Best of George Worst (仮)

レッズサポーターで亜弥マニア。うだつの上がらぬ中年男の特に面白味のない日常を適当に晒す。のか?

静岡おでん。

2006-09-24 15:42:57 | 食い物
まだ先週。9月18日月曜の話の続き。

静岡に到着。雨の気配が強かったので駅の売店でビニール傘を買う。

さて。静岡では何を食うか。

会社で使用しているPCのディスプレイ上に、最近はgooキーワードランキングなんてのを表示させている事が多い。ブラウザの幅を縮めて、左端の「いま人気の検索語ランキング」という部分だけ表示させたまま仕事をしているのだけど、たまに目をやると妙な語が上位に表示されて、何かあったのかななんて思ったりする。
先週末だと、学生時代のバイトで多少なりとも世話になっていた日本テレビのアナウンサーの名前がトップに定着していたりして、こんな場合はちょっと複雑な思いになったりするのだけど。

そのランキングに一瞬出てきて、たまたま目に入った語が「静岡おでん」。
静岡市って、おでんが名物だって知ってました?
後になってネットで調べたら特集をしているサイトもある。県内では富士宮の焼きそば、浜松の餃子と共に、名物としてアピールすべく努力中という段階らしい。しかし、世間に知られているかはともかく、静岡市のおでんの歴史は古く、文化と呼ぶにふさわしいものである事は確かなようです。

さて、そんな静岡おでんですが、おでんであるからには供する店の多くは屋台発祥の居酒屋群。当然の事ながら営業は夜中心となる。が、そこは文化として定着している土地。調べると居酒屋以外に神社の参道にある食堂とか駄菓子屋とかパン屋なんかでも食えて、早朝から営業しているところもある。

そんな店のひとつに向かう。駄菓子屋でありながらおでんも食わせる店、水野商店。しかし開いていない。

水野商店はお休み

閉ざされた入り口のサッシのガラスに「本日はお休みをいただきます」の張り紙。ネットで調べたら不定休だけどほとんど休まないとか書いてあったのに...。

浅間神社の方へ。
神社の入り口の前に立つと、左手に見える店。屋号の表記はなく「おでん」と書かれた看板とちょうちんとおでん。

浅間神社前の店

暖簾をくぐる狭い店内の真ん中におでん鍋とばあさん。すごく妙な感じだが、おでんは食えるかと聞くと大丈夫だというので鍋の手前の椅子に腰を下ろす。

浅間神社前の店の、おでん鍋。

ちょっと毒舌で、悪く言えばクソばばあだが、話を聞くのは楽しい。
そういえば、今日は敬老の日かとか思い出すが、だからどうした。

ここも駄菓子屋でおでんということになるようだが、菓子は店の片隅に少しある程度。菓子屋としての体はなしていない。

ばあさんは、これは煮えているとかいろいろ言いながら鍋の中の具を浮かせては沈める。ここから好きな物を取って食うのだが、汁が真っ黒な鍋の中で表に出た串の柄は見えてもその先に何がくっついているのか判らない...。
とりあえず、ばあさんに肉と揚げボールを取ってもらい皿に載せてのらう。
肉はスジ肉。ここでは豚らしいが、このスジ肉が静岡おでんのダシのベースになっているらしい。普通ならおでんにはカラシを付けて食べるのだが、ここでは魚粉と青海苔を合わせた"だし粉"をかけて食べるのだそうで、これも静岡おでんの特徴。このだし粉は、混ざった体の袋いりのものがスーパーなんかで売っているようだ。
汁が真っ黒で、ばあさんは「これを見て食べる前からしょっぱそうとか言う人がいるんだよ」と文句を言っていたが、実際に食べると塩辛さはまるでない。むしろ甘みを感じる。
見た目の黒さも少し甘みが出た感じも、名古屋の八丁味噌を使った真っ黒なおでんにそっくりだったので、味噌は入れているのかと聞いたら醤油だけとのこと。尚、ばあさんに言わせれば、味噌を入れるおでんは清水だよと言っていた。今度、清水でおでんが食えるところを探そう。

玉子を貰ったときに、ばあさんが鍋の中の汁を少しお玉に掬って皿に入れてくれた。汁を直接飲んでもやっぱり塩辛さはまったくない。かといって、ダシの効いた普通のおでんダシとも全く違う。凄く複雑で、深い味。
ばあさん曰く、60年ずっと煮込みっぱなしの汁とのこと。すごい歴史が鍋の中で煮詰まっている。

常連らしい若者がやってきて、お持ち帰りで大量に購入し、それまで鍋にあったものがほとんど無くなったので俺も店を出る。
料金は均一で、串1本70円。


ほとんど何の予備知識もなく食べた静岡おでんだったが、この一週間、意識するようになったせいか、テレビで目にする機会がある。
キリンビールの佐藤浩一が出ているCMも静岡おでんだし、みのもんたがMCで各地の自慢を紹介するような番組でも静岡おでんが取り上げられていた。

情報としては、以下のサイトが詳しい。今回もここを参考にして店を探した。
http://www.at-s.com/html/gourmet/oden/index_b.html

また、今回行ったばあさんの店は以下で紹介されている。
http://www.at-s.com/html/gourmet/oden/vol05.html

ここでは"中西おでん屋"と紹介されているが、店内に紙で"範子のおでん"と書いて貼ってあったので、そう名乗るようにしたのかもしれない。

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2 コメント

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Unknown (ありえす)
2006-09-24 16:43:43
こんにちは。

大阪、静岡お疲れ様です。



>おでんが名物だって知ってました?



いや、知らなかったです。

富士宮の焼きそば、浜松のうなぎは有名ですけど。

静岡といえば。

海産物かな。

あっ、でも清水(現静岡市)や焼津か。



まだまだ一般に知られていない名産(?)もあるんですね。

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Unknown (George Worst)
2006-09-25 23:41:27
ありえすさん、どうもです。



静岡のおでんは外向けの名物というより、地元に定着した食文化ですね。

こういうのを体験するのは、ある意味で最高の観光になるかと思います。

観光資源としてアピールしてるかどうかで、ガイドブックからは抜けている各地のこういった物を見つけるのは楽しいかもしれないです。



この視点から見ると、浜松はうなぎが有名ですが、餃子にも注目ですよ。
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