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長瀬智也を貶めたいのか週刊女性

2021-03-03 17:43:27 | Talk is Cheap

週刊女性(主婦と生活社)が謝罪した。

長瀬智也に関する記事がデタラメだった件。

 

この記事は2月23日に「週刊女性 PRIME」で出た時から胡散臭かった。

問題の記事は「長瀬智也が、主演するドラマ『俺の家の話』撮影中に、プロレス技でADを負傷させた」という内容。これがもう憶測で書いたのか想像で書いたのかってくらい胡散臭い。

宮藤官九郎脚本のこのドラマで、長瀬智也は能楽の人間国宝(西田敏行)の息子で、家を飛び出しプロレスラーをやっていたが、父が倒れたのを機に実家に戻り、伝統芸能の継承と家族とプロレス愛と介護の間で四苦八苦する役だ。

週刊女性は「長瀬のプロレスシーンの撮影前カメリハで、立ち位置・写りのチェックなどする際、技をかけられたADが受け身を取れず変な姿勢で着地し、痛みを訴えてる」と書いた。

いつものごとく(関係者の話)だ。

 

そのADとやらが告発したとか、現場を見ていた撮影スタッフから取材したのなら問題だ。ちゃんと取材して裏を取って事実だったとしたら大問題だ。コンプライアンスとか言っている場合ではない。

しかし、案の定デタラメ。存在してるかどうかわからない関係者の話だ。(業界関係者)(事情通)挙句には(何々に詳しいファン)というのもある。すべてこれらは実在せず、すべてライターの憶測だ。

 

しかし相手が悪かったな。普段なら「またかよ」とか「ほんまかこれ?」くらいで飛ばし読みされる記事だが、長瀬はまだジャニーズ事務所だ。業界で一番そういうことにうるさい事務所だ。

事実なら事務所が謝罪文やコメント出す。週刊誌の記事でも事務所でしっかり聞き取り調査するのだろう。場合によっては本人に謝罪させる場合もあるからな。

でも、事実じゃない場合は訴訟も辞さないだろう。

だからか、今回あっさり公式サイトで謝罪したのは。「再取材の結果、そうした事実の確認はできませんでした」「長瀬智也さん、TBSテレビおよび関係者にお詫びをして、訂正いたします」だってさ。

 

週刊女性のこの記事に対しては、本当の現場関係者複数からクレームが速攻SNSであげられ、記事の信憑性が問われていた。

「(撮影)スタッフをリング上げてプロレス技をかけることなんて絶対ない。そのために現場にはガンプロやDDTからレスラーが何人も行っているんだ」(プロレスラー勝村周一朗さん)

「絶対ありえません。長瀬さんが初めてやる技は自分が最初に受けているから。テストも必ずレスラーが受けている。」(プロレスラー兼芸人渡瀬瑞基さん)

 

このドラマで長瀬智也は、ブリザード寿/スーパー世阿弥マシンというプロレスラーなのだが、すごいのは一切スタント吹き替えなしで本人が実際にプロレスをやっているのだ。

跳躍も跳ね起きも受け身も当然、トップロープからのダイブも、二人同時に投げ飛ばすのも、全部スタント無し。

相手に飛びついて頭を両足で挟み込み、自分の体の回転を利用して相手を投げ飛ばす高度な技・ティヘラ(スペイン語でハサミという意味)さえ難なくこなしている。(別名ヘッドシザースホイップとも呼ばれてるぞ)

すごいとしか言いようのない長瀬の、TOKIOとして、ジャニーズとして最後の仕事に、週刊女性がケチをつけた罪は大きい。

 

長瀬(ブリザード寿)は父の介護を機にプロレスから引退したのだが、その所属してた新興プロレス団体【さんたまプロレス】の経営悪化打破のために長州力が、武藤敬司と蝶野正洋を引き連れてもう一度リングに上がってくれと懇願しにやってくる。

もちろん定番の決めセリフ付きのサービスだ。プロレスファンなら泣いて喜ぶ超豪華メンツに頼まれ、再び長瀬はスーパー世阿弥マシンとしてリングに立つのだ。

そういや松本潤主演のドラマ「99.9」(今度映画化もされるぞ)でも榮倉奈々がプロレスファンで、現役プロレスラーが多数出てたな。ジャニーズとプロレス、なんか縁があるのかな。

 

父の跡を継いで能楽師になるための修行とプロレス。超絶異種コラボレーションだな。

スーパー世阿弥マシンは笛とお囃子をBGMに、「万媚」という女面をつけ白装束と白足袋でリングに登場。装束には能に関する言葉がたくさん書き込まれ、中の赤いシャツには「初心」の文字。もちろん能の大成者・世阿弥の「初心忘れべからず」からの引用だ。

能面をとって赤いマスクになったスーパー世阿弥マシンは無敵だ。二人がかりの攻撃も跳ね返し、ダイナミックに二人同時に空中殺法で片付ける。脛に噛み付く「すねかじり」や「親不孝固め」などコミカルな部分もお約束だ。

これら全部長瀬智也本人がやっているのだよ。マスクに隠れてるからスタントや吹き替えでもバレないようなもんだが、やっぱ本人だとリアリティが違うよね。って長瀬智也は42歳で格闘技経験0なんだぞ。

ちなみに弟分のレスラー(プリティ原)を井之脇海が演じてるが、こちらも本人がスタントなしで技を受けたりかけられたりしてるぞ。

「ワールドプロレスリング」の辻よしなり氏が実況してるのもファンにはたまらんだろう。

 

こんな本人が体を張って演じ、本職のプロレスラーが多数周りを固めて指導や監修し、技を受けてる状態で何が「技をかけられたADが受け身を取れず変な姿勢で着地し、痛みを訴えてる」だ。

さすが正月から結婚ガセネタ報じた週刊女性だ。そのAD連れてこいよ。

ゴシップ週刊誌なんて所詮千三つ(1000のうち3つしか真実がない例え)だが、毎回ガセネタを報じるたびに、本人から苦言を呈されるってのもどうかね。

3月1日にも成宮寛貴(現:平宮博重)さんのガセネタ記事「警官も出動した三密パーティを目撃撮」とタイトルつけて報じたが、本人から「ガセネタです。取材さえされてない。嫌がってるのに勝手に写真撮られただけ。警官も来てないし」ってツイートされてやんの。

これもまた謝罪するか?

 

そんな長瀬を貶めるような記事書くヒマあったら、『俺の家の話』の見所とか、面白さを記事にしろよ。

能の世界をわかりやすく描くだけでも大変なのに、プロレスも取り入れ、介護のリアルも描く。それを見事に一話一話にこれでもかと詰め込んで、それでいてわかりやすく、面白く視聴者に伝えることのできる宮藤官九郎のすごさ。

 

随所に小ネタが挟まれたクドカンならではの世界を、俳優陣が見事に演じているのだよ。

ヘルパーの戸田恵梨香は後妻業?で、西田敏行と車椅子でビューティフルライフごっこしたりしてる。家出した兄貴は今後出てくるのか?

西田敏行は主治医に家族旅行の許可を取るために、ロッキーのテーマ(アイオブザタイガー)とともにシルバーカーでトレーニングに励む。

次女の江口のりこがいきなりつぶやいたオールナイトニッポン鶴光ネタは、50歳以下の人はほぼわからなかっただろう。ちなみに当時のANNは中島みゆき、サザン桑田佳祐、タモリという豪華メンツだ。

江口のりこの旦那、O・S・Dはロバートの秋山竜次。ラッパーのお調子者でラーメン屋を複数経営してるという情報過多。

息子の道枝駿佑(なにわ男子)はK-POPダンスに夢中で、路上パフォーマンスの場所は池袋ウエストゲートパーク。長瀬は「カラーギャングに囲まれたら」とか言ってチェーンを巻いてきてたが、これはブルーザ・ブロディではなく坂口憲二のドーベルマン岩井だろう。IWGP(プロレス団体じゃないよ)を見ていない人には全くわからんネタだ。

芸養子だった桐谷健太は、実は西田敏行が女中に産ませた子だった。長瀬とは腹違いの兄弟という事実を知って闇落ちするが、真面目に生きてきたからか、部屋で正座してハードロックを大音量で聴いてたりする。次男の永山絢斗のタメ口にキレた時も、ビールをラッパ飲みしてたが正座だったのが笑える。

長瀬が離婚した奥さん(平岩紙)との間には羽村仁成(ジャニーズJr.)がいて、学習障害と多動症の兆候で学校へは行かずフリースクール通い。だが、西田敏行から能の指導を受けてる際はじっとできるし、覚えもいい。

 

とまぁ、ざっくり書いたが盛り沢山だ。

よくこれをまとめたなぁと思ってたら、第六話は家族旅行に行く話で、阿部サダヲが登場。明らかに純烈をパロってる「潤 沢」のメインボーカル・たかっしを演じる。(阿部サダヲの本名はたかしだ)

人間国宝に向かって「いいなぁ〜ただその家に生まれただけで」と亜無亜危異の「東京isバーニング」の歌詞みたいなことを言う。さすがグループ魂、さすが少年メリケンサック。

たかっしがソロステージで歌った曲は「星降る街角」。敏いとうとハッピー&ブルーのヒット曲だが、昭和のスナックでは、おばさんおっさんが掛け声合いの手身振り手振りで盛り上がってた曲。それこそ50以下の人は知らないって。

「潤 沢」メンバーが雪のため来れなくなったから、代わりにステージに立ってくれと長瀬らに頼む阿部。「普段舞台立ってるんでしょ?何年目?」と聞く阿部に桐谷が「だいたい650年」って答えそれに「大先輩じゃん」って返すテンポの良い会話はさすがクドカン。

 

「潤 沢」の新曲「秘すれば花」。これまた能に通じるタイトルだ。あざといなぁ。

楽屋に貼ってあるポスターには作詞:なかにし礼かと思いきや、なかにし札。作曲は筒美京平ではなく筒美洋平という細かさ。誰がこんなとこまで見るんだ?俺か。

ついでに編曲は中村泰士資産をもじって中村泰土とかにしてくれたら完璧だったのにな。

っていうか昭和色強いなぁ

さらにダメ押しで、ステージで西田敏行が「マイウェイ」を熱唱。

これまた昭和のスナックで、喉に自信のあるおっさんが気持ちよさそうに歌う曲トップ3のうちの1曲だったな。だが忘れちゃいけない、当時の女性アンケート「カラオケで歌って欲しくない曲」で堂々のトップだったのもこの曲だ。

クドカンのことだからSex Pistolsのシド・ヴィシャスの方からもインスパイアしてるんだろうけどさ。

ちなみに西田敏行の歌唱力は映画「ゲロッパ」でも堪能できるぞ。

 

週刊女性さん。ありもしない妄想ネタのゴシップ記事掲載する前に、ドラマでも映画でも、面白さや見所を伝えてよ。役者や脚本家、監督の凄さを伝えてよ。死んでからじゃなく生きてるうちにさ。

 

長瀬智也は寿一、桐谷健太は寿限無、西田敏行は寿三郎で、昔の恋人から呼ばれてたのは、ジュディ、ジュネ、ジュマンジ。これは多分宮藤官九郎がJoJo(ジョジョ)をリスペクトしてるところから名付けたんだ。

って、デマくらいなら許されると思うよ。でも嘘はいかんよ。