も、原価はほとんどないからね。髪飾りや花は仕入れ値に成人式価格を載せて販売するし。もちろん髪結いヘアセット・メイク・着付けなどの技術習得のために、すでに労力とお金がかかってます。そこは間違えないように。

 

困ってるのは、メイクさんや着付け師さんです。近所の美容室から依頼されてたけどキャンセルになったら・・・。施術人数×一人いくらって計算だったら、小遣い程度にしかなりませんしね。

 

困ってるのは町の写真館です。当日、セットや着付け終えた後に式典会場の前に家族写真を写す予定だったのが、パーですもん。

大手レンタル衣装屋などで振袖を借りると、フォトスタジオで前撮り出来たりしますが、地方都市なら近所の美容院〜近所の写真館〜役場の式典会場って流れが多いんじゃないでしょうか。

 

地方の派手な成人式用特攻服とかに刺繍を入れたり仕立てたりする街の仕立て屋さんとかも心配してしまいます。昨年は祭りもなかったから法被とかも売れなかっただろうしね。もう店じまいするかぁ・・・って気落ちしたりしないかな。

 

それなのに、そんなのは全然報道には流れません。

判で押したように「コロナ禍でおこなわれたどこどこの成人式では新成人が消毒と間隔を置いて」とか、延期になって嘆く新成人の姿とか、式典は中止になったけど着付けとヘアはして友達と会ってる人とか、そんな映像ばかり。

テレビ業界のディレクターなどのほとんどの業界人が、都会の有名大学出身でしょうから、地元の成人式を出ていないとか知らないんでしょうかね。

最近のマスコミ業界人やメディア人って、創造性や独創性とかないのね。「まぁ、こんな絵を映しとけばばいいでしょう」「まぁこんな声拾ってりゃいいでしょう」ってな感じね。

緊急事態宣言下の町の様子や、Goto停止後の観光地の映像と一緒ね。どれもワンパターン。

 

元東京都知事の猪瀬とかいう人のアホな持論をSNSから拾って載せてみたりね。

「僕の時代は大学進学率が12%くらいで大学生は成人式に行かなかった。大部分は中卒・高卒で社会人となり仕事も慣れたところで、成人式は通過儀礼としての意味があった」

多分この人は「新成人のほとんどがまだ学生の今、成人式をやる必要があるのか」って言いたいんだろうけど、猪瀬よ、間違ってるぞ。

あんたは確か今74歳のはずだ。ってことは昭和21年(1946年)くらいの生まれのはずだ。

成人の日が「大人になったことを自覚し、自ら生き抜こうとする青年を祝い励ます」ことを趣旨とし国民の祝日として法施行されたのが1948年。つまり、あんたが20歳になった時にはもう成人の日はあったし、式典も行われてたのだよ。

戦後復興で中卒高卒で集団就職で出てきた若者が、成人式だからと郷里に帰れたか?工場や炭坑で働く若者が田舎に帰るのは正月と盆くらいだろうさ。時間もお金も(仕送りと生活費で金銭的な余裕も)ないだろうしね。

そう考えると金銭的や時間の余裕があったのは、お前たち大学行ける身分んだろう?お前の身の回りの大学生で成人式に行かなかったのは、ヘルメットかぶってゲバ棒持ってたりヒッピーしてた奴らじゃないのか?

少なくとも俺の時代は1億総中流意識の時代で、大学進学率がめっちゃ高く中卒高卒で就職や専門学校行く方が圧倒的少なかったが、大学行ってようがもう働いてようが関係なしに成人式の会場には行ってたぞ。ただの同窓会気分ね。

それから長らく美容業やってるが、学生も社会人も関係なしに成人式には着付けもヘアを依頼されてきたぞ。新調した晴れ着の場合もあるし、代々受け継がれた着物の場合もあるし、もちろんレンタルの場合だってある。

 

猪瀬よ、自分の記憶だけで勝手に歴史を捻じ曲げるな。って言いたい。

 

あと、勘違いしてるようだけど、成人の日という国民の休日は1月15日で2000年からは1月の第二月曜にになったが、成人の儀や式典はいつやってもいいのだよ。

成人式/成人祭が初めて行われたのは1946年の埼玉県。敗戦後、学徒動員で戦争に行って帰ってこなかった若者への贖罪と鎮魂の意味で行われたんだろうね。だから全国に広まり、1948年に法制定で休日になったのだよ。知らなかったのか?

 

いろんな地方ではクソ寒い正月明けの1月ではなく、夏の盆休みの頃にやったりするところもあるし、卒業式や入学式の桜のシーズンにやったりする所もある。だから大阪市が式典の日程ずらそうが何も問題ない。オンラインってのも時代に合ってるのかもね。

いっその事、七五三みたいに神社で個人的に厳かにやったらどうだ。七五三を迎える人数と、成人になる人数はそない変わらんだろう?11月15日前後に各地の神社で「千歳飴持った子供と親族で密が多発してる」なんて報道は皆無だったぞ。

 

あと疑問なんだが、「新成人125万5000人のうち女性は61万人」って女性の振袖姿ばかりクローズアップし、「振袖の市場規模は1000億」とか平気で報道してるが、こんな時はジェンダーレスとか男女平等とかコンプライアンスとか騒がないのね。

不思議だ。

 

 



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