
非まじめに人を動かす方法
携帯電話の電源を、講演前に切らせるいろいろなやり方があります。いくら司会者が言っても、ウッカリ者が必ずいて、途中で耳鳴りな音がひびいて座を白けさせるケースが跡を絶ちません。どうしますか?私が「さすがうまいな!」と思ったいくつかの非まじめな例を紹介しましょう。ある歌手が歌ってるとき、会場でピーピーと携帯電話が鳴りました。彼は歌をやめて、一言「すみませんね。忙しいのにわざわざきていただいて。すぐ終わりますから、あと六時間くらいの辛抱ですので……」と言いました。
ある落語家は噺を始める前に客に繰り返し念を押しました。「いいですね。途中で終わったとたん、彼の携帯が鳴りました。彼はすかさず「なに、晩メシ?いらん」そう言って自分の携帯電話を切ると
、客席に向かって「失礼いたしました」と一礼。見事な演出でした。講演の途中で、客席の携帯電話が鳴りはじめました
。話を途中でやめて、みんなでどんな内容の話なのかジッと聞いている。そんな人もいました。子どもの保育絵本『ひかりのくに』の元編集長・モリケンさん(吉森正徳氏)は、講演中でもあえて携帯電話を切りません。彼はハーモニカの名手で
、現在は、大好きなモンゴルと日本とを
、音楽や昔話の紹介を通じて、文化交流の橋渡しをしています。携帯の着信メロディーは福岡ダイエーホークスの応援歌
。それが鳴ると、「講演中だから後でね
」と言って、聴衆に向かって「それでは携帯で演奏しましょう」と言ってから携帯サイズのハーモニカを同じポケットから取り出して演奏します。すると見た目にはいかにも携帯で演奏しているように見えますね。こんな方法も粋ですね。
一番すばらしかったのは永六輔さんでした。「私は携帯が大嫌い。でもどれくらいの人が持っていますか?ちょっと出して見せてください」そう言ってみんなの机の上に出してもらいました。「スイッチを入れて手に持って高く上げてください。ワー、とてもきれいですね。赤、青、黄色そして緑、ホタルが飛んでるみたい。大嫌いな携帯がホタルになりました。ハイ、電源切ってください」とやったんです。見事ですね。
HPhttp://airmitsuo.jimdo.com