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バーボングラス片手のロックな毎日

西城秀樹 時代とのギャップ

2018-05-22 06:26:17 | BOOK/COMICS
西城秀樹さんが亡くなられた後、いろいろな人が追悼コメントを出している。
まぁ、誰が不倫したとか、結局どうしたいのかわからんかけ問題とか、寄ってたかって責めてるアメフト危険タックル騒動とかよりはいいんだけどさ。

これで気になるのが、西城秀樹さんの偉業や経歴を流す時、全盛期の映像ではなくてリハビリの痛々しい素材を流すテレビ局が多いこと。
岩崎宏美さんが「できればカッコよかった時のだけを流してほしい」って言ってたけど、俺もそう思う。
病気を克服しようとこれだけ頑張ってたんですよ、完全復帰のために最後まで努力してたんですよって。それは確かにそうなんだけど、それって今の世代の人はどうでもいいことではないのかな。ピーク時知らないんだし。

神田沙也加が結婚した時「え?お母さん松田聖子だったの」とネットで言われてるって聞いて、あぁそりゃ当然だわなって思った。
もうかなり前になるがスタッフに「長島さんって何してた人?」って祝えてびっくりしたことが合う。長島一茂は知ってても、長嶋茂雄は知らないんだものな。
それは無知だなんていうバカな人がいるが、俺でも加山雄三の父をよく知らないし、佐藤浩市も中井貴一もお父さんがすごかったって言われてもピンとこないもの。
これが時代だろう。

たのきんトリオでさえ知らない今の世代にとっては、新御三家なんてめっちゃ過去のこと。
だからなおさら、先駆者であった西城秀樹のカッコいい映像を素材では使って欲しいのだがね。今のテレビ局の製作や編集スタッフがもう知らない世代なんだろうな。
しかも昔はアナログのテープの時代だから、そうそう映像素材も残ってないのかもしれない。
けっこう平気で捨ててるし、管理もずさんだっただろうから。

西城秀樹さんは当時少年マガジンで絶大な人気を誇った漫画、愛と誠の実写映画の主演をしている。
今でこそ当たり前になった漫画の実写映像化ね。(ちなみにこの漫画は妻夫木と武井咲でも実写化してる)

この愛と誠のオーデションでヒロイン・早乙女愛に選ばれた彼女は、そのまま早乙女愛を芸名にしてた。一昔前はそれがアリだった。江口洋介も漫画・湘南爆走族の実写映画化で、主人公の名前をそのまま芸名にしてるし、仲間トオルもBE-BOP HIGHSCHOOLの主人公の一人の名前だ。





その愛と誠の原画がオークションに出されて物議を起こしてる。
アニメ関連の大手、まんだらけのオークションに出されたこの原画について、出版元の講談社は買わないでって広報した。でもまんだらけ側はそのままオークションを敢行し、結局400万くらいで落札された。

法的に言えば盗難品の場合はオークションや売買が無効になったり、盗難品とわかってて買い取ったりするのは問題なのだが、今回のケースはちょっとそれが当てはまらない。この原画は、どうも講談社が連載当時に貸し出しした原作の一部がそのまま紛失してたみたいだ。それならそれで盗難届とか出してりゃよかったのにね。



作者のながやす巧さん(代理で奥さん)や講談社は、「これまで一度も外部の人間に作品を常としたり、売却したことは無い」と言ってるのだが、これはどう考えても出版社側の落ち度だな。
原画にはレッシングペーパーで雑誌掲載時の見出し(担当者が作る)が貼ってあるので、明らかに講談社の印刷用原画であるもの。
今までほったらかしにしてて、出てきた途端に騒いでも無駄だわ。
まんだらけ側もオークション前には講談社や代理人に「紛失したのはその(今回出品の)15枚だけなのか?」って聞いたのに回答はなかったらしい。ってことはもっと紛失・流出してるってことだわな。

西城秀樹さんの全盛期の映像と同じく、昭和のサブカルチャー作品の扱いはかなり低かった。著作権って考えがかなり低かったし、テレビ局どうし、出版社どうし、ましてや系列なんかだったら貸し借りなんかも平気だった。素材が返ってこないのはらだし、担当者も催促したり気にもしてないことが多かった(事実)
俺も雑誌取材やテレビに出させていただいた際に写真や過去に描いた絵を渡したのだが、ちゃんと返送されてくるところもあれば催促してようやく郵送されてきたこともあった。下請け会社製作の場合でも大手でも一緒。

だいたい、歌手や俳優の家の住所や電話番号が平気で雑誌に載ってた時代だ。明星とか平凡などの雑誌だけでなく、EPレコードにも平気で載ってた。ファンレターの宛先も平気で実家だったり寮だったり学校だったり。
今では考えられないくらい平和だったというか、それで変なことを考えたり、したりする輩がいなかったからこそできたんだろうなぁ。でもこれって昔の方が当たり前で、今の方がおかしいんだよ。それくらい個人情報に限らず情報や素材なんてものは軽く扱われてた。


話は西城秀樹さんにまた戻るが、あのバーモンドカレーのCM映像が、なんとNHKの訃報ニュースで使われてた。紅白歌合戦とかの映像があるにもかかわらず、一企業のCM映像を使うとは・・・。やるなぁ。
普段はドラマでもニュースでもこれでもかってくらいにメーカー名を消すNHK。国営放送だから特定の企業をってのはわかるのだが、ビールやジュースを飲むシーンでもラベルを消したり隠したり、街角ロケでも企業看板などが写らないように苦慮してたり、どうしても映る場合にはボカシを入れるくらいだ。

それがハウスバーモンドカレーだよ〜 ヒデキ感激!まで使うということは、もうこれは一企業のCMという扱いではなく、西城秀樹が起こした社会トレンドの一部だと製作・編集したNHKスタッフはとらえたんだろうか。まぁこのCM映像でいくら音声を消しても、見てる人は頭の中で「ハウスバーモンドカレーだよ〜」ってメロディが流れると思うけどね。

この度エバラ焼肉のタレのCMソングが音商標として登録されたようだ。音商標は2015年から認められてる制度で、ラッパのマークの正露丸や、小林製薬のブルーレットなどが登録されてる。
エバラ焼肉のたれ!のフレーズは歴代色んなタレントがCMしてるがやっぱり元祖月の家円鏡さんのCMだな。そしてハウスバーモンドカレーだよ〜もやはり西城秀樹なのだね。



CMソングというのはやたら耳に残る。

サッポロ一番・みそら〜めん
いいことあるぞ〜ミスタードーナッツ
スライスチーズは雪印
あ〜らよ出前一丁
マルシンマルシンハンバ〜グ
エースコックのワンタンメン

関西ローカルで言えば
いちにのサンガリア
有馬温泉とうようかくへ
京橋はええとこでっせグランシャトーがおまっせ
琵琶湖温泉のあの場所は行ったことがないのでどこにあるのか知らない。

長いフレーズでもリズムで覚えてしまえるのがCMソングの怖いところ
ンパッパ・ンパッパ・ウンパ黄桜うんぱっぱ〜
あかちゃん夜泣きででこまったな、かんむしちちはきこまったな〜
白黒抹茶あずきコーヒーゆず桜
鳩麦玄米月見草〜

こういったフレーズとリズムとテンポで聞かされるCMは耳に残る。
そしてある時ふとスイッチが入ってしまって一日中耳の中でヘビーローテーションして困るのもある。
セッはセレマのセ
このCMを見てしまうとダメ。その日は1日頭のどこかであのフレーズが流れてる。

そう考えたら今のCMはちょっとつまらないかな。
踊ってばっかりだし。
消臭力とムシューダくらいか。

これも時代かね。
昭和がそろそろ終わるし、まぁ仕方がないか。