地形学とGIS / Geomorphology & GIS

ある研究者の活動と思考の記録

岩田君

2009-06-03 | 論文や雑誌
OBの岩田君との共著がGeographical Researchに出ました.内容は鎌倉の土地利用変化で,GISを活用して主成分分析などを行い,法的規制や都市化との関係を論じています.地形の効果も少し検討していますが,基本的には人文地理学の論文です.

岩田君は卒論を僕の研究室で書き,研究員としてさらに半年滞在した後,カナダのブリティッシュ・コロンビア大学に進学して修士号を取得しました.その後帰国し,今は日本政策投資銀行に勤めています.今回の論文は岩田君の卒論を骨子としています.研究の中身が立派だったとはいえ,卒論がインパクト・ファクターを持つ国際誌に出るのは珍しいです.身近なところではhaya君が実現していますが,希少な例といえます.

実はこの論文,投稿から受理まで丸2年かかっています.査読のコメントが厳しかったためではありません.最初の査読結果が戻ってきた際には,その好意的な内容からみて,直した原稿を提出すれば受理されると思いました.ところが,その後に予期せぬ事態が発生し,受理が大幅に遅れました.事態は実に奇妙で,当初は頭を抱えましたが,岩田君と相談し,「解放の神学」と称する作戦を展開しました.複数の友人の支援も得て,最終的には解決しましたが,それなりの努力が必要でした.

岩田君は先日結婚しました.結果論になりますが,ほぼ同時に出版された論文は良い記念になるでしょう.僕にとっても思い出に強く残る論文になりそうです.

To everything, turn, turn, turn.
There is a season, turn, turn, turn.
And a time for every purpose under heaven.
(Turn! Turn! Turn! / Byrds)